殺す
「諸君らの奮起、奮闘に期待するところ大である! 決行は今夜7時!
みな準備を怠るな! やるぞ! えい、えい、おおおおおぉぉぉ!!!」
カルタス達やゴーストがみな雄たけびを上げた。
『密室』かけといて良かったと幸太郎は思った。
「面白くなってきたわい、ひっひ。では幸太郎、
地図で細かい位置取りの打ち合わせをしておこうか」
「幸太郎、エルロー辺境伯はどうする?」 ジャンジャックが聞いた。
「殺す」
幸太郎は短く答えた。
「ま、そうだよな。生かしておくと、後々厄介だ」
「今まで、さんざん好き勝手にやって、子供たちを殺してきたんだ。
よもや、この期に及んでこの世に未練があるとは言うまい。
・・・言っても聞く耳持たんがな。
モコの村に戦争を仕掛けて、モコたちが反撃してきたら
『死にたくない』なんて、
そんな虫のいい話があるか。絶対逃がさん」
「・・・ご主人様。その役目は、私に・・・」
モコは真剣な目で幸太郎を見つめた。強い決意が宿っている。
「・・・わかった。確かに約束していたな」
幸太郎とギブルスの細かい位置取りの打ち合わせが終わった。
敵の反応を想定して、複数のパターンを作る。
もちろん無駄になるのが望ましい。
あとはジャンジャックとグレゴリオに
合図を送る打ち合わせで準備は終わりだ。
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