魔法とスキル 1
「じゃあ、あとは私から幸太郎君に説明しますね」
ムラサキもちゃぶ台の一員になった。
「本来なら幸太郎君はこっちの世界で赤ちゃんから始めて、
色々とこの世界の常識や知識を身に着けてから仕事を始めて
欲しいんですが・・・。
今回はちょっと急ぎになっちゃったから・・・。前任者の件もあるしね。
それで幸太郎君には特例で20歳の体で地上に降りてもらいます」
「私は今の42歳から若返るってことですか?」
「はい。あなたの体の一部をもいできましたから、
それを元に体を作りました」こえーよ
「しかし・・・それだと、私は前の地球の知識しか・・・」
「そこでアステラ様と私でそれを補完するスキルや魔法を作りました。
まずはこれです」
ムラサキはちゃぶ台の上のレタスがのった皿を幸太郎へ渡した。
「『ステータスウインドウ』! あなたの身体や能力などの情報を
客観的に可視化するスキルです。
私が幸太郎君の世界のゲームを参考に作りました」
ムラサキは楽しそうに笑った。
「えーと・・・もしかして・・・この皿に載ってるレタスが・・・」
「はい、『すてえタス』です。これを食べて下さい。
これでステータスと唱えるか心で命令するとウインドウが開きます。
脳内表示に切り替えも可能なスグレモノなんです」
幸太郎はパリパリ、もさもさと草を食べた。
一応アステラが塩を出してくれた。
「では幸太郎君。早速唱えてみてください」
「・・・ステータス!」
幸太郎の前に四角い黒い画面が出現した。しかしほとんど空欄だ。
「あんたは今はまだ魔法もスキルもないからね。すぐに空欄は埋まってゆくよ」
アステラも楽しそう。
しかし幸太郎は・・・あることに気が付いた
「あの・・・もしかして、今のが『すてえタス』なら、
こっちは『翻訳こ〇にゃく』で、こっちは『鑑定カンテン』・・・
これは『ネクロまん』ですか・・・?」
「えっ!? なんでわかったの、幸太郎君!?」
「あ、あんた超能力者だったの?!」ちげーよ
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