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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーVSエルロー辺境伯 2
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これが切り札


 ギブルスもすぐに帰ってきた。馬車は少し大型にしておいたという。



幸太郎が亜人の奴隷を連れて行こうと考えたのは、ギブルスに会った後だった。



ギブルスが馬車を扱っていると聞いていなければ、思いつかなかっただろう。



これは、ずっと後で効果がでるはずの布石だ。








「よし、幸太郎、ほれ、切り札を見せてみい!」





「そうだ、68名の護衛を5分で制圧するという、


その切り札を見ねえと俺たちも不安だぜ」





幸太郎は、くれぐれも他言無用に、と頼んだ。





「来い、『冥界門』・・・」





幸太郎の胸に緑色の光が灯る。その光が宙に浮き、



2つの円に展開する。そして、



その中に光が走り『八芒星』が浮かび上がった。





「これは?・・・今まで見たことない魔法じゃのう・・・」





「幸太郎、これもネクロマンサーの魔法のひとつなのか?」





「これは・・・借り物の力だよ。正確には俺の力じゃない。


ネクロマンサーの魔法なのかは不明だな。これで冥界から援軍を呼ぶ」





「「「援軍???」」」





幸太郎は『冥界門』に呼びかける。『カルタス、聞こえるか?』



ほどなくして『冥界門』から声が聞こえた。





「はい。幸太郎様。なんなりと」





「モコの村の子供たちがエルロー辺境伯にさらわれた。奴は子供たちを


拷問して殺すクソ野郎だ。救出作戦に力を貸してほしい。頼めるか?」





「もちろんです。我ら5名、幸太郎様の剣となり


敵を撃ち滅ぼしてご覧に入れましょう」





「ありがとう。助かる。では、作戦を伝える。決行は今夜7時の予定だ」





幸太郎はカルタスに大まかな事情と作戦を説明した。










(C)雨男 2021/12/06 ALL RIGHTS RESERVED






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