馬車の大きさを変更したい
「待て待て待て待て、幸太郎、聞いてたろ?
騎士が6名、部下が60名、魔導士が2名。
メイドだってもしかしたら抵抗してくるかもしれないんだぜ?」
「そうだ、幸太郎殿、モコの村を襲った以上、しばらくは襲撃に備えて
全員武装している可能性が高い。俺とジャンジャックが陽動でなく、
屋敷の襲撃に参加しても、4名でそれだけの数を相手にするのは、
時間的に難しいだろう。あまり時間をかけると
子供たちを人質にしたり、騒ぎに気が付いた町の警備隊が飛んでくるぞ」
「ということは・・・ご主人様・・・切り札を出すのですね?」
「そう。5分で制圧する。時間はかけられん」
ジャンジャックも、グレゴリオもギブルスも、
当然その切り札を聞きたがった。
幸太郎はもちろん説明するつもりだったが、
どうしてもその前にすることがある。
幸太郎は『時計塔』を呼んだ。
「ほほう! これは時計じゃな? こんな魔法初めてみるわい」
「うん。みんなすまないが、切り札の説明の前に
どうしても物資の確認をする必要がある。
あと2時間ほどで日没だろう。足りないものは
今のうちに購入する必要があるからな。
物資の確認の後に説明するよ」
「ふふふ、幸太郎、お前さんいい判断じゃな。
よし、説明楽しみにしておくぞ」
幸太郎は物資のほうが気がかりだった。まだ自分で確認していない。
シミュレーションして、ひとつひとつ確認する必要がある。
「ギブルスさん、実はひとつだけ予定を
変更するつもりなんです。馬車の大きさです。
ブロトの商館にいるエルフと獣人の奴隷も連れていこうと思うんです」
(C)雨男 2021/12/05 ALL RIGHTS RESERVED




