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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーVSエルロー辺境伯 2
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コレクション


 ギブルスはジャンジャックたちが戻ってくるまで、



幸太郎に色々なコレクションを見せてきた。



瓶詰の妖精の死体、何かの頭蓋骨、炎龍の糞、



魔王のスリッパ(未使用)、恐竜の化石まであった。





「最近仕入れたコレクションはこれじゃ。


『キラーマンティス』のはく製!


中身に寄生していたハリガネムシが8メートルもあってのう! 


それはこっちの瓶に入っておる。どうじゃ、わくわくするじゃろう!?」








お前だけな。








幸太郎ははく製ではあるが、初めて魔物を見た。



キラーマンティスはでかいカマキリだ。



これなら人でも食うだろう。両手を体の前で合わせているのは、



なにやら祈りを捧げているようにさえ見える。








幸太郎は恐竜の化石にも興味をそそられた。



この世界にも太古に恐竜はいたのか。



ドラゴンなどはこいつらの末裔なのか?



いや、火を吐く生物なんて進化の過程で生まれるとは思えない。



やっぱり似てるけどドラゴンは妖怪の類なのだろう。





(アステラ様はまだ魔法や魔物が存在する世界とか


いってたような・・・。つまり、俺のいた地球でも


魔法が科学と同列に存在した時期があるってことか? 


この世界でもこの先、魔法は消えてゆくのだろうな・・・)





幸太郎はちょっと悲しくなった。



生活魔法とか消えるのはもったいない気がする。



まあ、それより今は恐竜の化石だ。





「恐竜の化石とは珍しい・・・。


形状からするとトリケラトプスの子供かな。


それならティラノサウルスなどもいたのだろう・・・」





鑑定の結果は間違いなく『トリケラトプスの化石』と表示される。



途中までは幸太郎のいた地球と同じ歴史をたどったのだろうか?








幸太郎はギブルスに『白亜紀』『ジュラ紀』など、



理解できないだろうワードも使って、恐竜のうんちくを語った。



幸太郎は『のび太の恐竜』で泣いたほうだ。



化石から古代の地球環境や生物の暮らしに



思いを馳せる・・・まさにロマン。



幸太郎は先カンブリア時代の生物の化石展を



1人で見に行ったことがある。1人で。『1人』で・・・。








ギブルスは目からビームを出しながら興奮している。



どうやら初めて、この化石の価値を知る人間に出会ったようだ。





「おほ! 面白い! おっもしろぉぉぉい!! 幸太郎! 


お前さん面白い知識を持っておるのう!! いひひひひひ!」








うわー変態だ。










(C)雨男 2021/12/04 ALL RIGHTS RESERVED







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