モコと雑談 2
「モコ。昨日の『練習』ではやったけど、
今日の本番では出なかった内容があったろう?」
「あ、はい。私が倒れていた場所についての部分ですね?
昨日せっかく細かい部分まで打ち合わせしたのに・・・」
「その通り。あれが無かったせいで、
モコがしゃべる部分がほとんど無くなってしまったよな。ははは。
あ、話を戻すが、本来ブロトはモコを見れば
『コナへ向かった人狩りから逃げ出したのでは?』
という疑いを持つのが当然なんだ。だから、俺たちに興味を持った。
そして、同時にブロトが知りたいのが
『人狩りたちはどうなったんだ?』ということなんだ」
「ご主人様が倒したのか、私が何らかの理由で自力で
逃げ出したのか・・・ですね?」
「そう。だから昨日は『人狩りが盗賊に襲われた後、仲間割れした』
という設定で打ち合わせをした。
ブロトは本当なら『モコの倒れていた場所』と
『幸太郎は強いのか?』という2つのことを
知りたがるはずなんだ。ところが・・・」
「私が倒れていた場所については質問してこなかった・・・」
「ブロトはモコの倒れていた場所を手掛かりに、
コナへ向かった人狩りを探す。
ユタへ来た人狩りたちを調査に向かわせるはず・・・だった。
しかし、ブロトは『モコが倒れていた場所』について、
全く興味を示さなかった。
なぜか?・・・もちろん『必要ない』からだ。
なぜ必要ないのか? 理由は一つしかない。
『全滅』したのをすでに知っているからだ」
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