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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーVSエルロー辺境伯 2
212/1070

奴隷商人の館 8


「ほう? 金貨20枚ですか」





「はい。お手持ちはございますか?」





幸太郎は見え透いた手だと思った。吹っ掛けて、



もし、所持金が足りなければ、



モコを奪ってお釣りをだすという作戦なのだろう。



やはりブロトはモコを諦めていないという証拠だった。





「ふーむ、妙な話ですなあ・・・」





幸太郎は余裕たっぷりにソファに深く腰掛ける。





「おや、妙・・・とは?」





「いや、なに。私はギブルス殿にここを


紹介してもらったのですがね・・・」





幸太郎はニヤリと笑った。



ブロトはビクッとわずかに顔が動いた。





「そ、そうでしたか。それを早く言っていただければ・・・。


お人が悪い。それでしたら、割引価格でご提供いたします。


金貨10枚で結構でございます」





「おやおや、急に半額とは・・・。いかがいたしましたか?」





「いやはや、これはお見苦しい所を。


そ、その、今の20枚という金額は・・・。


そう、初見のお客様には防犯もかねて、あえて、


高額の料金を設定しているのですよ。


なにせ商売柄、恨みを買うことも、多々ありますゆえ・・・」





説明になってない。幸太郎はそう思ったが、



追い詰めることはしない。



なにしろ幸太郎はカマをかけただけで、相場など知らないのだ。










(C)雨男 2021/12/01 ALL RIGHTS RESERVED






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