ギルドカードを初めて見る
「よろしいのですか?」
「おう。それと硬い言葉使いはやめてくれ。俺はジャンジャック。
こっちのデカいのはグレゴリオだ。
俺はゴリオって呼んでるけどな。よろしくな」
「ざっくばらんにいこう。幸太郎殿。俺はグレゴリオだ」
「幸太郎です・・・いや、幸太郎だ。よろしく頼む」
2人が苗字を名乗らなかったことに、幸太郎は驚いた。
貴族であることをあえて隠すのか? だが、幸太郎は好感を持った。
幸太郎は2人と握手する。するとジャンジャックとグレゴリオは
『マジックボックス』から何やらカードを取り出して見せた。
2人とも『マジックボックス』を持っているのか。
どうりでリュックさえ持っていないはずだ。
幸太郎はそのカードが何かわからなかったので、
黙って鑑定してみた。
『ギルドカード この世界では身分証明書の代わりに使える』
やっぱり鑑定は優秀だ。知りたいことに忖度してくれている。
「ギルドカードまで見せてくれるとは、親切だな。しかし、あいにく
俺はずっと山奥で暮らしていたからギルドカードは持っていないんだ」
「そうなのか。幸太郎からは並々ならぬ教養の高さを感じるが・・・。
まあ、それは後回しだな。まずは作戦を聞かせてくれ」
しかし、それにはまず2人に確認しなくてはならないことがあった。
(C)雨男 2021/11/27 ALL RIGHTS RESERVED