表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/1043

前任者 3


「それはまた・・・前任者は壮絶な最期でしたね・・・」





「まあ、さすがに私もムラサキも頭にきたから、


一緒に彼に説教くれてやろうと思ったの」





ところがね、と言ってアステラはまた溜息をついた。





「アンドリューをこっちに連れ戻したとたんに、


彼は私たちを大声で罵りだしたのよ」





『なんで助けてくれなかったんだ! おかげで痛い思いをしたじゃないか!


あそこで助けてくれてたら、神の奇跡を無知蒙昧な原始人に示せたのに!


布教が台無しだ! さあ! 早く生き返らせてくれ! 復活の奇跡を見せて


私は地上で聖人になるのだ!!』





「これには、私もムラサキも唖然としたわよ・・・。


本気で言葉が出なかったわね・・・」





「アステラ様から依頼された仕事を完全に忘れてますね・・・は、はは・・・」





「アンドリューが喚き散らしていたら、アマテラス先輩がひょっこり現れて


彼をつまんで連れて行ったわ。それっきり彼の行方は知らない。


知りたくもないけどね」





アステラはふと思った。もしかしたらアマテラス先輩はこうなることを



最初から見越していたのではないか、と。





「・・・ステラ様? アステラ様? どうかなさいましたか?」





「え? ああ、ごめん。ちょっと考え事してた」





「お疲れ様です。でもこのことだったんですね。


『今回はちゃんと説明する』って言ってたのは」





「うん。アンドリューの時は彼の言葉を信用しすぎて、ろくすっぽ説明もせずに


地上に降ろしてあの有様だったからね・・・。もっとしっかり説明していたら、


違う結果になっていたかもしれないわ。


まあ、別にアンドリューが布教してもいいのよ?


当初の目的さえ遂行してくれていたらね。大変な役目を頼んでいるんだもの、


それ以外では好きに人生を生きていいわよ」





「私は説明を聞けて良かったですよ。別の宇宙へ来た話とか。少なくとも


アステラ様の御用をほっぽりだしてしまうことは無いとお約束します」





「ありがとう。そういってもらえると嬉しいわ。アンドリューの件は


私もムラサキも大いに反省しているとこだから・・・」





神様も悩んだり、苦しんだりするんだなあ・・・と、幸太郎は同情した。










(C)雨男 2021/10/31 ALL RIGHTS RESERVED






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ