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ネクロマンサーです
「モコちゃんが無事に帰ってきたことを、早く知らせてやらないとな。
俺たちはまだ亡くなった人たちを埋葬する途中だから、
モコちゃんだけでも急いで森へ向かってくれ」
モコはゆっくり首を振った。
「いいえ、シバさん。私と幸太郎様で今からユタへ行きます。
子供たちを救い出します」
「な、なんだって?! 危険すぎる!
せっかく無事に戻ってこれたのに!
子供たちの救出は俺たちに任せるんだ。
バスキーが回復したら部隊を編成して、慎重に・・・」
「それでは間に合いません」
モコはピシャリと言い切った。
「こちらの幸太郎様は『隷属の首輪』を破壊する力を持っています。
また、ネクロマンサーでもあり、様々な応用の効く術が使えます」
「そういえば、モコちゃんの首には首輪が無い・・・」
幸太郎は『マジックボックス』から壊れた首輪を取り出した。
「あ、あんた本当に首輪を壊せるのか?!」
「ネクロマンサーである私には、簡単なことです」
幸太郎はあえて自信満々な態度をとった。
村人についてきてもらっては困るのだ。
(C)雨男 2021/11/25 ALL RIGHTS RESERVED