番外編 アステラの部屋 4
「『冥界門』はそもそも黄泉の力、霊界の力よ。アマテラス先輩が
幸太郎に与えようと考える種類の力じゃないわね」
「しかし、黄泉の誰かが与えたと考えると、
ますます意味不明になりますよね・・・。
現在、幸太郎君と接点のある方は誰もいないはず」
「おまけに、あの警告ウインドウ・・・。あんなものを作るには
アマテラス先輩の世界のゲームを参考にしないと・・・。
黄泉のやつらがそんなものを、いちいち作ると思う?」
「考えれば考えるほど、袋小路ですね・・・」
「現時点では答えが出ない。
と、いうことは情報が足りてないってことよ。
今は、これ以上考えても仕方ないわ」
しかし、実はこの時点で幸太郎には、おおよその見当がついていた。
ステータス画面を何回か確認したときに
『こういう事かな?』程度はわかっていたのだ。
もちろん、それは正解にはまだ遠い。
しかし、それは正解の方向をとらえていた。
幸太郎がアステラやムラサキより頭がいいわけではない。
幸太郎の頭は、ぽんぽこぷーである。
これは単に先入観が無いという、それだけがもたらした結果だった。
アステラとムラサキは馬を降りた幸太郎が、
『時計塔』でシェルターを作ったのを見て仰天した。
「え? なに? あの大量の『時計塔』は? こんな使い方するやつ
初めて見たわ! どうなってんの?」
「こ、これ、幸太郎君の太陽魔法を
『太陽神の加護』に直結した副産物ですね・・・」
(C)雨男 2021/11/25 ALL RIGHTS RESERVED