救出計画、明日の夜
「モコ、人狩りたちは直接エルロー辺境伯の所へ子供たちを運び込むと思うか?」
「いえ、人狩りなど貴族には絶対会えません。
必ず奴隷商人の所へ運び込まれたはずです」
「ん・・・。情報を搾り取るには一度、
奴隷商人の所へ立ち寄ったほうがいいな」
幸太郎は現在位置からの、必要時間、必要な情報、
確認しておかなくてはならないことなどをシミュレートしてみた。
「情報が足りなくて不確定な部分は仕方ないとして・・・」
「はい。情報を集めてから、慎重に行動いたしましょう」
「いいや。必要なものが揃えば、明日の夜には子供たちを奪還する」
「えええええ??? あ、明日の夜ですか???」
「そんなクソヤロウの所に子供たちを置いておけるか。
早ければ、早いに越したことはない。
まあ、問題は明日の何時ごろにユタへ到着できるか、だな」
「ここから馬で向かえば、明日の昼までには到着できると思います」
「いや、明日は最初にモコの村へ向かう。
おそらく殺された村人を埋葬しようとする人たちが、
一時的に戻って来てると思う」
「それは・・・たしかに。
私の無事も知らせることができてうれしいです」
「情報と状況次第だが、ユタへの到着は夕方になりそうだな。
救出は明後日の夜と見たほうがいいだろうか・・・?
モコ、力を貸してくれ。お前の力が絶対に必要だ」
(C)雨男 2021/11/21 ALL RIGHTS RESERVED