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首輪を外す方法 1
幸太郎が首輪を外した方法。
それは実にシンプルなものだった。
「モコ、ちょっとヒヤッとするかもしれないけど、我慢してね。
・・・『コール・ゴースト』」
ゴーストが一体、幸太郎の横に現れた。さらに。
「変化! アザラシゴースト!」
どろん。ゴーストはアザラシモードになった。
「か、かわいいです! なんですかこの動物!」
モコはアザラシモードが気に入ったらしい。中身はアレなんだけどね。
そして、幸太郎はモコの首輪を触る。硬いはずなのに、
指一本くらいはすぐに緩む。本当によくできてる。
幸太郎はモコの首輪の隙間にアザラシゴーストを『にゅるん』と滑り込ませた。
すぐに効果は表れた。2秒もしないうちに首輪は外れた。
首輪の致命的な弱点。それは『あまりによくできてる』ことだった。
実に正確に所有者と奴隷の意識を読み取っている。
では、首輪にとって『奴隷』を何で判断しているのか?
それは首輪の内側にある人物の意志、だろう。
では・・・首輪の内側の意識が2つになったら・・・?
(C)雨男 2021/11/19 ALL RIGHTS RESERVED