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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーとモコ 2
131/1043

滅亡はしなかった


 コルトの死は暗殺だと噂された。しかし、それは当然と誰もが思った。



何しろ誰も悲しまない。コルトが即位したころは、



支援した貴族たちが利権獲得に大いに利用し、



私腹を肥やしたが、9年にも渡る『なんの成果も出ない浪費』は



貴族たちの首を絞めた。








洒落にならないほど。








国民は重税にあえぎ、治安は悪化し、国を捨てて逃げる者が大勢いた。



田畑は荒れ果て、村は消え、貴族の収入は激減。



貴族は商人に這いつくばる日々が続いた。



もはや貴族は自らの警護さえままならず、



昼間から貴族の館へ強盗が入り、



金や貴族の奥方、娘がさらわれる事件が横行した。








『バルド王国』が滅ばなかった理由は、単純に2つ。








1つ目は、国境を接する『ジャンバ王国』と



『ラーテル魔導連邦』が攻めてこなかったこと。



『ジャンバ王国』は端からあきれ果てていた。



『ラーテル魔導連邦』は『首都ラーテル』にある魔法の学校、



『マジック・アカデミー』が事実上の政府で、



彼らは魔法の研究以外に興味が無い。



歴史上、侵略されたことも無いし、したことも無い。








2つ目は『バルド王国』の全員が疲弊したこと。



コルトの即位に反対した貴族は殺されたり、閑職へ追いやられた。



コルトを支援した貴族は当初私腹を肥やしたが、



まともに国を支える人物がいなくなった結果、



彼らが負担していた苦労を背負い込む羽目になった。








あげく、コルトを支援していた立場上、あの馬鹿馬鹿しい戦争の



戦費を負担せざるを得ないし、毎年の出兵も反対できなかった。



その結果、コルトを支援していた貴族たちもボロボロになった。



彼らは自分たちがシロアリであることを忘れていたのだ。



もう、新しい国を作る力も、人材もなく、



とにかく今あるものを利用して立て直す以外になかった。








・・・こうして、コルトが王国で一番が邪魔な存在になった・・・。










(C)雨男 2021/11/16 ALL RIGHTS RESERVED







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