暗殺の後日談
「今の声は、さっきのガイコツさんですか?」
「ああ、そうだよ。彼の名前はカルタス。
バルド王国のエミール殿下の護衛だった騎士だよ」
「では・・・あの『ガイコツの森』の・・・? やはりエミール王子は
暗殺だったのですね?」
あの森はそんな名前で呼ばれているのか。まあ無理もない。
カルタス達は『霊感』をオフにしても見えた。
一般人でも見える人はいたはずだ。
幸太郎は森を腹ペコでさまよって、カルタスたちと会った経緯を話した。
やはり・・・というか、意外というか、
エミール王子暗殺の話は噂として有名だった。
むしろ有名なのは『その後』だとモコは話してくれた。
幸太郎は座ってあれこれと口に突っ込みながら
話を聞いた。もぐもぐ。はい、モコにも。
カルタスの話の後日談をモコが説明してくれた。
エミール王子暗殺の後、国王はすっかりやつれてしまった。
カイル王子とエミール王子を失ったのは、あまりに痛手だった。
しかも、暗殺を企てたのが王妃とコルト王子だと、
すぐに気が付いたらしい。
国王は剣を取ると、自らの手で、
大臣たちが見ている前で王妃を斬り殺した。
さらに国王はコルト王子を殺そうとしたが、
コルト王子は隠し持っていたナイフで
逆に国王を殺してしまったという。
コルト王誕生の瞬間だった。
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