神の命令を聞かない女 マキシマム
「参りましたアステラ様・・・」
「あれ? もういいの?」
「納得しました・・・。現実にやるとただの無限ループで
終わっちゃうんですね・・・」
「まあ、ただの言葉遊びだもんね。だったら言葉遊びの範囲で終わっちゃうわよ」
アステラは人差し指をくるっと回すとギャル子さんは消えた。
ああ、なんかもったいない。
「案外いじわるですね、アステラ様・・・」
「何言ってんのよ。本当に意地が悪い神なら、もっと『具体的』な女を作るわよ」
本当に意地悪な神なら、体からキノコみたいに十数本の首が生えて、
体中に1ミリくらいの疱疹みたいな顔が無数にある女を作るだろう。
そして、全ての顔が一斉に『神の命令を聞く』『神の命令を聞かない』
としゃべりだして、幸太郎に近づいてくる。
そして、その意地悪な神は幸太郎とその女を1メートルくらいの
閉鎖空間に閉じ込めて泣くまで出さないだろう。
アステラはしれっとそう言った。
「うわああああああ!! 体がかゆくなるううううう!!!」
「まあ、お茶でも飲みなさい・・・どう? 落ち着いた?」
「お茶、ありがとうございます・・・」ぐすん
「まあ、絶対神さまなら、もっとぶっ飛んだ答えを出してくるかもしれないわよ?
なにせ、さっき言った物質界と霊界、これが合わせて絶対神さまの髪の毛一本から
出来てるらしいからね」
そう言って、アステラは先ほどの髪の毛でギャル子さんを作る仕草を見せた。
(スケールがでかすぎてピンとこない・・・)幸太郎は少し目まいがした。
(C)雨男 2021/10/31 ALL RIGHTS RESERVED