揉め事はごめんだ
「さて、基本的にはもらえるものは、もらっていこうと思う。
しかし、避けてもらいたいものがある」
幸太郎が避けてほしいもの。
それは誰の持ち物だったか判別できそうな物だった。
商会のマークが刻印されていたり、盗賊が自分のトレードマークを
書き込んであるようなもの。
つまり、町で売った後に『誰がこれを持ち込んだか?』と
追跡されそうなものは避けたい。
幸太郎は自分がザコであることは理解していた。
もめごとは勘弁してもらいたい。
「でも、剣や防具は、武器屋が直したりマークは消しますから、
大丈夫だと思いますけど・・・」
「いや、持ち込む時から余計な心配は断っておきたい。
商会の印は特に気を付けてほしいんだ」
「わかりました。では、その通りに。私は人狩りや盗賊の装備を集めます」
「頼む。おっと、俺はまずはこっちから優先しないとな・・・」
幸太郎は死んだ盗賊や人狩りに『成仏』をかけてまわった。
モコは次々と鎧をはずし、剣などの武器を集めている。
幸太郎は『成仏』をかけるのが終わると、ぼろぼろの服の代わりと
食料を探しに馬車の中へ入っていった。
「おお! パンだ!」 いやっほーい
(C)雨男 2021/11/13 ALL RIGHTS RESERVED