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間抜けな質問


 幸太郎が死んだあと、少女はまだ幸太郎の亡骸のそばにいた。



少女はじっと何かを待っているようだった。








少女が待つこと数十分。ついに待っていた時が来た。



幸太郎の額に金色の輪が輝く。そして全身を淡い金色の光が包み込んだ。



少女は真の奇跡を目の当たりにした。








幸太郎の引きちぎられた腕や足、めちゃめちゃになった腹の傷も



みるみるうちに光が修復してゆく。温かい光だった。



幸太郎は再び目を開けた。上体を起こす。『冥界門』はすでに消えていた。



うまく閉じることはできたようだ。カルタスたちも冥界に戻ったらしい。








幸太郎は少女に顔を向けると、果てしなく間抜けな質問をした。





「えーと、大丈夫? お嬢ちゃん怪我はなかった?」





少女は『ご主人様こそ・・・』と言って幸太郎に抱きついて泣いた。








アステラとムラサキは一部始終をずっと見ていた。



二人ともずっと無言だった。



幸太郎が間抜けな質問をしたところで、



アステラが『ふーっ・・・』と息をついた。





「どうぞ、アステラ様」





ムラサキがアステラにタオルを差し出した。アステラはここでやっと



自分が汗だくになっていることに気が付いた。



ずっと腕を強く握っていたせいで、



二の腕にくっきりと指の跡がついていた。










(C)雨男 2021/11/12 ALL RIGHTS RESERVED







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