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もう聞き取れない


 ガイコツの騎士の1人が少女の檻へ向かった。



檻には大きな錠前がかかっている。その鍵穴へ、指をスッと差し込んだ。



そのまま手をひねると『ガチャリ』という音とともに錠前が地に落ちた。








檻から少女が飛び出してきた。





「ごめんなさい、ごめんなさい、私のせいで、こんな、ごめんなさい・・・」





幸太郎の耳はもうほとんど聞こえない、何か言おうとしたが、声ももう出ない。



ゴーストたちは再びゆっくりと、幸太郎の体を地面に横たえた。



幸太郎の周囲には全てのゴーストが膝をついて頭を垂れていた。








少女は幸太郎にしがみついて泣いた。








カルタスたちは再びかしずくと、幸太郎へ話しかけた。少し焦りが見える。





「幸太郎様。まだ終わってはおりませぬ。『冥界門』を閉じるのです。


この門が開いたままですと、冥界の亡者がこの門からあふれ出してしまいます。


お急ぎ下さい。幸太郎様以外には閉じることができませぬ」





幸太郎は素直にカルタスの言葉に従った。



もう視力が無くなりかけていたからだ。



おそらく幸太郎の意識はあと10秒もたない。





(閉じろ・・・『冥界門』・・・閉じろ・・・)





血のように真っ赤な『冥界門』はするすると閉じた。緑色に変わる。





(うまく・・・閉じた・・・らしい・・・)





幸太郎は死んだ。門が閉じ始めてからカルタスが何か



少女に話しているようだったが、もう聞き取れない。



幸太郎の意識は闇へ沈んだ。










(C)雨男 2021/11/12 ALL RIGHTS RESERVED






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