決着
ゴーストたちは幸太郎を支えて空中へ立たせた。
幸太郎は目の前に、いつの間にかカルタスたちが来ていることに気がついた。
カルタスと4人のガイコツの騎士は膝をついて頭を垂れて控えていた。
「幸太郎様。あなた様より受けた大恩に報いるために、今より我ら5名、
幸太郎様にお仕えいたします。これは殿下のご意向でもあります」
幸太郎は声を出そうと思ったが、もうすでにその力は失われていた。
「幸太郎様。我らに命じて下さい。今すぐに」
(お願いだ・・・あの・・・少女を・・・たす・・けて・・・)
「承知いたしました幸太郎様!!」
カルタスと4人のガイコツの騎士の目が光る。空中を乱れ飛ぶ
ゴーストたちは一斉に叫んだ。
『あなた様の嘆きは・・・我らの嘆き!』
『あなた様の悲しみは・・・我らの悲しみ!』
『あなた様の怒りは・・・我らの怒り!!!』
そのとたんゴーストたちは全て凄まじい憤怒の形相に変わった。
ゴーストたちは濁流のように盗賊たちに襲い掛かる。
盗賊の足に巻き付き、腕に巻き付き、体にしがみつき、首や肩に噛みついた。
カルタスたちが怒りの咆哮をあげ、断罪の剛剣を振り下ろし、
盗賊たちの頭を容赦なく叩き割った。
わずか数秒での決着だった。
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