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まだ何も知らなかった朝
「1番よ選ばれし者だ。」
そんな声が脳裏によぎる。しかし、その声を無視し1番はベッドから身体を起こし洗面台に向かう。
「それにしても、1番ってなんだよ俺には”名村夜空”って名前があるのに...。」
そんな事を心で思いながら顔を洗い終え、朝食が並んでいるテーブルに座りテレビをつけながら食事を摂る。
「昨夜11時頃、静岡市で20人の殺人事件がありました...。」
朝から物騒なニュースが耳に入る。
しかし、夜空は。
「自分には関係ねぇや。」
といいテレビの電源を落とす。
夜空がゆっくり朝食をとっていると、母親が。
「今日は朝ゆっくりなの?」
と言い出す。
夜空が時計を見ると針は7時45分を回っていた。
夜空が通う学校までおよそ20分かかり、朝礼の始まる時間は8時15分。
それを理解し夜空は慌てて部屋に戻り制服に着替える。
部屋に戻ってからおよそ5分で制服に着替え終わった夜空は、
「行ってきまーす!」
と言い出家を出ていった。