プロローグ
「ああ、ご主人様! 悠々の時を経て、遂に巡り会えました。お分かりでしょうか? 私はかつてあなた様の忠実なる僕でございました。ああ、ご主人様……会いたかった……本当に……会いたかった……」
僕の目の前には黒髪ロング、黄色いカチューシャがトレードマーク、そして赤いメガネをしていてもその美しさは全く隠せていない。ロシア系ハーフと思わせる日本人離れした美貌の持ち主、制服姿がアイドルの衣装に見えてしまう程の超絶美少女、学園のトップでありアイドルである生徒会長が、瞳を潤ませさせて僕を愛しそうに見つめていた。
「…………はい?」
そしてその美少女を、先輩を前に、生徒会長にそこまで言わせておいて、僕は非常に困惑していた。
高校の入学式から3日、僕に忠実なる下僕が出来た……らしい……。
いや、突然でごめん、なに言ってるんだって思うよね……うん、僕もそう思う。
でも……本当の事なんだ。
僕の頭がおかしくなったわけでも、中二病が悪化したまま高校に入学し、一人寂しく昼休み机に突っ伏して寝た振りを決め込みながら妄想したわけでもない。
ましてや、僕がイケメンだったり、特に何かに優れていて学園のアイドルで上級生でもある生徒会長に、入学早々見初められたとかでも恐らくない。
そもそも僕は自他共に認めるバリバリのオタクなんだ。
しかも自慢じゃ無いが、若干コミュ症を併発している為に今まで友達らしい友達はいた事もない。勿論当然ながら恋人なんて出来た事もない。彼女居ない歴年齢どころか、今後一生って言っても誰も疑わない……本当に自慢じゃないな僕の人生……。
そして、淡い期待を抱きながら高校入学という人生リセット、高校デビュー出来る大チャンスを物に出来ず、今の所ボッチはほぼ確定的な状況だ。
そんな僕に、そんな哀れな僕に、突然彼女どころか僕が出来た……出来てしまった。
――そして、その相手は何を隠そう、この学園のトップ、エリート中のエリート、完璧超人と言われ学内どころか周辺高校、そして僕のいた中学まで知れ渡っていた人物。
僕がなんとかギリギリで入れた進学校のトップ中のトップ、学園現生徒会
長『遠矢 陽向』その人だった。
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主人公に妹は一応居ます、今後妹が出るかは皆様にかかっております(笑)