第1章 (6) 作戦決行4
ボス部屋の前まできた討伐メンバー一同だったのだが、目の前には五十体ほどのアガリアレプドックの姿があったのだった。
アガリアレプドックは、一匹でそこら辺にいるワグナーの群れと同等の力がある。そのため、いくら討伐メンバーと言っても無数のアガリアレプドックとやり合うのは不可能と討伐メンバーのほぼ全員が思った。
しかし、カイとクウは討伐することは決して不可能だとは思わなかった。
「どうした、そんな暗い顔をして!」
「え、だって、アガリアだぞ!一匹や二匹でも逃げるのがやっとなのに、こんな数いられたら逃げることだってできなじゃないか!」
ルイが不安な声を上げるとその不安な気持ちにカイが言葉を返した。
「確かに、その通りだな。この数いられたら、俺とクウの力を持ってもみんなを安全に避難させることができないかもしれない。だがな、何のためのこのメンバーなんだ、強い敵を倒すために俺たちは、この討伐メンバーに加わったのじゃないのか?」
「確かに、そうだが。俺たちは、お前とクウみたいに強いわけじゃない!」
「確かに、俺とクウは強いかもしれないだがな、その強さにだって限界はあるんだ。いくら強いって言ってもな、みんなの力がなければダメな時だってあるんだ。だから今がその時だと思うんだ、みんなで力を合わせればこのピンチだって抜け出せるかもしれないじゃないか!だから今こそ、みんなで力を合わせる時だと思うんだが、みんなはそう思わないか?」
「確かに、カイの言う通りだな!いままで、カイとクウには助けてきてもらったわけだし、いつまでも助けてもらうわけにはいかないからな!」
クロが、カイの言ったこと納得すると、クロの言った言葉にソラが反応しみんなに賛同と取っていくと、一人、また一人と納得していきみんなで乗り切ろうという感じになっていき、最終的にはとても不安そうにしていたルイも賛同した。
みんなの意思がまとまったところで、再び、いま自分たちが置かれている状況に戻るとそこには、五十メートルほどまで迫っているアガリアレプドックの姿があった。
「よし、行くぞみんな!」
カイの掛け声に合わせて討伐メンバー全員でアガリアレプドックに攻撃を仕掛けた。しかし、リガンド・ワグナーの二倍にも及ぶアガリアレプドックの体は大きく、アガリアレプドック一体に着き討伐メンバー二人で攻撃をしなければ倒すことができない。そんな状況ながらも討伐メンバーは、確実に一体一体倒していった。だが........
「今ので何体目だ?」
とソラがみんなに確認をとる
「だいだい、三十体ぐらいじゃないですかねー」
とソラの問いにクウが言葉を返した。
クウの言葉を聞いて、もう三十体倒したのかという顔や、まだ三十体しか倒していないのかという二つの顔が討伐メンバーに見られた。するとその時だった.......
「キャーッ!」
カイとクウの後方から悲鳴が聞こえたのだった。
声のする方に向かうとそこには.......アガリアレプドックに腹の辺りから咥えられたままのユミの姿があった。咥えられた場所からは、多くの血が流れ出ており、またその場所からは皮膚が腐り始めていた。そんな状態で声も発するのが困難そうに見えるユミから声が聞こえた。
「はやく、こっこいつをったおしてください........わっわたしはもうどの道、生きることができないですから.......」
その声を聞いたカイはユミを咥えているアガリアレプドックを倒すことに決めた。しかし、そう決めたカイの顔は苦しそうに見える。
「分かった」
そういったカイはアガリアレプドックに攻撃をし、見事アガリアレプドックを倒したのだった。アガリアレプドックから離されたユミからは依然として多くの血が出ている。そんなユミから最後の言葉が聞こえた。
「ありがとう........」
その声を発した直後、ユミの力が弱くなっていきもう反応することはなかった。
カイとクウたちがいる場所ではユミが亡くなってしまう、とても辛いことがあったがそれは他の場所でも同じであった。カイたちがいる右側ではスグが、前方ではメグが、そしてさらに後方ではシロが亡くなっていた。そんな中、討伐メンバー一同は被害状況を確かめるために一度、ソラがいるところに集まることにした。ソラの所に集まった一行は被害状況の確認をした。それにはなくなってしまったメンバーの話も当然ある。そして、亡くなってしまった以外の生存しているメンバーの数を数えるすると........
「クロがいません!」
それは、アイが発した声だった。周りを見渡す、確かにクロの姿が見当たらない。討伐メンバーはクロの捜索を始める。すると、捜索を始めて少し経った頃だった........どこからか、苦しそうな声がする。その声がする方に向かう、すると、そこには..........苦しそうなウミの姿があったのだった。そして、ウミの体からは...........
「うっうみなのか?」
それはワグナー化したウミのの姿があったのだった..........
その姿に討伐メンバーは息をのんだ。人間が魔物になるとは思っていなかったからだ。(ごく一部を除いて)ワグナー化したウミの姿を見て、討伐メンバーからは驚きの声が上がる。
「うっうそだろ.......」
「そっそんな........」
しかし、驚いている時間は余りなかった。ワグナー化したウミが襲いに来たのだった。最初の攻撃は皆、かろうじてよけることができたが、このままではケガ人が出てしまう。討伐メンバーからこれ以上ケガ人を出すわけにはいかない。そう思った討伐メンバーのリーダー、ソラは苦渋の決断をし、カイとクウに命令した。
「ワグナー化してしまったウミを倒してくれ...」
その声からは、泣いていることが感じられた。
その命令を聞いたカイとクウは悲しくなった。しかし、今の状況を脱するにはソラが言っていることが最も正しいし、このままワグナー化したウミを苦しつづけるのも......と感じたカイとクウはワグナー化したウミに攻撃をし、ウミを倒したのだった。
そんな出来事があった後も、クロの捜索は続いた。しかし、クロを見つけることはできなかった。
最終的には、討伐メンバーの生存者は九人という結果になり、今日は終わったのだった...........
✳︎今回の戦績
カイ・・・・生存・・・・討伐数 31
クウ・・・・生存・・・・討伐数 30
オガ・・・生存(中傷)・・ 討伐数 2
アイ・・・・生存・・・・討伐数 2
リク・・・・生存・・・・討伐数 9
リオ・・・・生存・・・・討伐数 5
ルイ・・・・生存・・・・討伐数 5
クロ・・・・行方不明
ソラ・・・・生存・・・・討伐数 9
マキ・・・・生存・・・・討伐数 2
✳︎共同で倒したのも各自の討伐数に入ります。なお、死亡した者の討伐数は反映されません。うみは、ワグナーになってしまいカイに倒されたので、死亡扱いになります。
✳︎今回の共闘は、カイとクウ、オガとアイとマキ、ルイとリク、ソラとリクです。
✳︎累計戦績
カイ・・・・生存・・・・討伐数 77
クウ・・・・生存・・・・討伐数 76
オガ・・・生存(軽傷)・・ 討伐数 17
アイ・・・・生存・・・・討伐数 17
メグ・・・・死亡
ヨー・・・・死亡
リク・・・・生存・・・・討伐数 14
リキ・・・・死亡
スグ・・・・死亡
タキ・・・・死亡
リオ・・・・生存・・・・討伐数 8
ルイ・・・・生存・・・・討伐数 8
シロ・・・・死亡
クロ・・・・行方不明
ツミ・・・・行方不明
テト・・・・死亡
ソラ・・・・生存・・・・討伐数 11
ウミ・・・・ワグナー侵食率・・・100%(ワグナー化)・・・・死亡
マキ・・・・生存・・・・討伐数 4
ユミ・・・・死亡
残り9人(内 軽傷1名)
✳︎共同で倒したのも各自の討伐数に入ります。なお、死亡した者の討伐数は反映されません。
✳︎用語について
お兄ちゃん・・・・ソラ
リミットゼロ・・・・・・・・
魔法力、体術技量のリミットを解放することによって最大限の力を使えるようにする支援魔法。
high-powergramme
ハイパワーグラム
・・
魔法力、体力を回復することができる。
ワグナー・・・・・・・
序盤で登場する比較的弱いほうの敵キャラ。
身体は、すごく大きい。
レベルでいうと、30ぐらい。
リガンド・ワグナー・・・・・・・
序盤で登場する敵キャラ。
強さは普通ぐらい。
体は、ワグナーの二倍
レベルでいうと、55ぐらい。
ファイヤー・グレネード・・・・・
火属性の技。
周り一体を炎にすることが出来る。
威力は、かなり強い。
しかし、魔力の消費が激しい。
アガリアレプドック・・・・・
名前の通り、犬の形をした悪魔。
お腹にはたくさんの目がある。
強さはかなり強め。
体は、リガンド・ワグナーの2倍ぐらい。
✳︎注意
初心者なので、誤字脱字等あると思いますが、そこは目をつむっていただけたら幸いです。変だと思うと思ったり、つまらなかったりするところがあると思いますがよろしくお願いします。
前回の更新から1年空いてしまいすみませんでした。
今回の話は前回と比べ短くなってしまいました。また、次話から徐々に文字数を増やしていきたいと思います。まだまだ、更新頻度は遅くなってしまうと思いますがこれからもよろしくお願いします。