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 おおおおおおおお。ここが異世界の温泉宿なのか。外観は結構でかいな。

 感想、以上。

 見えないってのに、何をどう感想を言ったらいいんですかね。大きいってしかこっちは分からないんだぞ。


 あれだ、外観の形的にはヨーロッパぽいな。特に中世のヨーロッパっぽい。感想ってこれさえ言ってれば、問題ないんでしょ?

 大体、異世界物で中世ヨーロッパ、中世ヨーロッパって言うけども前期とか盛期とか後期があるって事知ってるのか?前期から後期の間は、およそ10世紀ぐらいあるからね。10世紀って言ったら千年だよ。千年。そこんところ分かってる?中世ヨーロッパって範囲が広すぎるんだよ。


 何でもかんでも、中世ヨーロッパって言ってたらいいってもんじゃないんだよ。中世ヨーロッパのどこだよって言いたいね。前期なんですか?盛期なんですか?それとも後期なんですか?

 それによって中身とか変わってくるからね。

 

 いかん、中世ヨーロッパって言い過ぎて、中世ヨーロッパがゲシュタルト崩壊してきた。


 中世ヨーロッパなのか中世ヨーロッパなのか分からなくなってきた。

 


 ひとまず、もう一回これだけは言わせて。この宿の外観ってか形は、中世ヨーロッパっぽい。

 それしか分かんないよ。こんちくしょー。形だけで、どうやって判断したらいいんですか。前期とか盛期とか後期とかあるけども、判断が出来ません。糞くらえ。



「マティアス。そんな所で立ち止まってどうしたの?早く中に入るわよ」


「ごめん母さん。今行くよ」


「それにしても、結構大きいんだね」


「こんなに大きいとは思わなかったかい?」


「そうですね。ここまでの物とは想像してませんでした」


「はっはっはっ。この建物作るのは、気合いを入れたからな。この街の目玉となるようにしたかったからな」


「でも、そのおかげで軌道に乗るまではかなりの赤字だったって事はきちんと覚えていますよね?」


「う、うむ。勿論だ」


「それならいいですわ」



 ああ、気合い入れて作ったって家でも言ってたが、そこまでつぎ込んで建ててたんだ。そりゃあ、アリシア夫人も怒るわな。

 そもそも、このご時世に観光とかする人たちはいるんだろうか?外に出たら魔物に襲われるんだよ?そんな中わざわざ、ここまでくるんだろうか。特に一般の人達とか。


 まあ、貴族とかは、護衛とか雇って金の力で解決するとは、おもうんだがなあ。

 実際の所どうなんだろ。富裕層をメインのターゲットにしているのか。ああ、冒険者って選択肢もあったか。

 やはり、視覚情報が得られないってのは痛いなあ。誰かに聞いて確認しないといけないんだもんなあ。常に誰かを必要とするんだよね。


 そんな事気にしないで、のほほんと生活していたらそんなに必要ないと思うんだけども。俺みたいな、転生者とか転移者には無理だろか。

 なんせ、前世の知識と言う余計なもんを持っているから好奇心を抑えきれないんだよね。



「だからーーーで、----」


「ですがーーーーー、なのーーーー」


「ぼくがーーーーーのか!?」


「いいえーーーーーーー」



 何やらさっきから騒がしいな。異世界にもクレーマーっているんだな。

 人間って世界が変わってもどこでも同じようなことって起こるもんなんだな。


「父さん、さっきからなんか五月蠅いよね」


「あ、ああ」


「母さんもそう思うでしょ?」


「え、ええ。そうね」


 ん?反応があまりよくないな。何が起こってるんだ?


「いや、まさか。だがしかし、あのお姿は・・・それに連絡もなにもなかったはずだが」


「ベネット卿どうされました?」


「いや、何でもないから心配しなくていいぞ」


「ガードルフ。支配人では対処が厳しいようだから私は、少し話を聞いてくる。もしかしたら、部屋が変わるかもしれないが許してくれ」


「仕方ないさ。それよりも早く行ってきた方がいいぞ。かなり困っているみたいだからな」


「ああ、すまんな。せっかく来てもらったのに」


「構わんさ」


「すまん。少し話してくる」



 部屋が変わるって言ってた?やんごとなき身分の人がきたってことなのか?それとも、金に物を言わせて無理難題を押し付けようとしているのか?

 分からん。俺に出来ることは、待つ一択だな。父さんに聞いても答えてくれるかな?

 俺ってば、箱入り息子状態だから変な人物とはあわせないようにしそうなんだよね。だから、聞いても欲しい情報が手に入らなかったりするんだよね。


 しかし、状況がわからなきゃ策の練りようがない。と言う事で、強引にでも聞きだすか。


「ねえ、父さん。何があったの?」


「ああ、どうやら私達が泊まる予定の部屋に泊まりたいらしい」


「それって、お金を積んで無理やりなの?」


「そうではないんだが」


 お金持ちは、除外されると。しかし、何で父さんは俺たちが泊まる予定の部屋にクレームをつけている奴が泊まりたいってだたこねてるって分かったんだろ。


「なんで、僕たちが泊まる部屋に泊まりたいって事がわかったの?」


「身なりと言うか、顔と言うか・・・」


 かなり歯切れが悪いな。その人物に会わせたくないって事なのか?


「高貴な身分の人って事?」


「あ、ああ。そうなんだ」


 伯爵以上となると公爵か侯爵、もしくは王族って辺りかな。しかも、父さんはクレーマーと顔を合わせたことがあるって事だな。

 断片的に聞こえてくる声からして恐らくは子供。体格的には俺と変わらないぐらいだから俺と同い年ぐらいか?


 同い年って言ったらあの糞王子が頭に思い浮かぶんだよな。名前は忘れたけども。第3王子か、第4王子かそこら辺だったのは覚えている。



「お前たちがここの最上位の宿に泊まろうとしているのだな」


 考え事してたら何時の間にか目の前に来て父さんと話しているし。


「はっ。お久しぶりです。アラン王子。私と家族で泊まろうと思い予約しております」


「そうか。なら僕に譲れ」


「ですが、「いいから僕に譲れ」」


「わかりました」


 んーーーー。この声どこかで聞いたような気がするんだけどなあ。どこだったかなあ。

 ってか、臣下の礼を父さんがしている?ってか母さん達もしているし俺もしないといけないよな。

 そう考えて形だけでも取ろうとしていたが。


「お前いつまで突っ立っているんだ?さっさと跪かないか。それに奇妙なお面をして気味が悪いな」


「はっ。失礼しました」


「僕が誰だか分かっているのか?この国の第4王子のアラン様だぞ。その奇妙な面を取れ」


 アランだと!?思い出した!なの糞生意気なガキか。言いたい放題言って俺の目が気持ち悪いって言っていたやつか。


「しかし・・・」


「いいから取れ」


「かしこまりました」


 何なのこいつ。王族だからって調子に乗りやがって。しばき倒すぞ。とか思うけども、確実に家に迷惑かかるしな。下手したら一家揃って処刑なんてこともありえるんだよな。

 そして、無理やり俺たちが泊まろうとしていた部屋を奪いやがって。権力をこんな風に使うとか糞だろ。


 ノブレスなんちゃらじゃないのかよ。権力を笠に着て好き放題するとか。王位継承権剥奪されて一般人にでもなりやがれ。



「ん、んーーー?どっかで見たような顔だな」


「そうでございますか?」


「面を上げて立っていいぞ」


「「「「ははっ」」」」


「お前、何故目を閉じているんだ?目を開けろ」


「私は、目が不自由ですので」


「目が不自由?ああ、思い出した。教会にいた白目のやつか。気味が悪いからそのまま目を閉じていろ。それと、面を被っていいぞ。気味が悪いからな。それじゃ行くぞ」


「「ははっ」」


 漸く去って行ったか。言いたい放題いいやがて。クソガキがあ。まあ、子供の戯言だから、大人な俺は気にしないでいてあげよう。こんな事にいちいち腹を立てておく気にもならないからな。


「ガードルフよすまなかったな。まさかこのタイミングで泊まりに来るとは予想していなかったから本当に済まない」


「気にするな。これだけはどうすることも出来ないからな。しかし、こうなってはここに泊まるわけにもいかないな。マティアスが目を付けられているからなあ」


「僕は、別に気にしないよ。言われているのは全部事実だからね」


「そうなんだが、母さんとエリーシアがなあ・・・」



「ねえマティアス。あいつなんでしょ?教会で散々文句言ってたのは。さっきもマティアスに対して言いたい放題っだたしね」


「そうなんだけども、向こうの言い分は正しいからねえ。礼をするのも遅くて立ったままだったし、実際に目も白いし。僕的にはそこまで気にならないんだよねえ」


「あんたが気にならなくても私は気になるのよ。私の可愛い弟の事を馬鹿にしてから。白い眼なんてずっと見てたらかわいく思えてくるんだから。だから家ぐらいでは外してもらいたいのよ。ねえお母様」


「そ、そうなんだ。考えておくよ」


「ええそうよマティアス。あなたが気にしなくても私達は気にするのよ。可愛い息子を馬鹿にされて怒らない親なんていないわ。だから、家ではそのお面と布は外すのよ?いいわね?」


「う、うん」


 何か知らないうちに家では仮面を外すようにされたんですが。まあ家族だから問題ないか。それに今更だしな。ただ、出かける時は忘れないようにしないと。



「それで、ガードルフよどうする?2番目の部屋は今からなら取れるんだが」


「ああ、どうするかな。ちなみに第4王子はいつまで泊まっていく予定なんだ?」


「4日程泊まるみたいだな」


「そうかあ。イレーネどうする?


「このままここに泊まっててもいつ鉢合わせしてもおかしくないんでしょ?それならエゴイ様の所で泊まらせてもらってもいいかしら?」


「ああ、構わないよ」


「と言う事よ。アリシア。この後も泊まる事にしたから夜もゆっくり話しましょ」


「嬉しいわ。でも、良かったの?せっかくの家族旅行なのに」


「いいのよ。どうせなら大勢の方が楽しいからね。予定は特に何も入れてないわよね?」


「特に何もなかったはずだわ」


「それなら一緒に過ごしてくれるかしら?」


「勿論よ」


 おうふ。母さんたちの話し合いで勝手にどんどん話が決まっていくな。父さんたちの出る番が全くないな。

 ってことは、せっかくの温泉が・・・。


 あのガキ許すまじ。俺がどれだけこの温泉を楽しみにしていたと思っているんだよ。あいつのせいでせっかくの温泉が。くそったれ。


「あーー。本当にすまんな。せっかく楽しみにしていたと思うが」


「い、いえ大丈夫ですよ。他にも温泉あるんですよね?」


「ああ、他にも温泉があるからそちらを案内させてもらうよ」


「ありがとうございます。父さんたちもごめんね。僕が教会で目を付けられたばっかりに温泉に入れなくなってしまって」


「気にしないでいいのよ。言っちゃなんだけども、あの王子が悪いだけで、マティアスは何にも悪くないんだからね」


「ちょっ母さん。そんなこと言ったらダメなんじゃ・・・」


「周りに他の人いないから大丈夫よ。エゴイ様他の所を案内してもらえるかしら」


「わかりました。それなら、とっておきの場所に行きましょうか」


「お父様。もしかして、あそこに行くつもりなの?」


「レティシアは、あそこは反対か?」


「反対では、ないんだけども少し遠くない?」


「まあ、確かに少し遠いが誰も来ないからゆっくりできていいと思うんだがな。アリシアはどう思う?」


「確かに、少し遠いですけどもあそこなら景色はいいですし、温泉の質もいいですから賛成ですわ。ただ、着くころには真っ暗で景色も何も楽しめないかもしれないけども」


「なら、そこを案内するか。と言う事だから、バルド馬車を頼む」


「かしこまりました」



 別の所に行くと思いきや、悲境にあるっぽい温泉に行くことになった。

 それはそれで楽しみなんだが、ここの温泉に入れなかったのが心残りだな。俺たちが滞在している間もずっとここに泊まるって話しだったから、今回は諦めた方がいいのかもな。


 俺が、下手を打ったから、みんながここの温泉に入れなくなったんだよなあ。何か申し訳ないなあ。

 はあああ。


「マティアスそんな顔するな。ここの温泉にはまた入りに来たらいいじゃないか」


「兄さん・・・」


「そうよマティアス。また来たらいいだけなんだから。それに今回は、何か遠いけどもいい所に行くって話しだからそこで楽しんだらいいだけよ」


「姉さんも・・・ありがとう」



「フェルナン。分かってるわね?」


「姉さん、勿論だよ」


「私達の可愛い弟にこんな仕打ちをしてただでは済むと思わない事ね」


「それはいいんだけども、下手なことは出来ないけどもその辺は何か考えてるの?」


「そこは、フェルナンの役目でしょ?いつも本を読んでいるんだから何か思い浮かぶんじゃないの?」


「まあ、あるっちゃあるんだけどね。ここは、マティアスの実力でぎゃふんと言わせた方がいいから僕たちは、陰で協力するのが一番だと思うんだよね。まあ、マティアスにその気があるのかが不安な所なんだけどね」


「まあ、マティアスと同い年だから、試験の結果でぎゃふんと言わせられたらいいんじゃない?」


「どうにかしてマティアスに頑張ってもらうしかないって事だね」


「私は、来年から学園に行くから学園の事は任せておきなさい。その代りあんたは、マティアスの力をしっかり伸ばすように努めるのよ」


「そこは大丈夫だよ。任せて」


「「可愛い私(僕)達の弟のために」



「姉さんと兄さん、何を話しているの?」


「何でもないわ。それよりも馬車も来たみたいだし行きましょうか」


「うん」


残念ながら、第4王子の登場にて温泉に入れなかったマティアス君。

そして、最上級の部屋にも泊まれなくなってしまった。なんて運の悪いことなんでしょうか。


マティアス君が知らないうちに何やらエリーシアとフェルナンがなにか企んでいるみたいだぞ。

この事に果たして気づけるのでしょうか。



いつも読んでくださってありがとうございます。

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