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 さて、いきなり大人組が困ったことを言い出したぞ。子供同士仲よく遊びなさいだと?女の子と一体何をして遊べばいいんですかね?頼りになるのは兄さんだけ

 姉さんは・・・すでにレティシアさんだったかな。伯爵の長女と話をして盛り上がっているっぽい。ここは、みんなで仲良く遊ぶんじゃないんですかあ?


 可愛い我が妹のクリスタは、初っ端から戦線離脱。


「くりすたはかあしゃまといっしょにいるー」


 残されたのは、兄さんと俺と伯爵の次女のカレンさんの三人となっている。この3人で何をして遊べばいいんですか?

 兄さんは、何を思ったのか一人でこの戦況から離脱するために俺に声をかけてきた。


「ここに来るまで満足に練習出来てなかったから、僕はちょっと体を動かしてくるよ」


 とのことで、俺が「待って」と声をかける間もなく執事のバルドさんに声をかけて外に出かけて行った。


 そして残されたのは、俺とカレンさんの二人だけ。兄さん許すまじ。帰ってきたら特製ドリンクを食事前に飲ませてやる。


 気付けば、周りには誰もいなくなっていた。訂正。カレンさんとメイドと思われる人物の三人になっていた。みんなどこに行ったのかな?姉さんは、ついさっきまでそこで話してたよね。何時の間にいなくなったの?母さんも兄さんが出ていく前にここからどこかに行ったみたいだし。


 誰でもいいので、女の子と何を話したらいいのか教えてください。

 

「みんなどこに行ったんだろうね」


「・・・ん」


 どうしよ。本気でどうしよ。話すことがないぞ。


「えーーっと。カレン様は、お姉さん達の所に行かなくていいの?」


「・・・ん」


 何この娘。俺以上のコミュ障なんじゃないのかな。会話が続かない。


「・・・様いらない」


「んん??カレンさん?」


「ん」


 はっ!?こういう時こそ、リバーシなんじゃないかな。ってか、リバーシ以外思いつかない。


「えっとーー。リバーシでもしますか?」


「・・・ん」


 それは、肯定って事でいいんですよね。


「カレンお嬢様お持ちいたしました」


「・・・ありがと」



 パチパチパチ・・・パチパチ・・・パチ

 静かだ。リバーシの駒をひっくり返す音しかしない。そして、窓を開けているのか時々気持ちのいい風が吹いて頬を撫でていく。

 


「・・・ん。そこ置けない」


 おっと。間違えてしまったか。んーーーーとなら、ここだっったか?

 あれ?ここじゃなかったか?いかん。どこが置けるのか分からなくなってしまった。


「どこにどの色があるのか分からなくなってしまったので、こっちの列から教えてもらってもいいですか?」


「・・・ん」


 再構築完了。ああーー。今こんな感じだったか。ちょっとこのままじゃ不味いかな。負けてしまうな。

 でも、このまま負けてもいいのか?わざと負けて、女の子に花を持たせた方がいいのか?それとも本気でやるほうがいいんだろうか。誰かアドバイスを下さい。


「・・・本気でしてね」


「分かりました」


 俺の心の内を読んだみたいに俺が欲しかった答えを言ってくれるなんて想像してなかったけどもありがたいな。

 本気でしてって要望だから本気でしますか。ここから逆転するには・・・・。



「・・・負けた」


「それでも、ギリギリでしたよ。次勝てるかなんてわかんなかったですし」


「でも・・・すごい。本当に・・見えてないの?」


「ええ。見えてないですよ。ですので、頭の中で頑張って覚えて勝つための道筋をたてないといけないんで、集中力が必要なんですよね。気を抜いたら全部パーになるので」


「それでも・・すごい。私には・・・無理」


「・・・もう一回」


「分かりました」


 本当に並列思考と言う名のスキルが欲しい。別の事を考えながらもう一つの事を考えられるんだから有用なスキルなんだよなあ。

 この世界は、魔法は存在するけどもスキルやステータスと言ったものは存在しないからな。


 スキルやステータスが存在する世界ならまた違った世界の見方もあったのかもしれないんだよなあ。

 たらればを言ってても今の現状が変わるわけでもないからな。今をどう生きるかが重要だ。


 将来が、穀潰しになるのだけは勘弁してもらいたい所だからな。

 っと、考え事してる暇はないな。気を抜いたらまた再構築しないといけなくなるからな。


「・・・勝った」


「ああ。今回は、僕の負けですね。完全にこれはミスだったなあ」


「・・・もう一回」


「次は、負けませんよ」


「・・・私も負けない」



 合計7戦して4勝3敗と何とか勝ち越すことが出来た。いやー危なかった。


「カレン。食事の時間だから呼びに来たわよ。マティアス君、カレンの相手をしてくれてありがとうね」


「いえいえ」


「カレンちゃんとリバーシしてたのね」


「姉さん。他にすることを思いつかなかったからね」



「それにしても、本当に見えてないのよね?」


「そうなのよ。生まれたときからマティアスは、目が不自由なの」


「姉さんの言う通りですね。全く見えないですね」


「それなのにリバーシ出来るんだ」


「そうですね。見えないですけども、魔法を使って感じる事は出来ますので。駒がどこに置いかれたのかもわかります。それを忘れないようにして頭の中で計算したらできますね。その分集中しないといけないんですが」


「ふううん。すごいのね。妹の相手をしてもらってありがとうね。カレンって口下手でしょ?だから友達を作るのが私みたいに上手じゃないんだよね。これからもカレンと仲良くしてあげてね」


「勿論です」


「泣かせたりしたら地の果てまで追いかけるからそこの所は分かっているわよね」


「は、はい!」


「なら、よろしい」


 温厚な感じ人かと思ってたらただのシスコンだったよ。これは、絶対にへまをしたらいけない。

 耳元でささやかれた時に、心臓がキュッってなったし。怒らせたらダメな人だ。特に妹に関しては。


「そう言えば、フェルナンはどこに行ったわけ?」


「兄さんは、外で鍛錬してくるって言ってたよ」


「あんの馬鹿が。よその家に来てまで鍛錬する馬鹿がどこにいるのよ」


 聞こえないふり。聞こえないふり。


「カレン。食事に行きますわよ」


「・・・むうう。勝ち逃げはダメ」


「今回は、ここまでって事で。また時間が空いたときにやりましょう」


「・・・うん。・・・約束」


 リバーシを広めてくれた転生者か転移者の人ありがとう。おかげで、コミュニケーションを無事にとることが出来ました。

 いや、ちょっと待てよ。そもそも、リバーシは俺も開発しようと考えていたんだよな。そして明らかにこれで儲けているはずだ。


 くそおおおおおお。ぐやじい。働かなくても食っちゃ寝しながら生活出来る最高の物だったのに。

 人生は、そんなに甘くないって事ですよねえ。


 何とか商会って所の人が怪しいんだったよなあ。前回は、面会が叶わなかったからなあ。学園に通うようになったらどこかで面会できるように計画を練ますか。


 以前にも考えていたけども、その人がまだ開発していなくて俺なら開発出来るようにアドバイスが出来るものがきっとあるはず。

 不労所得者になって、働かなくても生活できるみたいな。そのお金の一部を家に入れたり、家族へのプレゼントとかに使って感謝を伝えれられたら良いな。


 その前に、学園を卒業することが前提なんだけどな。そもそも、学園に本当に通えるんだろうか。だって、俺って全盲なんだぜ。誰かに読んでもらわないと書類すら読めないんだぜ。


 その状況で本当に学園に通えるのか不安になってきた。


「マティアス。マティアス!」


「んあ?」


「食事だから行くわよ。ベネット伯爵の人達を待たせるわけにはいかないのよ。ぼーっとしないの」


「ああ、ごめんよ姉さん」


「行くわよ」


「うん」



「兄さん。今までどこにいたの?」


「バルドさんに鍛錬の相手をしてもらってたんだよ。道中まともに鍛えられなかったからね」


「鍛えるのは、帰ってからにしないとベネット伯爵の人達に迷惑なんじゃないの?」


「ちゃんと父さんたちには、許可をもらったよ。さすがに無断でするわけないじゃん」


 ぐぬぬぬぬ。なんて兄だ。俺を一人置いといて。


「それに、カレンちゃんは可愛らしい女の子だしマティアスも存外楽しい思いを出来たでしょ。二人っきりで。いや、メイドもいたから厳密には違うか」


 俺の耳元でこんな事を抜かしおって。まあ、確かに女の子と遊ぶって事は前世ではほとんどなかったんだけども。デリバリーかお風呂屋さんに行くしか女の事は触れ合えなかったんだけども。

 ありがたいんだけども、ありがたいんだけども。許すまじ。何をしていいのかこっちは最初分からなかったんだぞ。


 リバーシがあったからこそ、遊ぶことが出来たんだからね。それがなかったら何も話すことなくただただ、時間が過ぎていくだけだったかもしれなかかったんだからね。

 これの報いは、受けてもらわねば。


「まあ、確かに兄さんの言う通りなんだけども。それに可愛いかどうかなんて分かるわけないじゃん。顔を触らせてもらったら顔立ちは分かるけども、初対面の女の子にそんなこと頼めるわけないじゃん」


「ああ、そうだったそうだった。ごめんね。でも、カレンちゃんは、将来美人になる事間違いないよ」


「そ、そうなんだ」


 そ、それなら兄さんの事を許してあげてもいいのかもしれないな。付き合うってまではいかなくても可愛い女の子と友達になれる可能性があるんだから。

 いや、待てよ。そもそも、兄さんも一緒にいてくれたら何して遊んだらいいのか悩まなくても良かったんじゃん。


 危ない危ない。口先で丸め込まれるところだった。


「それよりも、兄さん運動してきて疲れて喉乾いてない?」


「ん?まあ、さっきも水を貰って飲んだけどもまだ足りないかな」


「なら、僕がまたもらってきてあげるよ」


「おっ。ありがとうマティアス。なら、頼むね」


 くはははは。完璧だ。これで、兄さんにあの特製ドリンク飲ませて今日の食事を楽しめなくしてやる。



「はい兄さん。貰ってきたよ」


「ありがとう。マティアス。セバスにマティアスの分を頼んでいたからはいどうぞ」


「兄さんありがとう。それなら、ベネット伯爵のメイドさんに貰ってこなくても良かったかな?」


「そんなことないよ。わざわざ、貰ってきてくれて嬉しかったよ」


 ごくごくごくごく。



 あれれー?おかしいなあ?セバスから貰ってた粉末を確かに混ぜたはずなんだけども。普通に飲んでる?

 何でだ?あれは覚悟を決めて飲まないと普通に飲み干すことなんて出来ないはずなんだけどなあ。



「さっ、マティアスも飲みなよ」


「うん」


 ごく・・・・。ぶはっ!?


 これは、いつもの特製ドリンク。何故だ。何故、俺が飲んだんだ。おかしい。

 確かに兄さんに渡したはず。解せぬ。

 そして、クソ不味い。せっかくの料理が楽しめなくなってしまった。最早、全部飲まないといけない。一口でも飲んでしまったらもうお終いだからな。


 ごくごくごくごく。


 うげええええええ。


「不思議そうな顔をしてるね」


「だって、これ兄さんに飲ませるはずだったのに」


「やっぱり。そんなことだろうと思ったよ」


「しまった!?」


「まあ、答えを教えてあげるよ。僕は、セバスにマティアスの分を頼んだって言ったよね」


「うん。確かに言ってた。だから・・」


「でも、僕は水だなんて一言も言ってないよ。それに食事前に飲むものって言ったらあの特製ドリンクしかないからね。まさか、普通に飲むとは思わなかったけどね」


「なっ1?不覚だった。まさか兄さんがそんな事考えていたなんて」


「良く言うよ。初めは僕に飲ませようとしてたくせに」


「でも、それでもなんで兄さんは飲まなかったの?」


「マティアスは、気付いていないってか気づけないか」


「えっ?なんなの?」


「この特製ドリンクね。普通に見た目で分かるから。いくら何でも水なんかと間違えないよ」


 ・・・・・・・・・!?


「マティアスは、見えないから気づかないと思うけども。いやその前に水と違う色ってのには気づいてもおかしくなかったんだけどなあ」


 完全にその事に気づいてなかった。そりゃそうだよね。水って透明だよね。

 でも、この特製ドリンクは色々混ぜてるから透明になるはずないよね。そりゃ、見た目ですぐ分かるから引っかからないはずだよ。目隠しでもしてない状況じゃないと分かるはずないじゃん。


 盲点だったわ。見えないからこそ色の違いについて考えてなかった。


「それでも、どうやって飲むの回避したの?手渡したから別のに変えないといけないはずなのに」


「だから、マティアスに渡すときにグラスを取った時に一緒に変えたんだよ。持ってくる途中から分かってたからね」


「なん・・・だって・・・・」


「今度からは、色の事を忘れないようにね」


 くそおおおお。俺の計画は、最初っから狂っていたのか。なんてこった。

 これでは、ただただ俺が間抜けってことじゃないか。どうにかしてやり返さないと。



「2人とも?ここがどこか忘れているわけじゃないわよね?」


「「ひぃぃぃぃ。も、もちろんです」」


「なら、フェルナン。ここがどこだか言ってみなさい」


「ベネット伯爵の家です」


「そうね。ここは、私達の家じゃなくてベネット伯爵の家よね。それで今から何の時間だと思ってるのマティアス」


「い、今からは食事の時間のです」


「そう、そこまで分かってるのに2人は一体何をしてたのかな?もうみんな席について待ってるのよ?後はあなた達が席に着くのを待ってたんだけども、2人とも一向に席に着く気配がないじゃない。ホストを困らせていいのかな?」


「「よ、よくありません」」


「なら、することあるでしょ?」


「「お待たせしてすみませんでした」」


「構わないよ。見ていて楽しかったからね。後で、その飲み物について教えてくれないかな?」


「「はい!もちろんです」」


「では、席についてもらえるかな。食事にしようか」


「「は、はい!」」



「フェルナンは、私と後でお話ししましょうね。いくら父さんの許可を取ったからって他所の家で鍛錬を始めるなんて」


「うぐっ・・・」


「いいわね?」


「わかったよ。姉さん」


「マティアスは、カレンちゃんと仲良くしなさいよ」


「大丈夫だよ」



 俺と兄さんの不毛な争いは、姉さんの勝ちと言うなんとも言えない結果で終わった。

 実質俺の一人負け状態か?でも、姉さんにこってり絞られるから、やっぱり俺と兄さんの2人の負けって事になるのか。



 この後の食事は、全部不味かった。

マティアス君。君はどうやらバカだったみたいだね。いくら何でも、見た目が違うってことぐらい考えようよ。水と特製ドリンクだよ全然違うよ。


兄のフェルナンに飲ませようと計画していたが見事に自分が飲む羽目になったマティアス君。

もう少し、頭を使うんだ。

エリーシア姉さんとお話しすることになったフェルナンは、五体満足でいられるのでしょうか。




2,3日おきに更新のはずが週に一回になっている。時間が経つのが早い。

くそっ。これが、相対性理論ってやつか。


遅くなって申し訳ないです。

誤字脱字や感想、評価などお待ちしております。

いつも読んでくださってありがとうございます。

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