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遅くなって申し訳ないです。
気付けば、最後に投稿して10日経ってました。
時間が経つのが早く感じるんですよねえ。個人的には、まだ4日ぐらいの感覚なんですよ。
「マティアス。城門が見えてきたぞ」
「おお。やっと着くんだね。長かったような短かったような不思議な感じだよ」
7日という旅路を経て無事にベネット伯爵が住んでいる街に着いた。休憩を長めに取っていたから何日か遅れるかもと思っていたが、予定通りに着いた。
「休憩長めに取っていたと思うんだけども7日できちんと着いたね」
「その辺の調整は、セバスに言うんだな。朝と晩の食事の時間をずらしていたからな。気づいていたか?」
「そうなの?全く分からなかったよ」
「分かっていたらそれはそれですごいんだがな」
「見えないっていう状況で時間の把握はさすがに出来ないよ。太陽の明かりでポカポカするってことしか感じないんだから。それで、後どのくらいで街に着くの?」
「ああ、30分もかからないだろうな」
ふあああああ。城壁大きいな。それでも、王都に比べたら小さいのかな?でも、うちにはこんなに大きな城壁無かったけどな。魔の森に近いのに何で壁が存在してないんだ?後で父さんに聞いたらいいか。
俺が知らないだけで、存在している可能性もあるな。
止まった。って事は、確認作業かな?
「貴族証を見せてもらってよろしいですか?」
「はい」
「確認いたします。ーーーアンファング卿ようこそ。お話は伺っていますのでどうぞお通り下さい」
「ありがとう。後ろの馬車は私の家内と娘が乗っているからな」
「かしこまりました」
「マティアス、もうすぐで着くぞ」
「ねえねえ、ベネット伯爵ってどんな人なの?」
「僕は、一回王都で会ってるから知ってるよ」
「えっ!?兄さんいつ会ったの?」
「王都で、第2王子の誕生日パーティーでね」
「うげえええ。僕は、そんなの絶対行きたくない。第2王子ってどんな人だった?」
「まあ、挨拶程度しかしなかったけども、誠実そうな感じはしたかな」
「そっか」
「でも、マティアスもパーティーとか出ないといけなかったりするよ」
「父さん。それって本当?」
「残念ながらね」
「全盲なのに?」
「それを言われても・・・。マティアスも貴族だからね。見える見えないは関係ないんだよ」
「うわああ」
「ガードルフ様着きました」
「わかった。さて、着いたぞ」
やっと、ベネット伯爵の家に到着したみたいだ。結局どんな人なのか分からないままだな。
最初にセバス。その次に父さん、兄さん、俺の順で馬車から降りた。母さんたちが乗っていた馬車からも順に降りてきたみたいだ。
「ようこそいらっしゃいました。アンファング家の皆さま。この家の執事長をしていますバルドと申します。主は、客間でお待ちになっていますのでご案内いたします」
結構渋い感じの声の人だな。セバスに負けずに出来るって感じが声から伝わってくるな。やはり、階級が高いと有能な執事がいるってのはデフォなんだろうな。
コンコンコン。
「旦那様。アンファング家の皆さまがお見えになりました」
「おおそうか。入っていただけ」
「ガードルフ。久しいの。家族そろって我が領地に来るって聞いたときは驚いたぞ。到着は、午前中だと聞いていたから遅れるって聞いたときは何かあったのか心配になったぞ」
ばしばしばし。
「エゴイも変わらないな。一番下の息子のマティアスにねだられてな。それに家族で旅行するのもいいと思ったからね。すまんな。色々事情があってな」
ばしばしばしばし。
「そうかそうか。それで我が領地に来たのか。まあこうして無事に到着したわけだから滞在している間は、存分にくつろいで行ってくれ。」
ばしばしばしばしばし。
「ああ、そうさせてもらうよ」
ばしばしばしばしばしばし。
お互いに背中を叩き合っているみたいなんだが、徐々に強くなっていってね?男同士が抱き合っている姿なんて見たくないぞ。どうせなら女の子同士がきゃっきゃうふふってしながら抱き着いているところを見たい。いや、その前に元から見えないわ。
くっ・・・。百合が見れないなんて。
それにしても、ベネット卿は、がたいがめちゃくちゃいいな。たっぱも2メートルぐらいあるんじゃね?二人並んでいたら父さんが貧層に見えてしまうな。うちの父さんもそこそこ体つきはいいはずなんだけどな。
ぶるり。
なんだ。何か変な感覚を感じたぞ。何か、良い題材を見つけたような。謎の感覚だ。これは、気にしたらいけないやつかもしれない
「あなた。その辺にしてまずは、挨拶をお願いします」
「おお、すまんな。アリシア。コホン。我が領地へようこそ。アンファング家の皆さま。私は、ベネット家の当主のエゴイ=ベネットだ。こっちが妻のアリシアだ。」
「エゴイの妻のアリシアです。ガードルフ様とイレーネは久しぶりでございますね」
「アリシアさんも相変わらずお元気そうで」
「アリシア久しぶりね。あなたの所に遊びに来たのもかなり久々な気がするわ」
「イレーネも私も母親になったって事ね」
母さんとアリシアさんの会話が止まる様子がないんですけども。まだ、自己紹介終わってないんですけども、どうするんだろ
「あーー。アリシアよ。子供たちを紹介したいんじゃが・・・」
エゴイさんが勇気を出して、母さんたちの会話に突入したあああ。さあどうなる。
「あら、あなたごめんなさいね。イレーネまた後でゆっくり話しましょ」
「ええそうね。私も話したいことが色々あるのよ」
「ごほん。次に子供たちを紹介しよう。長女のレティシア、次女のカレンだ」
「ガードルフ様、イレーネ様お久しぶりです。長女のレティシア=ベネットです。今回は、ようこそいらっしゃいました。ゆっくりされていってください」
「初めまして・・・。次女の・・・カレンです」
「あと一人息子がいるんだが、学園に通っていてまだ帰省していないんだ」
ベネット伯爵家の自己紹介が終わり、こちらの番になった。
「私は、アンファング家の当主のガードルフだ。今回は、家族そろっての訪問を許可してくれてありがとう。こっちが妻のイレーネだ」
「ガードルフの妻のイレーネです。今回は、ありがとうございます」
「次に長男のフェルナン、長女のエリーシア。次男のマティアス、次女のクリスタだ」
「お久しぶりです。長男のフェルナンです」
「お久しぶりです。長女のエリーシアです」
次は、俺の番か。
「仮面をしたままですみません。ベネット家の皆さま初めまして。次男のマティアスです。今回は、僕のわがままのせいでご迷惑をおかけする形になって申し訳ありません。それと、噂で聞いているかもしれませんが全盲です。ですが、気にしないで普通にしてもらって構いませんので」
・・・・・・・・。
あれっ?何か失敗した?妙に集中されているような気がするようなみんなが見ているってのは分かるんだが、表情とかは読み取れないからな。
魔力波は、分かりやすく言うなら色がついてないまっさらな3Dを見ているって感覚なんだよね。だからどんな顔をしているのかは何となく分かりはするんだよね。慣れて、精度を上げることが出来るようになったら顔の凹凸から表情が読み取れたり出来るようになるとは思うんだけどなあ。
「はじめまちて。じじょのくりすたです」
俺の妹マジ天使。俺の妹が可愛すぎて死ぬ。声とか、仕草がたまらん。
さっきまでの俺のせい?で何とも言えなかったんだけども、クリスタのおかげで癒され空間になったようだな。
俺が癒されてるんだから、他の面々も癒されているに違いない。うんうん。
「ガードルフ。噂は本当だったのか」
「ああ。この通り、マティアスは生まれつき全盲だ。しかし、本人が言ったように気にしないで普通に接してやってくれないか。変に気を使われるのが嫌みたいでな」
「あの・・・。噂ってどんな噂なんですか?」
「アンファング家の次男は、物が見えないって。それと教会で神を批判した非常識なやつって感じの噂だな。神を批判したって本当なのか?」
見えないってのも本当だし。批判したかな?
あーーー。あれか。土属性だけって出て、神は死んだとか言ってたな。そういえば。
「あーー。非常に言いにくいんですが、本当ですね。ちょっとショックなことがあって、つい神は死んだって言ってしまいましたね」
「がっはっはっは。本当だったとはな。教会でそんな事言う子供は初めて聞いたぞ。まあ、うちは神に頼る前に自分が努力しろって家訓があるからな。だが、教会の中でその発言はまずかったな」
おう。現実主義者でしたか。そっちの方が個人的にもいいな。転生した時に神にあっていたら神の存在を信じてはいたと思おうけども、会わなかったしな。
「やはりそうか」
「だが、これから気を付けていたら幼い子供の戯言って事で収まると思うからそこまで心配しなくてもいいと思うぞ」
「そう言ってもらえると助かるな」
「それよりもこれからどうする?中途半端な時間だな」
「そうだなあ。温泉に入るにしても微妙な時間帯なんだよな。。夕食までは、子供たちは、親睦を深めさせるか」
「それでいいな。アリシア達は、既に別の世界に言っているみたいだし。そのままししとくか」
「ああそうだな。積もる話もあるみたいだからな。とう言う事だからフェルナン達は、仲良く遊んどきなさい」
ここにきての放置プレイですか。兄さんがいるからまだマシだけども。家族以外とコミュニケーションとるの初めてなんですけども。俺は、コミュニケーションとれるのか?
前世では、ほぼぼっちに近かったんだけども。何を話したらいいのか分からん。基本的にネットとかでもROM専だったんですけどねえ。
兄さんに期待するとしよう。
教会での神は死んだ発言が貴族界隈で噂になっていたマティアス君。
学園に通う頃にはその噂はなくなっているんだしょうか。
前世では、ROM専でコミュ障だったマティアス君はベネット伯爵の子供と仲良くできるのでしょうか。
いつも読んでくださってありがとうございます。
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