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それから1か月が経過した。
5歳にならないと属性を調べられないんだよなー。それまでには、無属性魔法ぐらいは出来るようになりたいんだが、全くと言っていいほど自分中にある魔力を感知できないんだよなー。
そう考えながら、ベッドの上でゴロゴロしている。エコーロケーションで周りが把握できることが分かってからは、ある程度の自由な行動はできるのだが常に後ろにいるんだよなー。
俺がゴ○ゴなら俺の後ろに立つような真似はするなと言って条件反射で魔法を放つんだが、あいにく俺は魔法の魔の字も知らないから何にもできないんだよなー。まあ出来たとしてもそんなことしないんだがな。
そういえば、最近フェルナン兄さんがそわそわした感じがあるんだよな。なんなんだろ。話しかけても少し上の空って感じなんだよなー。よし、聞きに行くか。
「ふぇるなんにいさーん。ふぇるなんにいさーん」
「なんだ、マティアスか。どうしたんだ」
「さいきん、そわそわしてるみたいだから、どうしたのかなっておもって」
「そ、そんなにそわそわしてた?」
「うんっ。なんでそんなにそわそわしてるのかしりたいの」
「そうかそうか。実はな、来週王都の教会で属性を調べに行くんだよ」
「ぞくせい?」
「そうだ。魔法には、火・水・風・土・雷・聖・闇の7属性があるんだ。だからそれの適性を調べるんだよ」
ふむふむ。7属性がこの世界には、あるのか。聖が所謂回復系の魔法か。2年後には俺も王都の教会に行って属性が調べられるわけか。下手したら全属性持ちの天才児になれるってことか。いやーーー夢が広がるなー。時空間は、ないのかな。あったら転移を習得して、アイテムボックス的なのを作りたいんだけどなー。むふふふ。どうしよ。ハーレム展開が見えてきたぞ。目は見えないけどな。
待て。目が見えないから転移魔法使えないじゃん。うわーーーー。ないわーーーーー。くっ。ここでも見えないってことが俺の野望を邪魔するのかよ。どうにか、見えるようになってほしいけど無理だろうな。外的要因ならまだしも、恐らく遺伝子レベルでの話だからなあ。本気で糞くらえだわ。
「マティアスどうしたんだ。両手と膝をついて」
「なんでもないよ。ちょっとかんがえごとしてただけ」
いかんいかん。転移は出来なくても、俺TUEEEEは出来るんだから問題ないな。
「その7つの属性魔法以外にはもうないの?」
「無属性魔法って呼ばれているのもあるぞ。これは、魔力がある人は大体の人が使えるからな」
無属性魔法もあるのか。無属性魔法で無双するのも面白そうだな。
「時空間魔法ってないの?」
「時空間魔法かあ。おとぎ話にでも影響されたか?そんなものは、ないよ」
なん・・・だと・・・。くそっ。アイテムボックス的なのを作って食事をいつでも食べられるようにしようと思ってたのに。旅の間は、保存食か現地調達するしかないってことか。いつでも、美味しいご飯が食べられると思ってたのに。
「そんなに時空間魔法がないのがショックなのか?」
「うん。くうかんにおいしいごはんいれられるとおもってたのに」
「ふははは。マティアスは食いしん坊だな。だが、確かにそんな魔法があったら便利だな。あったとしても適性がなければ使えないんだけどな」
「そこは、がんばっててきせいにあうようにする」
「残念ながら魔法の適性は、生まれたときには決まっていてどんなに努力しようとも適性以外のものは覚えられないんだよ。でも、適性というのは親から子に引き継げるみたいだから、4つとか5つの属性を持つ可能性もあるぞ。父さんと母さんは、4つ属性持っているからそのまま引き継げる可能性もあるぞ」
「へえ。そうなんだ。とうさんとかあさんは、4つもぞくせいもっているんだ。4つももってるのはすごいの?」
「ああ。すごいぞ。普通は、2つか3つだからな。4つの属性持ちはそこまで多くないんだよ」
「ふぇるなんにいさんっていろいろしってるんだね」
「まあね。勉強しているからね」
「えりーしあねえさんは、どうなの?」
「姉さんか。3つの属性持ちって言ってたな。そのうちの一つは、聖属性って自慢してきたがな。毎日母さんから聖属性の事について勉強しているみたいなんだよな。前までは、お転婆過ぎて困ってたんだがいつの間にか大人しくなって、聖属性持ちって分かった時は、かなり喜んでいたんだよなー。聖属性も多くはないんだが、そんなに喜ぶものではないと思うんだがなー」
あーー。やっぱりエリーシア姉さんは、フェルナン兄さんからみても大人しくなってたのか。原因には思い当たるな。あれだな。思いっきり抱きしめて倒れて俺が頭を打った時だな。あの時は、かなりしょげてたっぽいし。一時期元気じゃなかったからな。でも、なんでそんなに聖属性が嬉しかったんだろ。母さんや婆ちゃんと同じだったからかな?
うーーん。聞いても素直に教えてくれるかな?教えてはくれなさそうだな。
1週間後フェルナン兄さんは、王都へと旅立っていった。
父さんと母さんの二人とも付いていったからなあ。エミリッサもついていったからこの屋敷には、アザレア、イベリス、カトレアの3人はいるんだけど少し不安だ。
特にカトレアが心配だ。あのドジッ娘は、何をしでかすか分かったもんじゃない。イベリスも母さんとエミリッサがいない状況だから俺の身が心配だ。ここぞとばかりに何かしてきそうな雰囲気があるんだよな。顔が見えないから表情から推測が出来ないから声を頼りにするしかないんだよな。
早く帰ってきてほしいものだ。
ガシャンっと何かが割れる音がした。
おいおい、嘘だろ。まだ、父さんたちが出て行って3時間も経ってないぐらいのはずだぞ。朝食後に出かけて、昼食の下ごしらえの匂いがし始めたから3時間ほどなはずだ。
今の音的に壺か?変な形の壺が気づいたら置いてあるんだよな。どうしたらこんな形の壺が出来上がるのか作った本人に問いただしてみたいものだ。
父さんに聞いたがはぐらかされたんだよなー。母さんに聞いても『うふふ』って笑って答えてくれないんだよなー。父さんが関係しているのは分かってるんだがそれ以上がわからん。とりあえず、割れた所に行ってみるか。
「かとれあー。いま、すごいおとしたけどだいじょうぶ??」
「なっなっなっ。マティアス様。なんで私って分かるんですか」
「だって、こんなことするのは、かとれあしかおもいつかないし」
「イベリスかもしれないじゃないですか」
「それは、ないよ。だっていべりすは、とうさんたちがでていったからずっとうしろにいるんだもん」
「なっ。気づいてたんですか」
「そりゃー気づくよ。ぎゃくになんできづかれないとおもったのさ。あしおとしなくてもおとではあくできるってしってるよね。それに、はないきあらいし」
「えっ。そ・・そ・・そんなことないですよ」
「いあいあいあ。あきらかにいつもとちがうし。ごまかせないよ」
「うううう・・・・」
まさか、あれで気づかれないとか思っていたのか。気を抜き過ぎじゃないかな。父さんたちが帰ってくるまでは、これが続くのか。ちょっと憂鬱だ。
「あの・・・この事は、黙っててもらえますか?」
「うーーん。どうしよう」
「お願いします。何でもいう事聞きますから」
「いま、なんでもっていったよね」
「えっ・・?あっ・・なんでもはなしです」
「あっ。なしでいいんだ。そっか。ふーん」
「あっ・・。うう・・・。やっぱりなしで。何でも言うう事聞きます」
「そんなかくごしなくてもなにもしないよ」
何この子。俺がエロい事するとでも思ってるの?こっちは3歳児だよ。するわけないじゃん。
嘘です。ごめんなさい。普通におっぱいとか揉みたいです。だが、3歳児だ揉んだとしてもそれで終わりだ。ただ、揉むだけって悲しくなりそうなんだよね。成人してたら揉んでたよね。更にそれ以上もしてたかも。だが、今は3歳児だ。それにどっちかというと尻フェチだしな。
もう、尻がみれないのか。くそっ。エコーロケーションでも洋服次第では、どんな感じなのかわからんからなー。ズボンタイプだったらいいんだがスカートだと全く分からん。後は、触って確認する方法なんだが、そんなことしたらい一発で牢屋行きだろ。とすると、ラッキースケベに期待するしかないんだが、そんなもの俺には、備わっていないんだろうな。何だか、泣きたくなってきたぞちくしょう。
「このつぼをどうやっててにいれたのかしりたいだけだから。とうさんたちにきいてもおしえてくれないし」
「あの・・それだけは言えないです」
「あっ。いえないんだ。それならえみりっさにしかられるといいよ。おきゅうきんへらされないといいけどね」
「あうう・・・」
「それじゃ、ぼくはにわにいくから」
「まっまってください。・・・言いますから」
「なに。きこえなかったんだけど」
「うう・・。言います。この壺は、ガードルフ様がご自身で作られているんです。本人は、上手に出来たとおっしゃってるんですけど・・・」
父さんが自分で作ってたんだ。だから母さんは、何も言わなかったんだ。しかし、これで上手に出来てるって言っているのか。言っちゃなんだが、下手くそだ。下手の横好きにも程があると思うんだが。
そりゃ、人目が付かないとこにあるわけだ。来客者の目には留まらないけどここで暮らしている俺達には普通に目につくからな。父さんの事だから来客者の目にも見えるとこに配置すると思ってたんだが。もしかして、母さんの仕業かな。もしくは、エミリッサだな。どうやって説得したのかは知らないけど。
「そ・・・それで、私が割ったことは、黙ってていただけるんですよね」
「もちろんだよ。かとれあがわったことはいわないよ。」
「あ、ありがとうございます」
「んじゃ、にわでゆっくりしてくるから」
「わかりました。ありがとうございます」
「マティアス様。本当に言わないんですか?」
「もちろんだよ。ぼくは、やくそくはやぶらないから。つぼがだめになったってはほうこくするけど」
「それだと約束を破ったことになりませんか」
「ぼくは、かとれあがわったことはいわないよ。あとは、だれがどうはんだんするしかしらないけどね。」
「悪い笑顔ですね」
「そんなかおしてる?」
「ええ。ひじょうに。でもそんなかおも・・いえなんでもないです」
何今の。背中が冷ってしたんだけど。今何を言おうと思ってたの。いや、やっぱり怖いから考えなくていいや。聞いてもはぐらかされそうだし。その前に変な威圧されそう。藪蛇は、つつかないことに限るな。
今日は、日向ぼっこでもして過ごそう。