インテン流オリジナリティの作り方
今回はオリジナリティの作り方です。
インテン流オリジナリティの作り方
まず最初に、オリジナリティにも2つのベクトルが存在する。
①設定としてのオリジナリティ
②文章などの表現としてのオリジナリティ
この二つだ。
①はいわゆる普通の意味でのオリジナリティであり、○○のパクリとか言われるのは、この部分が似通ってるからだったりすることが多い。
②についてはすこし特殊で、後で詳しく書くことにする。
ではさっそく、①の作り方を書いていこう。
……だがその前に、まずはっきりと言っておくことがある。
現代において、「ゼロから作り出せるオリジナリティは、ほほ存在しない」ということだ。
物語の歴史は古く、それこそ神話だって物語である以上、オリジナリティ……つまりは他作品との差別化要素や真新しさは、「今までに存在していないもの」を産み出すことは「まず無理だ」と思ってほしい。
例え思い付いたときに、「俺天才」とか、「誰もやってないじゃん」とか思えるものを思い付いたとしても、それは「思い付いた本人が知らないだけ」か、「つまらないからやられていないか」のどちらかがほとんどである。
長々と書いたが、では本題に入ろう。
ここまで読んだ人は、ならオリジナリティなんて作れないじゃないか? と思ったかもしれない。
……安心してほしい。
オリジナリティは結構簡単に作れる。
ただ、これから私が教えるオリジナリティとは、「今まで存在していなかったもの」であるが、「今まで使われた事がないもの」ではない。
ここに例を示す。
主人公は男の体に女の意識がある現代日本人。
舞台は近未来で、主人公は最新技術の性転換実験を受けるが、事故で異世界に飛ばされてしまう。
そこではなぜか性同一性障害が当たり前の世界で、主人公は念願の女の体を手に入れていたが、その世界では異端とされてしまう。
この設定を見て、オリジナリティを感じられただろうか?
今までにない物語として、新しい……つまりはオリジナリティがある、差別化できていると思う。
まぁ私が知らないだけで、同じ設定の物語があるかもしれないが、それは今回はおいておく。
ここではあくまで、上記の設定が新しくオリジナリティがある前提で進めていく。
ではこの設定、どうやって作ったか、手順を書いていこう。
①あまり使われていない設定を最初に持ってくる。
これは上記の最初、男の体に女の意識という部分だ。
これはいわゆる性同一性障害のことであり、ライトノベルではあまり使われることはない。
だからこそまず最初に、そういう使われてなさそうな、使いにくそうな設定を持ってくる。
ここで重要なのは、「持ってくる設定はゼロから作らないで良い」ということだ。
あくまで世間にあるものであり、できればニーズがあるものが良い。
この設定を元に、付け足していくことでオリジナリティを作り出すのだ。
②①の設定を受け入れやすい形に直す。
上記で説明すると、
①性同一性障害をTSに変える。
②異世界転移という人気要素を入れる。
③転移後の世界の常識(設定)を最初に決めた設定(この場合は性同一性障害)を肯定する世界にする。
以上である。
この受け入れやすい形に直すという作業の中で、既存の人気設定をどんどん取り込み、組み合わせていくことで、最初の設定にオリジナリティを持たせる。
一つ一つはありきたりだったりパクリだったりしても、それを誰もやったことのない組み合わせで産み出せば、それはオリジナリティとなるのだ。
③物語の形におとしこむ。
今回はライトノベルを作ることを前提にしているので、②までで作ったものを、物語の形に加工していく。
何がどうしてどうなったかを考えて、あらすじを作るのだ。
どうだろう、流れはわかっただろうか?
この3つを行うことで、簡単にオリジナリティのある作品は作れるのだ。
既存のものを使って、新しいもの産み出すわけである。
では次に、表現のオリジナリティについて書いていこう。
まずこの表現のオリジナリティとは何かというと、つまりは「どういう形で発表するか」である。
これには「どんな媒体か?(小説なのか漫画なのかなど)」だけでなく、「どんな描き方をするか?(小説なら文法や台詞回し、漫画ならコマの配置や背景やトーンなど)」も含まれる。
極論を言うと、コピペしない限り、それは「その人の表現としてのオリジナリティである」と言える。
なので、実はこちらはあまり気にしなくても良いことが多い。
しかし、気にすることで更に上を目指すこともできる。
ここも先程と同じように、最初は既存のものの真似から入る。
好きな作家さんや、読みやすいと思った作家さんの真似をするわけだ。
しかしここでも、そのまま真似するのではなく、良いとこ取りをするのが大切だ。
台詞回しはAという作家さん、地の文はBという作家さん、みたいなやり方である。
こうすることで、その二つが「書いている本人がもともと持っているオリジナリティ」に追加され、より良くなるわけだ。
以上がインテン流オリジナリティの作り方である。
参考にして見てほしい。
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