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万人(異常者除く)に受ける感動物の作り方

今回は三幕構成による感動の作り方です。

つまりは物語的感動の作り方ですね。

万人(異常者除く)に受ける感動物の作り方


今回書くのは、万人(異常者(愛などの感情がわからない人)除く)に受ける、感動物の作り方です。


まず前提として、感動とは何でしょうか?


字からわかる通り、

感動=感情が動く事です。


では万人に受ける感動(感情が動く要素)とは何でしょうか?


それは愛です。

誰もが持っている原始的なものであり、誰もが最初に与えられるものだからです。

愛をテーマにした作品(ちゃんとされていないもの除く)は、大抵感動できます。


では具体的に、どうすれば感動させることができるかを書いていきましょう。

長いので、めんどくさい人はまとめから読んでください。


①対立。主人公(またはヒロイン、または両方)が問題を持っている


これは物語としての前提でもありますが、物語は対立葛藤変化でできています。

主人公が何かと対立していて(問題をかかえていて)、

それを葛藤(つまりは努力などの試行錯誤)によって成長し、

変化(問題との対決と解決、主人公の見てわかる成長、敵の排除など)をする。

これがいわゆる物語としてのテンプレートです。

そして感動物だとしても、物語である以上はこの流れに沿っているべきであり、最初に問題があるのです。

そして感動物(愛による感動)には、それに合っている問題が必要なわけです。


②具体的な問題とは?


では具体的に、どんな問題があると、感動に繋がるのでしょうか?


それは否定です。

つまりは(主人公またはヒロインまたは両方)の愛(感情)の否定です。


具体例を出しましょう。

ここではクラナドを例にします。


クラナドの主人公は何と対立しているでしょうか?


現実、親などです。

現実に妥協して何も望まない。

親に対しても伝わらないと諦めている。

これが対立です。

そしてこれらの対立(否定)は、そのまま主人公の愛(感情など)を否定しているわけです。

そしてこれが身近な(違和感がない、受け入れられる)ことにより、主人公に感情移入(つまりは共感)できるのです。


つまり感動させるには、

①目に見える問題(否定)があり、

②それに共感(主人公に感情移入させること)ができる。

この二つが前提として必要なわけです。


では続いて、葛藤についてです。

どのような過程を経れば、感動に至れるかです。


③主人公の肯定者による助けと、更なる否定。


助け……つまりは、主人公に愛を与え、導く存在です。

またクラナドを例に出すと、メインヒロインですね。

つまりは渚ちゃんです。

彼女とふれあうことで主人公は成長していき、現実や親と向き合っていきます。

彼女は主人公をとにかく肯定して、支えて、導きます。

クラナドでは、更にここにヒロインの家族(主人公にとっての理想)も加えられて、主人公に夢を見させます。

ヒロインの家族のようになれるのではないか?

現状を変えられるのではないか?

こういう夢です。


これはつまり、主人公が問題と対峙し、受け入れ、戦うことを決意したと言うことです。

これが葛藤(成長)です。

そしてここで一度、これをまた否定するのです。

13フェイズにありますが、これが試練と破滅です。

クラナドでも、親とわかりあえないと再び絶望します。


④契機、新しい希望。


絶望した主人公はしかし、自らにはまだ希望(愛)が残っていることに気づきます。

クラナドならこれもヒロインですね。

渚と理想の家族を目指すことで、新しい希望を持つわけです。

これは逃げではなく、問題(現実)と対決して、しっかりと受け入れて認めて、諦めないと言う決断です。

究極の選択というやつです。

主人公は諦めないことを選択するのです。


ここで重要なのは、上げてから落とした上で、希望をなくさないことです。

これならいける!! なんとかなる!! 俺はやれる!! という達成などを経て得た自信を、打ち砕くわけです。

これによって更に主人公が落ち込み、しかし希望がないわけではないため、読者はこう思うわけです。

「主人公に救われてほしい」と。

ここまででしっかりと主人公に感情移入できているので、主人公の一挙一動にハラハラドキドキします。


つまりはこうです。

③主人公が助けられて、なんとかなりそうと希望ができるが、

④それは夢幻で、更なる否定が訪れるが、別の形で希望が繋がる。


では最後の変化です。


⑤具体的な希望の形ができあがる


これは再び問題と対決するための新しい契機です。

クラナドなら子供ができるですね。

子供と同時にヒロインを失います(これはまた別の要素です)が、最終的にこの子供と向き合うことで、主人公は再び現実と戦うことを決意します。

自分が頑張ったことでできた希望(愛)が形になり、主人公の絶対の自信と最後の砦(理由)になるわけです。


そして最後

⑥愛が伝わる。わかりあえる


今度は一人で対峙し、自分の愛(感情など)を伝えていきます。

そして相手に必死に伝えて、伝えて、伝えぬいたところで、相手がそれを認めて受け入れてくれる。

クラナドなら親との和解ですね。

……クラナドの場合、今書いていた以外にも色々な感動要素が含まれている(13フェイズの重ね掛けなどがされている)のですが、1つを取り出してみると、こういう具合です。


つまりは、

⑤希望が形になったことで、再び自信を持ち問題と戦って、

⑥ついには問題を解決して、主人公の愛(感情)が認められる。


これが具体的な流れです。

以下に簡単にまとめたものをおいておきます。



愛での感動まとめ


①まずは問題と対立している。

この問題は愛(感情)がもとになっていて、それを否定されていることと、その問題に感情移入や共感ができることが大切。


②助けの存在によって、主人公は自信をつけていく。

そしてその過程で問題と向き合い、戦うことを決意する。


③しかしそれが再び否定される。

しかし希望は確かな形で繋がっていて、主人公はそれによって再び問題と対決する。


④問題が解決し、相手に愛(感情)が受け入れられる。

つまりは伝わらなかったことが伝わる。


これが簡単にまとめた感動の流れです。

以下に具体的なプロットの例を書いておきます。

参考にしてみてください。

注意、私は知識として知っているだけであり、それを実際に書けるかどうかは別問題です。

なので以下のプロットは、決して万人が感動できるとは思いません。

その点あしからず……。



感動プロット(例)


親に捨てられ、孤児院で育った主人公は、本当の親の愛を知らずに育つ。

その事ゆえに少し歪んでしまった主人公は、どこかで親に捨てられたと思いながら、しかし同時に親の愛を信じていた。

そんな主人公は、高校にて主人公の幼馴染みだと自称するヒロインと出会い、主人公はヒロインとの触れ合いで親の事と向き合うことを決意する。

そしてヒロインの手引きで主人公は親と再会するが、父親はすでに死に、母親も死の間際であった。

そしてヒロインから語られる親たちの思い。

そしてヒロインの正体。

主人公の母親は、主人公を産むことで体を悪くし、それを何とかするために父親も倒れ、主人公のことを泣く泣く孤児院に預けたということ。

そして目の前のヒロインは、主人公と一緒に生まれるはずだった、主人公の妹だということ。

妹は生まれると同時に死に、その後は母親と共にあったということ。

そしてその母親が死ぬ前になんとかして、主人公と母親を会わせたかったこと。

そしてそこまで聞いた主人公に、目の前の母親が起きて伝える。

あなたを愛していると。幸せになってほしいと。

そして主人公は母親に抱きついて泣き、母親の最後を看取る。

そして同時に、ヒロインも消えてしまう。

ナースコールをした主人公は、母親の死を伝えると、駆け付けた医師とナースにより、自らの妹だと言う女の子の病室につれていかれる。

そこには、先程消えたはずのヒロインがいて、主人公は妹が生きていることに泣き崩れる。

自分が生きていることにビックリしている妹と二人で悲しみと喜びをわかちあい、一緒暮らしていこうと決意する。


END


以上で終わります。

あくまで参考程度でよろしくです。


異論反論疑問質問感想などなどどしどし募集します。

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