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外伝:メタフィクション編

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5月18日午前0時19分付:西暦2016年8月16日→西暦2018年8月16日

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 西暦2018年8月16日、遊戯都市奏歌ゆうぎとし・そうかでは新たなARゲームのロケテストが行われていた。

このARゲームは一部で言われていたARパルクールにも酷似しているが、ふたを開けてみると細部に関しては色々と異なっている。


 今回のロケテストで行われているARパルクールは、特定のコースを持たず、市街地や商店街等でもコースに出来るらしい。

これだけを聞くと既に稼働しているシティフィールドと酷似しているだろう。目新しい部分はないと言ってもいいかも――。

「見た目はシティフィールドと酷似したARパルクールに見えるけど――」

 谷塚駅のホームからロケテストの光景を見ていたのは、提督服を着ていたツインテールが特徴の女性提督、ヴェールヌイだ。

「しかし、ARゲームは類似ジャンルを単純に模倣する訳ではない。夢小説勢のように登場人物を差し替えるだけのような――クローンコンテンツとは訳が違う」

 ゲームの内容は詳しくチェックした訳ではないが、使用しているガジェットのタイプ等を見る限りではよい所取りな物ではないと分かる。

その一方で、挑戦的過ぎるガジェットの形状、レースのルール等に疑問符を持っていた。

「ソーシャルゲームでのコンプガチャ問題を皮切りに、廃課金等が問題視される。高級ブランド品は良くて――という時代もあった」

 ヴェールヌイは何かを思い出すようにつぶやく。サバイバー事変を初めとした事件では、ソシャゲのコンプガチャや課金問題などもARゲームとは無関係なのに風評被害の如くセットにされていた。

それは、超有名アイドル勢が『超有名アイドルが神コンテンツであり、唯一神』と言う様な妄言をつぶやきサイト等で拡散し、超有名アイドルを起用すれば儲かるという意識を定着させた事――。

結局、今回の一連の事件もアカシックレコードや世界線シリーズという一つの作品群に含まれる可能性は否定できない。



 8月はイベントも各所で行われ、そこではARゲームの情報も解禁されていた。

しかし、ネット上ではデマの情報も流され、混乱をしている。災害時に周囲の不安をあおるようなつぶやきを拡散し、その様子を見て――という事例は何度も繰り返されていた。

そうした勢力を完全駆逐する事、それらが犯罪として取り締まりを受けるような世界――それこそ、アカシックレコードが望んでいる世界なのかもしれない。

『自然災害をネタにして恐怖をあおり――自分のつぶやきサイトのフォロワーを増やす、他人が恐怖する様子をまとめサイトにまとめてアフィリエイトで一山当てる、超有名アイドルを神として信じれば救われると宣伝する――』

『そうしたようなつぶやき勢力やタダ乗り便乗等がいる限り、つぶやきサイトやまとめサイトの完全駆逐や規制法案、魔女狩りを推し進めようとする勢力は消えないだろう』

『だからこそ、アカシックレコードは――ネット上のつぶやきサイトが悪用するようなテンプレやコラ画像の無料配布サイトで貼ってはいけないのだ』

 アカシックレコードには、このような書き込みがあった。しかし、これに対するレスポンスは出来ないようになっている。

アカシックレコードに過剰介入する事は、世界線シリーズさえも大きく歪める事になるからだ。



 西暦2018年9月、遊戯都市奏歌では残された課題に対し、様々な案を出していき――何とかして良質コンテンツを生み出そうと動き出した。

超有名アイドルばかりに頼り過ぎた結果、様々なコンテンツが炎上し、それこそ超有名アイドルが神コンテンツであるという意識が日本で定着すれば、コンテンツ業界は間違いなく破滅する。

「瀬川アスナと西雲隼人か――」

 アカシックレコードに刻まれた伝説の2人、瀬川せがわアスナと西雲隼人にしぐも・はやと、彼らならば――この状況をどう思うだろうか。


 その声は2人に届くのだろうか――全ては、これからのコンテンツ業界を変えていく事にあった。

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