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鬼灯は、揺れていたのだから。
楽しそうに微笑むほおずき。賑やいだ境内。呆然と立ち尽くす俺の耳元に、菜摘の唇がそっと触れる。
「……ねえ、智樹」
本当は、気付いていた。姉の中に眠る子の親が、誰なのか。
「一度だけ、ちゃんと聞かせて」
気付いていたから、気付かないふりをし続けていた。現実を認めてしまったら、過ちを認めてしまったら。俺はもう。
「あたしのこと、愛してる?」
この、姉という鬼灯に。
「……愛してるよ、菜摘」
獲り込まれるしか、術はない。
楽しそうに微笑むほおずき。賑やいだ境内。呆然と立ち尽くす俺の耳元に、菜摘の唇がそっと触れる。
「……ねえ、智樹」
本当は、気付いていた。姉の中に眠る子の親が、誰なのか。
「一度だけ、ちゃんと聞かせて」
気付いていたから、気付かないふりをし続けていた。現実を認めてしまったら、過ちを認めてしまったら。俺はもう。
「あたしのこと、愛してる?」
この、姉という鬼灯に。
「……愛してるよ、菜摘」
獲り込まれるしか、術はない。
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