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7,5.幕間

メダロット面白い。ゴッドエンペラーが早く欲しい。


この小説はハンクが登場する時はハンク視点の一人称で、ハンク視点で語れない時は三人称でやるつもりです。


今回は練習のつもりで三人称にしました。多分下手だとおもいますが、その内上達すると思いますのでご容赦ください。



はじめに無がありました。12の神様達はそこに世界と命を作ります。


主神ゼウトスはいいました。

――我は命に『生』と『死』を与えよう。生は世界を豊にし、死は次世代の始まりとなるだろう


女神レイディネスはいいました。

――私は『時間』と『空間』を与えましょう。時間は命を成長させ、空間は命に居場所を与えることになるでしょう


男神メンズスはいいました。

――なら俺は『光』と『闇』を与えるとしよう。光は朝を産み出し、闇は夜を産み出すだろう


3神の贈り物により、命は時間の経過と共にそれぞれ与えられた空間で成長していきます。ある者は光を好み、ある者は闇を好み、それぞれ多種多様な進化をします。そして役割を終えた命は次の命を産み出し死を迎えます。


神様達は命の進化を喜びました。命をもっと進化させるために炎神イフリース・水神リヴァイア・地神ゴレムス・風神シルフィールは世界に火・水・土・風を与えます。これにより命はさらに進化していきました。


ところが、ある日神様達にとって想定外のことが起こりました。命が増えすぎて世界が滅びそうになったのです。これに困った神様達は自らの眷属に世界を守らせることにしました。


武神クーシェリルは眷属にいいます。

――オレは眷属に鍛える力をやる。その力で世界を守れ


創造神ハクナミは眷属にいいます。

――ワタシは破壊の力を贈りましょう。創造は破壊から生まれる。世界を更に繁栄させてください


魔神ガミュトサシは眷属にいいます。

――余は支配する力をやろう。その力を世界のために役立てよ


龍神ドラセイバは眷属にいいます。

――ワシは再生の力をやろう。その力で世界を癒すがいい


天神ヴェザルは眷属にいいます。

――僕は予言の力を贈るよ。その力で命を守ってあげてね



主神・女神・男神・炎神・水神・地神・風神・武神・創造神・魔神・龍神・天神の贈り物により世界と命は更に進化します。神様達に感謝をした命は贈り物をしてくれた神の数に習い、時の単位を12としました。


こうして今の世界は出来ました。そして5神により力を与えられた5眷属は今も神の命令を守り世界と命を守っているのです。


                           【世界の神話――『創世記』より一部抜粋】




×××



「信じられるか!?起きたら目の前に生首があったんだぞ!しかも無数の死体がベッドを囲んでいるんだ!!おまけに先祖代々より伝わる王室は血まみれだ!!警備の者は何をやっていた!?昨日警備に当たっていた兵士共は職務怠慢で全員死刑にしておけ!!」


玉座の間で王はアルフォンスと宰相相手に怒鳴り散らしていた。


その顔は憤怒に染まり元々あった威圧感を更に高めている。


あまりの王の剣幕に二人は何とか王の怒りを静めようと声をかける。


「陛下、どうか落ち着いてください。そのような罪で兵士を死刑にすることは出来ませんし、何より兵士を死刑にするのは王国のためになりません。今は少しでも戦力は確保しておくべきです」


「そうですよ、父上。お怒りをお納めください。今、城の者達総出で王室の洗浄を行っております。どうか短慮だけは起こさないでください」


二人の言葉をラレンヌ王は頭では理解しているが感情が納得しない。


今思い出しても恐怖が甦る。


ベッドを囲むように置いてあった、恨めしそうに此方を見る無数の生首。部屋中に広がる肉片と血だまり。


そして闇の隊長であったドラクの生首の口の中に入っていた『次はない』という血に染まったメッセージカード。


それらを目にした時にラレンヌ王は悲鳴をあげてしまった。


王族の自分が、愚民共にとっては神に近い自分が何者かによって悲鳴を上げさせられた。


あまつさえ、そのことによって自分は恐怖した。


愚民共の行いに神である自分はトラウマを与えられたのだ。そのことは王としてのプライドが絶対に許せなかった。


「全く忌々しい!アルフォンス!!お前は昨晩勇者をハンク・トマソンの部屋から遠ざけたのだろうな!?」


「はい、父上。僕はリリーナさんを中庭に呼び出しました」


アルフォンスは勇者を『リリーナ先生』と呼んでいたはずだが、今は『リリーナさん』に変わっている。その事が王は少し気になった。


「ならば誰がやった!?闇を壊滅させ、余にあのような屈辱を味あわせたのは誰だ!?」


王の言葉にアルフォンスの脳裏には今朝の出来事がよぎった。


父の部屋に生首が置いてあったと聞いたとき、アルフォンスはリリーナのことを疑ってしまった。


アルフォンスは現場に行き生首の正体が闇の部隊のものだと確認した後、リリーナの元に出向き彼女を問い詰めた。


『リリーナさん。父上の部屋に不審物が置いてあったそうです。何か知っている事はありませんか?』


『王様の部屋に?私は初耳』


『あの、つかぬことをお聞きしますが昨晩リリーナさんはあの男の部屋に行ったのですよね?』


『うん。アルから闇がハンクを狙っていると聞いてすぐに私はハンクの部屋に向かった。だけど私がハンクの部屋に着いた時には何事もなかった。部屋荒らされた様子もなかったし、ハンクはぐっすりと眠っているだけだった。闇の連中なんかいなかった。だからアルの勘違いだと思って私は自分の部屋に戻って就寝した。そんなことより王様は大丈夫?不審物は危険なものだったの?』


『危険な物ではなかったので父上は無事です。父を心配してくれてありがとうございます。それと変なことを聞いてすみませんでした』


リリーナはアルフォンスが疑っているというのに不満を表すどころか父の心配までしてくれた。そのことがわかった時、アルフォンスは心底自分を恥じた。


――何故自分は想い人を疑ってしまったのだろう


――この可憐な少女にあのような残酷なことが出来るはずないではないか。生徒であった自分はそのことをよく知っているはずだ。


リリーナが闇の部隊を見かけなかったと言っていたことから、アルフォンスはリリーナがハンクの部屋に着くまでに何者かが闇の連中を排除したのだと確信する。


だからアルフォンスは確信を持って王に告げた。


「少なくともリリーナさんではないと思います。あのような残酷な殺し方はリリーナさんに出来るはずがありません。これは僕が保証します。何より、彼女は勇者です。勇者が人殺しをする可能性は限りなく低いかと」


アルフォンスの自信がこもった言葉に王は勇者を犯人候補から外す。


父としての欲目もあるだろうが、王はアルフォンスの人を見る目は確かなものだと思っている。その点のみをいえば既に自分を越えているかもしれない。


そのアルフォンスが言うのなら勇者は犯人ではないのだろう。ならば一体誰が?王が考えこもうとした時、宰相が口を開いた。


「私が思うに、犯人は本物の真影ではないでしょうか。かの者は伝説の暗殺者。でしたら闇を壊滅させる実力も、あのような残酷な殺し方をする理由も納得がいきます。王の部屋に死体を運んだのは警告なのでしょう。メッセージカードがそのことを証明しています」


「真影が既に王宮にいるということか!?誰にも悟られずに?探査魔法では発見出来なかったんだろう?」


「はい。ご命令通り宮廷魔導士や兵士達に魔法的にも物理的にも探させましたが発見することは出来ませんでした。ですが、かの者は勇者以外には仲間達にすら姿を見せないと噂の者。此方の探索を誤魔化す何らかの方法が真影にはあるのではないかと愚考致します」


そこで宰相は一旦言葉を切る。そして言いにくそうに続きを話す。


「もうひとつ考えられることがございます……可能性は限りなく低いのですが」


「もうひとつ?何だ?言ってみよ」


「はっ。それは……ハンク・トマソンが本物の真影あるという可能性です」


宰相の言葉に王は困惑気に口を開いた。


「何を言っているのだ?ハンク・トマソンは真影ではないという結論はとっくに出ているではないか」


「ですがあの男が本物だと考えれば昨夜の出来事にも納得がいくのです。闇を壊滅させた理由は襲われたから。探査魔法で発見出来なかったのは既に奴が姿を表しているから。アルフォンス様の魔法ですら欺くのです。でしたら一介の田舎の老人を欺くことは奴にとっては赤子の手をひねるようなもの。もしかしたら、リリーナ殿の言うとおり親書を受け取ったのも村にいたのもハンク・トマソンの影武者だったのかもしれません」


宰相の言葉に王は思考をはせる。


――ハンク・トマソンが本物の真影?アルフォンスは間違いなくハンク・トマソンは真影ではないと言っていた。自分が見てもあの男には裏の世界に住む者特有の空気を感じることが出来なかった。


だがハンク・トマソンが自分達の目をも誤魔化す実力者だということを真っ向から否定出来るほどの根拠がある訳でもない。まさかあの男は本物なのか?


王が悩んでいるとアルフォンスが宰相に否定の声をあげた。


「待ってくれ!あの男が本物だって?それは絶対にありえない。昨日もいったけど、あの男には魔力が感じられなかったし、筋肉だって全然ついてなかった。あの男が暗殺者なんて僕には信じられないよ」


「ご無礼を承知で申しあげます。恐らく、あの男はアルフォンス様以上の実力者だったのでしょう。アルフォンス様に暗殺部隊の者共を壊滅させる実力はございますか?アルフォンス様にはそのような実力はないでしょう。実力的に上位の者が下位の者を誤魔化す事は難しいことではありません」


アルフォンスは言葉を失う。


――確かに自分は最高峰の実力を持っている訳ではない。自分より実力が上の人間などいくらでもいるだろう。


しかし、しかしだ。それでも力量の差を見抜くぐらいの力は持っていると自負している。


その自分が見る限りあの男は自分より圧倒的下位者だ。それともその認識すら奴の掌で踊らされているというのか?


アルフォンスがショックを受けていると王が口を開いた。


「ハンク・トマソンが本物の可能性はゼロではないと宰相は言うのだな?」


「はい。今は近く起きる戦争のために戦力をいたずらに消費すべきではございません。これ以上ハンク・トマソンを暗殺を持って排除すべきではないと愚考致します」


「ならばどうしろと言うのだ?あの男を消さなければ勇者を王家に取り入れられないのだぞ?」


「その事なら私に妙案があります。王よ、逆転の発想です。あの男をリリーナ殿から引き剥がすのが無理なら、リリーナ殿をあの男から引き剥がすのはどうでしょうか?」


「と言うと?」


「はい。夫婦が離婚する要因のひとつは浮気です。あの男に女を差し向けるのはどうでしょうか?ハンク・トマソンが本物の真影だろうと偽物だろうと奴も男。美人に言い寄られれば拒否することは出来ないでしょう。リリーナ殿に二人の浮気現場を目撃させれば作戦は大成功です。そこまではいかなくても接吻でも見せられれば作戦は成功したようなものです。後は伴侶に浮気されて傷付いたリリーナ殿をアルフォンス様が慰めればお二人の仲は進展するかと」


「色仕掛けという訳か。なるほど。実力で排除するのに危険が出来た今、色仕掛けも有効な手ではあるな。もし失敗しても我らに害はない。……よろしい。宰相よ、そちの案を採用しよう。娼舘なり何なりから美人を選びあの男に差し向けよ。この作戦の全権は宰相に預ける」


「ありがとうございます。それでしたらアルフォンス様にもご協力して頂く必要がございます」


「僕に?」


「はい。私に任せて頂ければ必ずやリリーナ殿の心からハンク・トマソンを追い出して見せましょう」

愛は盲目

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