1. プロローグ 母の再婚
※異世界恋愛ざまあシリーズ第4弾。
※以前(2025/6/25投稿)の短編作品を改稿して短期連載完結(全9話)にしました。
※残りの3話は2/28に投稿します。
※物語のヒロインは伯爵令嬢のアリス。
父を失くし寡婦となった母が再婚した相手は見栄えの良いたけが取り柄の落ちぶれた男爵の寡だった。義父には2人子供、兄と妹がいた。
アリスは品性のない義父たち新しい家族に嫌悪感を抱く。二年後には母親が病いで死亡。
アリスは義父たちから冷遇されドアマットヒロインとなり学園も中退、1日中メイドのようにこき使われていく。
※虐げられたヒロインが義父たちに一泡吹かせるざまあ作品です。
※20000文字ほどの短期連載完結作品です。
※最終話に生成AI画像付です。(^.^)/~~~
◇ ◇ ◇ ◇
私の名はアリス・メンデル。
生家は由緒ある名門伯爵家の長女だ。
「うちの家系は100年以上前は王女が降嫁した先祖もいる名門一族だ」
と私の義父と義兄は、社交サロンで誰ひとりとして、聞かれもしないくせに自ら吹聴していた。
実父は私が12歳の時、突然病で急死してしまう。
若くして寡婦となった母は、夫の莫大な伯爵家の領地や家屋、預貯金など全ての遺産を相続した。
莫大な遺産相続をしたはいいが、母は父に依存していた人だったので突然、寡婦となると一時的に神経衰弱になってしまった。
娘の私がいうのもなんだが、母は殿方に頼る典型的な弱き女だったので、父の一周忌が済むや否や、遠縁に当たる見栄えだけは良い貧乏男爵の寡と再婚してしまう。
その義理の父には前妻との間に2人の子供がいた。
義理の兄の名はロイド17歳、妹の名はイサドラ12歳だ。
当時私はまだ13歳だった。
最初の頃は義父たちは私にも愛想よく接してくれはしたが、どうも私には新しい家族がうさんくさくて、義父たちをどうしても好きになれなかった。
何より嫌だったのは、母の知らない所で屋敷の家令たちに少しの過ちでも罵詈雑言を吐いたり、時には暴力も振るっていたからだ。
時に義父たちの使用人に虐待する行為を私がたまたま目にすると、その場で義兄や義妹には注意したし、義父に至っては母から態度を改めるように伝えてもらった。
しかし母はあまり義父には強く言えなかったようだ。
私は新しい家族たちと接してすぐ気付いたのは、彼等は貴族としてあるまじき品格のなさと、怠惰な生活を好んでいた事だった。
特に義父と義兄は領地の仕事も執事や領地管理者にすべて任せて、昼間から酒を飲み街の賭博場へ行くばかり。
初めから伯爵家の遺産目当てで結婚したにすぎず、遊蕩三昧の生活をしていた。
◇ ◇
「アリス、どうやら私は再婚に失敗したようね。夫はお前の父親とは似ても似つかない人だった」
さすがの母も義父と再婚したのを、大きな誤ちだと気付いて愚痴をこぼした。
「なんて愚かだったんでしょう。夫が突然亡くなって動揺したのね。その結果、見た目の容姿だけで選んでしまった……今更いっても遅いけど浅はかすぎたわ」
「お母様、どうかお気を確かに──私が側についております。大丈夫です、私があの人達の好き勝手にはさせません」
「おおアリス、お前はお父様に似てとても聡明な子だわ」
母は憂いて私をきつく抱きしめてくれた。
「大丈夫です。お母様」
私は気弱だけれど優しい母が大好きだった。
◇ ◇
だが突然母との別れはやってきた。
私が16の時、高等学園に入学した年に流行り病いで亡くなってしまったのだ。
母の棺を土に収めた後、私は体調を崩し、1週間程学校を休んでしまった。
突然の母の死は私の人生に暗い影を落とした。
而して義理の父が否応なくメンデル伯爵家の当主となった。
義兄のロイドも成人して一部の伯爵領を得て子爵となった。
この先、もしも直系の私が婿を貰わなければ、ロイドがメンデル伯爵家の次期継承者として、家督を継ぐと執事から聞いた時、私の心は真っ暗となった。




