<発動>スキル【主人公補正=こんにちは新しい世界!】
投稿遅くなりました。
「申し遅れました!!私し来世選考センター局長のウィヌスと申します。」
「…」
俺は本当に死んでしまったらしい。
電車に轢かれた時の衝撃、痛みを覚えている。でも体があって意識がある。
そして目の前には俺を線路に落とした女もいる。
なにがなんだかわからなくなってきた。
「あのー?ショックなのはわかりますが、なにか発してくれませんか?話が進まないのですがー?」
きょとんとした顔で俺に語り掛けてきた。
「あのー?もしもしー?」
「黙れサイコパス女!誰のせいでこうなったと思ってんだよ!お前が俺を殺してこうなったんだろ!なにが目的なんだよ、お前はなんなんだよ!ここはどこなんだよ!」
俺は立ち上がり、女の胸倉を掴む。
女は慌てた様子で言った。
「わぁ急に!まぁまぁ落ち着いて」
女は両手を前に出し俺をなだめた。
仕草一つ一つが俺の勘に触る。
「わかりました!一つ一つ貴方に説明するのでとりあえず座って下さい…私は貴方の世界で言う女神です。亡くなった方の来世を決めています。貴方の来世の決定権を持ってるんですよ!乱暴はやめてください!!」
「うるせえ!来世なんてどうでもいい!俺はあと少しで大スターになるとこだったんだぞ!!」
「貴方が大スターになる未来はありません!!」
「は?」
「貴方は劇の途中、セリフを飛ばしてしまい劇団を首にされてしまいます…」
「そんなわけねぇだろ!!」
俺は拳を女に向けて振り上げた。
「だから私が用意しました!!貴方が主人公として魔王を倒す世界を!!だから落ち着いて!!椅子に座ってください…」
「俺が主人公?魔王を倒す?」
俺の体は固まった。
これまで主人公という言葉に無縁な人生、そんな俺が転生した勇者として世界を救う。
シナリオは完璧だった。
「最高でしょ?完璧でしょ?だからとりあえず座って話をしましょう?」
そこからの話は早かった。
俺はおとなしく座った。
死んだ直後で頭が混乱してたんだろう、自分を殺した女の話を素直に聞くなど。
その後彼女は淡々と俺を問いに答えてくれた。
なぜ俺を殺したか?その後の人生上手くいかず5年後俺は自殺するらしい。
その時彼女は言ってくれた。
「さぞお辛い人生だったでしょう、主役になれないなど。貴方は世の中で認められるべき存在だったのに!私は貴方の人生ずっと気にかけ、ここからずっと見ていました。しかし状況は変わらなかった…だから私が変えよう!そう思いこのようなことをしました。貴方に酷いことをしたのは重々承知しております。しかしわかって下さい。あなたの為なのです!!」
正直胡散臭さはあった、でもそれ以上に感動が大きかった。
これまでの人生でそんなことを言われることなんてなかった。
女神様が俺の為にやってくれたことなんだと自分に言い聞かせた。
「これからの話をしましょう!」
そう言って女神様は異世界の話、異世界での俺の身分、立場、環境などを話し出した。
「貴方がこれから行く世界は簡単に言うと魔王に支配されかけています。そこで魔王軍がある小さな村を襲撃します。逃げ惑う人々、燃え崩れる家々、もう駄目だ!という所で村で育った少年ラータス・セクメトが勇者の力の目覚め、そこから困難を超え魔王を倒す!というものになっていて貴方がこれから転生するのがラータスになります。」
「おー!勇者の力はどんな力なんですか?」
「着眼点がいいですね!その力の名は【主人公補正】です!!能力は状況に応じていろいろなスキルを使用可能になるというスキルです。暗い洞窟で探検したいなというときは明かりが灯せるスキルを、大量の敵に囲まれた時はそいつらを一網打尽にするスキルを!こんな時にこんなスキルが欲しいなを叶えてくれる大変便利で凄く強いスキルになってます!!」
俺はすごくワクワクしていた。これまでにないようなワクワクだった。
舞台も力も主人公そのものだ。
「他に聞きたいことはありますか?」
「ないです!早くその世界に俺を連れて行ってください!」
「わかりました!ではあちらの扉から部屋の外に出てください!そうすればもう目の前は異世界です!」
俺は立ち上がりドアの前へ行きドアノブに手をかけた。
「最後によろしいでしょう?伝え忘れていたことがありました。」
「なんでしょうか?」
「ラータス・セクメトの16年間の異世界暮らしの記憶はこの扉を開けたとき自動で引き継がれます。」
そんなことかと少し思いながら俺はドアノブを捻った
「女神様色々ありがとうございました!俺頑張ります!!」
「御武運を~」
笑顔で手振ってくれた。女神様も俺に期待しているに違いない。
俺の新しい最高の生活がこれから始まる。
期待に胸を躍らせ扉を開けた。
眩い光と共に俺は新しい世界へ足を踏み出した。
「逃げて…ラータス」
そう言うと姉は目の前でドラゴンに踏みつぶされた。
凄く眠いなか文章考えたので文に変なところたくさんあると思います。申し訳ございません。