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異世界はバーゲンブルグから・・・  作者: J.Plum
第四章
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神の使徒

 翌朝、朝食をいただいていると王様から呼び出しがあった。一度話をしなければいけないことがあると…

 この話は真面目な話であるのは目に見えていた。あや、ごんぞう、ビビを連れ王様の元に向かう。


 重厚な扉の前に立つ。この扉は何度見ても威圧感を与え圧倒されてしまう。そんな扉だった。扉に手を掛ける、少しいつもより重く感じたのは精神的なものだろうか…


 王様の前に立ち跪く。

「召喚組ただいま参りました」

「良い、まずは立って欲しい」返事し立ち上がる。


「これから少し混み合った話になる。場所を変えていいか?」と問われ移動することとなった。


 応接室に到着し各自席に付く。

 王様は近くの給仕に飲み物を要求し紅茶っぽい飲み物が配布され、人払いをし王と我々だけとなった。


 そうして王様は話し出した。

「まずはナナトーナとの貿易について、世界情勢にも接する内容であったため改めて感謝と御礼を申し上げる」

「いえ、あれはバーゲンブルグへ帰るためにたまたまそのようになっただけですので…」


「それでも助かった。そして黒き巨人、こちらも討伐してくれたこと感謝する」

「それもたまたま…そういえばあの巨人って何なんですか?倒すと霧となり消えてしまうんです」


「本日呼んだのはまずその件である。

 あれらは神の眷属といい、古の彼方より訪れる神の使徒だ」

「えっ?それって倒したらまずいのでは…」


「いいやそれは問題ない。以前貴方らを召喚した際に話したモンスターの抑制に関わることなんだ。


 これは私たちも召喚するのは初めてであったので想定外の話ではあるのだが聞いて欲しい。


 召喚者を召喚するには多くの魔石と特定の魔石を使用し召喚するが、何故召喚するのみでモンスターの抑制になると思う?」


「えっと召喚と同時にエネルギーが流れ込むとか言ってましたよね」


「古文書によるとそのように書かれていた。


 ただ、読み進めていくとエネルギーが流れ込み、そして神の眷属が併せて召喚されるとも書いてあった。

 この眷属というのは神のような国からきたお主達がそうなんだとは思っていた。


 ただ実際には違かった。お主達が召喚すると同じくして黒い霧の背負った巨人もそのエネルギーによって召喚されていたということが最近わかった」


「えっ…それは…」

「そう、その黒き巨人こそモンスターを駆逐する役割を持ったものであったのだ。


 この巨人は各大陸に1名ずつ召喚され殺戮の限りを尽くしていた。

 我が国、そしてナナトーナ以外の国々については犠牲を払いながらも討伐がされたと聞いているが、我が国とナナトーナだけはまだ討伐されては居なかった」


「つまり、俺たちがきたことで巨人は生まれたってことですか?」

「ああ、その通りだ…」


 ということはビビの家族が死んだのって俺らが召喚されたせいじゃ…


 フーーーーッ!!!


「お前らがタケルらを呼んだのが悪い!お前らのせいでトトとカカが!

 …トトとカカが!!!!」


「ビビ!!」ビビを抱き留め飛びかかろうとするのを防ぐ。


 フーッ!!フーッ!!


「…ああ、想定外なんて言葉で終わらせるつもりは毛頭ない。


 私の責任だ。

 全てが終わり次第私は死を選ぶだろう。そのくらいのことをしたと自覚はしている。


 神の使徒は確かにモンスターを駆逐はしたが、人や動物全てを駆逐しようとした。

 結果、被害が拡大しこのようなことになってしまった。本当に申し訳ない。


 たける殿達が討伐してくれたお陰で黒き巨人の恐怖からは逃れることが出来た。

 特にナナトーナ国の戦士は実力が見合わない者が多く、こちらから援軍を送ろうにも海が通れず八方塞がりになっていた。


 ゆえにたける殿達が討伐してくれたお陰で皆助かった。本当に感謝する」


「残りの巨人はいないんですか?」

「ああ、聞いた話ではおそらく大丈夫だと思う」


「そうですか」


 ということはグラファート領で討伐したのはビビの集落を襲ったやつだったのか…とビビを見ると泣きながらも歯を食い縛り耐えているように見えた。


 強くなったなと眺めながら王に伝える。


「この件を知ってるものは?」

「我らと宰相だけだ」


「わかりました。ビビ、聞いてくれ。ビビと両親が死んだのは俺らのせいかもしれない。何せ俺らが召喚されたから生まれた奴に殺されたから」


「でもタケル達は無理やり召喚された!だからこいつが悪い!」


「違うんだ。王様も悪くないんだ。結果はそうなったってだけで実際はビビの両親とか国民とか色々な人を守ろうとしたゆえにこんなことになってるんだ。


 ビビの両親の件は残念だった。辛い思いもさせたのもわかる。

 だから俺と家族になろう…。俺がビビの親になってやる。


 だから…だから…、人を恨んで生きるのはやめよう…」


 そう伝えると怒り、悲しみ全てが混合し俺と王様を見つめては下げ、顔を上げては下げを繰り返し、涙を流した。


 雰囲気からわかる。わかってくれたと…

 俺はビビを抱きしめそして王様に伝えた。


「一点だけお願いです。たしかに不幸になった人はいます。

 でも結果論です。

 もし、貴方が国民の生活を蔑ろにし、自分だけが裕福に暮らしていたなら僕は貴方を許さないだろう。


 でもあなたは違う。国民を思い、他国を思い信頼を得るため頑張ってる王だ。

 だから、死んではダメです。必ず生きて、国民のためになることをして生きていく。それが貴方の贖罪だと思います」


 真っ直ぐとこちらを見つめる王様は溜息を吐いた。


「せっかく楽になれるとは思ったんだがね…」

「そんな楽になんかさせませんよ、俺ら召喚しといて」


「そうだな。すまない、罪の重さから弱気になっていたようだ…自死の話は撤回しよう…」


 そうして黒い巨人問題は終止符を打ったのだった。

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