帰還
そこは魔術部の一部屋であった。
御神体としてアヤを形どった女神像が鎮座されており、向かい合うのはハルク爺さんである。
「あや様、あや様、どうかこの爺と添い遂げてください。お願いします。どうかどうか!
この爺が 好き、愛してるわ。この髭が素敵ね!一生介護してあげるわ。あなたみたいな人を待っていたのとなりますように!そして目眩く夜の情事の際には…」
「なるか?!色ボケジジイ!」
「なんじゃ〜ワシの特別室に…。あっ、あや様来てくれたんじゃな!幸せになろう〜」
ぶちゅーーーっ!!
「汚い顔向けるな!馬鹿ジジイ!」
「なんじゃタケルもおったのか…気付かんかったわい、出ていけ出ていけ!みんなお前らの帰りを待っとるぞ!」
「そうか、わかった。ありがとう!」
「ああ、ありがたやありがた…タケル?!あや殿ではないか?!帰ってきたのか?!」
「なんとか帰って来れた!」
「そうかそうか…よかったのぉ…。
こうしてはおれん…食堂にて待つのじゃ!」と言いパタパタと走っていった。
「相変わらず元気の良い爺さんだな…」
「そうね、ただあのお祈りは鳥肌もんだったわ・・・」
そうして食堂に向かうと店長がいた。
「タケルくん!アヤさんお帰り!無事で良かった!」
「店長ただいま!店長のご飯が早く食べたいよ!」
「待っててなんでも作るよ!おすすめはカレーライス!」
「マジか!?食べたい!」
「すぐ作るね!」
すると食堂の扉が開く。
バンっ!
「タケル!!!」「ビビ!!」と胸に飛び込んでくる!
「タケルタケル!」尻尾がめっちゃフリフリしてる!
「ただいま!ネックレスちゃんと見てたよ!」
元気だ、良かった!あれっ尻尾止まった?
「タケル、なんか変な臭いするです。雌猫のような臭いです」
「あっ、いや…」
「おう、元気そうだな…」
「ごんぞう!良かった!無事だったんだな!」
「ああ、なんとかな!突然いなくなるから驚いたぞ!」
「悪い、変な転移にハマってしまってな…大変だったわ」
「まぁ五体満足に帰って来れたんだ、御の字だろ!」
「ああ。あれ…?ブライアンは?」
「あーそのことなんだが…」
バーーーンっ!
見ると宰相さんだ。
「たける男爵よーくお帰りになったぁぁぁぁ!
謁見室で王がお待ちです〜♬」
なんでミュージカル風に言うんだよ…
ハルク爺さんが手を回したのかな?
「店長、ちょっと王様のとこ行ってくる!」
「あいよ〜作っとくから終わったらおいで!」
そして謁見室へ向かうと王様はすでに玉座へ着座していた。
「よくぞ戻ったたける男爵、あや殿」
「はい、時間が掛かりましたが戻って参りました」
「説明をお願い出来るか?」
とこれまでの経緯を話をする。
ダンジョン最深部で転移魔術にハマった件、ナナトーナへ転移した件、パパスへ行き貿易を再開した件、黒いモヤの巨人2体討伐した件と多くのことを報告した。
「まずは貿易の再開、大義である。
それと黒いモヤの巨人の討伐についても承知した。それは我々の罪でもあるため後ほど説明しよう」
?
「今日は疲れたであろう。ゆっくりと休まれよ」
そして謁見室を退室し食堂へカレーライスは死ぬほど美味しくて3杯食べてしまった!
部屋に戻り冒険を思い返す。
するとビビが恐る恐る俺の布団に潜り込む、「今日だけだぞ」と伝え夜は更けていくのだった。




