入航
「接岸するぞーーーっ!」
その一言で船員が湧き立つ!快活に動き続けた船がゆっくりと動くように変わり、接岸する。
無事航海を終えることができた、その瞬間であった。
タラップが引かれ、グラファート側より海運関係者が乗船する。
「これはこれは大変お世話になります。グラファート領海運局交渉人のダパルと申します」
「ナナトーナ国パパスよりきたグレックです。こちらは船長のカナックです」
「ナナトーナ国から?!つまりクラーケンを討伐を?」
「いえ、内容は伏せますが特殊な方法を持って海を渡り本日伺いました」
「そうですか…それはそれは…」
「数年前よりクラーケンが出たことにより我が国との取引に対し配慮いただいた御国に多大なるご迷惑をお掛けしました。この度お恥ずかしながらやっと定期運航できる目処が建てることができました。
こんな無礼な行いをした我々だが、もし許されるのなら…御国との停止した貿易を…貿易を…」
船長は涙を溢す…
ここ数年で溜めたであろう蟠りや不平不満、全てが解消したからだった。
「はい、ぜひよろしくお願いします」とグラファート側が言ったため、船長はダパルを抱きしめ「よろしくお願いします」と伝えたのだった。
良い話だなと温かい目で見つめていると「もうすぐ我が領の責任者も参ります。それまではこちらでお待ちください」と言い席を外す。
国を跨ぐ貿易だもんな、そら責任者も来るよな。などと思っていると
「ねぇタケル?責任者も来るらしいわよ」
「そうだな。責任者が来るって結構大きなことをしたんだな俺たちは」
「いや、責任者って公爵じゃないの?」
「公爵?あっそうだ!ジョセは来ないと思うけど隠れといたほうがいいかな?」
「隠れるとかはどうなのかしらね…」
すると遠くの方に馬車が停車したのがわかる。こちらに真っ直ぐと歩いてくる。
そして親方さんと対峙する。
「これはこれはパパスからの使者様初めまして私グラファート・ベーグルマンと申します」
「カナックです」
「こちらへは特殊な方法を用いていらっしゃったと言うことで」
「はい、ある御仁をバーゲンブルグへ送るという任務も併せて対応しておりまして」
「ほう、ある御仁とは?」
「あちらの方々です!」
「ほう、随分と可愛らしいお方ですな。お名前をお聞きしても?」
「可愛らしいぎょ?」
「あたしはニャニャトーニャ国元近衛騎士のニャニャミンと申すもの。以後お見知り置きを!」
「あれ?兄ちゃんとお嬢ちゃんはぎょ?」
「なんかささっと陸地のほうにいってしまったにゃ!」
「そうかぎょ。あと2名程いますがもう外に出たみたいですぎょ。トイレが何かですかね…」
「そうですか…ぜひご挨拶させていただきたいですな」
あっぶねーっ!
「間一髪でナナミンを置いてきたからバレてないだろ!」
「そうね!でも逃げてても解消するなら早いに越したことはないと思うわ」
「まぁそうなんだけどさ…。とりあえずそっちの角を曲がると抜けれそうだな…行こう」とパタパタと角を曲がると、
ドンッっと音が鳴り誰かとぶつかる。
「フンっあんたどこ見てんのよ!!」
「そっちからぶつかってきたんだろ??」
「何言って…、言って…、タケル様ですか??」
えっ?!
「会いに来てくれたんですね!ああタケル様〜!」
ジョセだ…こんなベタな感じで会うって何よ〜…
「タケル様〜っ!ダンジョンで行方不明とお聞きしご心配しておりました。ここへはどのようにして?」
「いや船で…」
「そうなんですの!あんな危険なクラーケンが居ながらも私のいるグラファートを目指すなんて、なんで素敵なことでしょう!」
「バーゲンブルグにはもう?」
「いやまだ帰ってない…」
「真っ先に私に!」
「お父様には?」
「会ってない!」
「もうこれは運命としかいいようがないわ!あと2年なんか待たずに結婚しましょう!善は急げね!それではごきげんよう!」と帰っていってしまった。
「あっアヤ…俺…」
「タケル、運命の歯車って本当にあるのかしらね」
知らんがな!




