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異世界はバーゲンブルグから・・・  作者: J.Plum
第一章
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訓練

 ズドンっ!

 おりゃ〜!

 うっしゃー!


 戦いの訓練というのはまずは心持ちである。

 剣は心、己を映し出す鏡のようなものである。

 相手がいる場合は礼節を持って相対し、必ず勝つと言う気持ちをもって武器を振るう。

 我々の使命はモンスターを倒すことであり、負けないように戦うのではなく必ず勝つ戦いをしなければならないのだ。


 と騎士さんが話してるんだが全然耳には残らない。


 なぜなら目の前でブライアンが騎士をボッコボコに殴っているからである。


「うっしゃ〜もう一本!」


 はい!と騎士は言いエイっと掛け声で叫ぶものなら、渡されている木槌の柄というのか持つところで受け、返しの一発をお見舞いしている。


 当てられた騎士はきゅうと言い、倒れては連れ出されている。


 なんだこの光景は…俺とごんぞうがあんぐりしていると


「休憩だ!水分補給忘れんな!」何故かブライアンが声掛けし休憩に入るようだ。


 とこちらに近づいてくる。


「おう、お前らきてたのか。ちゃんと訓練しねーとマジで死んじまうぞ」

 あれ、俺ら昨日の夜召喚されたよね。なんか騎士の上司みたいになってるんだが…


 水分補給しているブライアンに話を聞く。

「琢磨先輩、なんか騎士を従えてるような感じなんですがいったい?」


「あー俺はブライアンな。その名前捨てることにしたから」


 聞くと昨日騎士に捕まりギャーギャー騒いでいると、ある騎士がブライアンの何が気に入らない?私の弟もブライアンという名前であった。私が13歳の頃、8歳だった弟はモンスターにやられ命を失った。その時の強くならねばという気持ちが私を騎士まで押し上げてくれたのだ!と。


 そんな話を聞いていると弟との思い出話になり、酒が出てきて酒盛りになり、気付いたら騎士全員参加の宴会になり、その騎士とは義兄弟となることになったとのこと。


 えっ何その話?凄くない?そんなことあるの?奇跡ってこうゆうこと言うんじゃない?


 ちなみにその騎士には妹がいて19歳にして婚約者もおらずブライアンと婚姻を結ばせることもしたいと考えているらしい。


 でも6歳下はな〜!


「ブライアン先輩凄いですね!ありえないですよ!」


「まぁな〜、最初なんで俺が異世界にだとかは思ったけど、腰据えること考えたら名前はブライアンでいいかなってなったよ。あー、先輩とかつけなくていいぞーこの世界ではそうゆう文化はないらしいから!」


 順応力が高すぎる…

 コミュ力高い高いとは思ってたけど振り切ってるわこれ。


「ということでちゃんと戦い方学べよ〜、俺は槌の動きがギターに似てる感じだからすぐ出来るようになったけどな!」と言って騎士たちの元に行くと肩組みながら談笑を始めた。


 槌がギター?この人の思考回路が俺にはわからんな。


「あの人すげぇ人だったんだな。あーゆー人が幸せな人っってやつなんだなと思ったよ。」

「同感…」


 ブライアンとの会合を終え本格的な訓練に入る。


 訓練は午前中に剣術や体を鍛える訓練、午後からは魔術の訓練となり男子組と女子組に分かれて実施する。

 女子組は逆ローテだ。


 剣術の訓練についてはイメージ通りの訓練で、素振りから始めて打ち込みして、受けをやり打ち込みし最後は走るって感じであった。


 素振りはやら打ち込みなどは剣道をイメージしてやってみたが能力が付いているためか思い他しっかりと振れていたんじゃないと思う。騎士さんもうんうんと首振ってたしね!


 走り込みについては訓練場回ると思いきや訓練場から脇にある階段のついてる塔を登り、城壁の上を走り反対側から降りて一周、これを5回繰り返すとのことであった。


 階段を全力で登りふと城壁の上から見た景色は絶景で、綺麗な山と谷を眺めていると何休んでんだと怒られてまた走り始めた。


 久々に走ったもんで息は切れたがなんとか5周走り終わったタイミングで気持ち遅めの昼食となった。


 用意されていたのはサンドイッチみたいなパンに謎サラダの野菜と干し肉を挟んだものでパンは硬いため出来る限り薄く切っていた。謎サラダの野菜を少し蒸したのかやんわりとしており、シャキシャキ感はないものの甘味が強く出て悪くない食感となっていた。


 午後からは魔法の訓練だ。


 正確には魔術というらしい。魔法はエルフや魔族が使うもので外にある力を借りて増幅させ魔法に至るが、我々が使うのは内に秘める魔力を使い術となすそうで魔術というらしい。

 魔術は有限、魔法は無限ということだ。


 ごんぞうが"いばらぎけん"と"いばらきけん"みたいなもんだなと真面目な顔で言っているが無視することにした。


 先生は召喚時にいたハルクお爺さんだ。午前中は女性2人だったから張り切っていたようだが午後からは男2人とあって力が入っていない。


「内なる魔力というのは…ごにょごにょであるからしてごにょごにょで、つまりは感じることが第一歩となる」


 よく聞き取れないが魔力を感じる訓練なのかな。とハルクさんに促され座ると坐禅のような格好にさせられる。


 深呼吸をしているうちに背中から魔力を薄く流すので感じることと言われ深呼吸を開始する。

 鼻から吸って口から吐く。その繰り返しで気持ちがどんどんと落ち着いてくる。


 5分も経った頃背中に気配を感じ魔力が送り込まれているかを確認する。


 始めはわからないがなんとなく温かい感じがする。10分程経っただろうか、温かさは増すばかりで気のせいのレベルからとうに超えてもはや熱くなってきた。


 というか熱い、熱くない?えっ熱い熱い!!

「あっつぅぅ〜っ!」と言い前に飛び出るとハルクお爺さんは「どのぐらい持つかのと思ったが意外と早かったの」と言いホホと笑っていた。

 このじじい、やりやがったなと思いながらもグッと我慢するとまもなくしてごんぞうも「爺さん熱いなそろそろ」と言い始めた。


「ごんぞうの方が我慢強いが魔力の親和性が低いようじゃの。たけるは魔力循環まですぐ出来るようになるがごんぞうはもうちょっと同じ訓練じゃな」というと魔力循環の手順を教えにかかった。


 これは温かい魔力を身体中にいき渡らせる訓練で、立って足を肩幅に開き身体から発する温かい魔力を動かしていく。

 先ほど感じた魔力の温かさを身体の中に感じるとこはないかと問われ目を瞑り探してみる。


 そうするとへその下部分、丹田と呼ばれる場所が暖かく感じた。

 ここですかねと伝えるとクシャッと笑い、そうじゃ、やはり成長が早いのとホホとまた笑った。


 ここからは丹田から胴体、腕、足と循環させるだけだからと1人であれこれ試してみた。そのうち時間がきて訓練が終了することとなった。午前中はどうだっか聞くと2人とも循環までいってるとのことだったので安心と少し焦りを感じるのだった。

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