船
3日目の三の鐘が鳴る頃、工程中さすが猫だなと思ったが、毎日ナナミンは寝ていた。
10分ほど剣を振ると寝始め起きて昼を食べ、アヤにコロコロされてると寝始め、夕食時に起きて食べたと思うと「ブヘーーッ!腹一杯にゃ」と言い寝始め、翌朝まで起きず朝食を食べると言った生活を3日間行っていた。3日で起きてた時間1時間ちょいと言う考えられない睡眠時間でポポスに着いていた。
なんか近いにゃね、ポポスはと言った時飯も作らず、見張りをするわけでは無くただただ使えない護衛に腹が立ちゲンコツを食らわすのだった。
ポポスは海沿いで白い壁が海側に向いておりとても綺麗な街だった。
街中では所々で魚が干されていたり、海藻が干されていたりと日本でも昔は見られたであろう風景を眺めることができた。海沿いであるため、多少臭いは気になるが全く問題もなく、この先のバーゲンブルグを思い、笑顔が溢れるのだった。
「うへぇぇ〜おさかにゃがいっぱいにゃ!天国というのはここのことを言うのにゃ!!」猫獣人であるナナミンは市場を見て目を輝かせており、突然食いついたらどうしようかと思うほどであった。
「美味しそうだにゃ〜、食べたいにゃ〜、でもお金ないにゃ〜、誰か買ってくれにゃいかにゃ〜」とチラチラと見てくるので鬱陶しと思い聞いた。
「護衛に差し当たりお金とか貰えなかったのか?」
「貰うことは出来たにゃ!でも貰って廊下に出たら借金取りがいて全部取られたにゃ…絶対貰ったお金の方が多かったのに…利息だといって…あいつら…あいつら…」
「わかったわかった!どれ食べたいんだ?」
「いいにゃ?えっとにゃ、これとこれと、これも捨てがたい、あとこれもいいにゃ〜」
「じゃこれで」
「ありがとうにゃ!タケルのこと好きににゃりそうだにゃ!」
「なんだそれ。あー光栄です」そしてスキップしながら去っていった。
「相変わらず優しいのね」
「まぁ、あいつ自分で借金したんだから自業自得だけどな。国から厄介払いされたようなもんだからな…少しでも笑ってくれれば嬉しいよ!」
遠くにナナミンが動き回ってる。何故か床に這いつくばっており、キョロキョロと床を見て回っているが、そのうち頭を下げながらこちらに戻ってきた。
何だと思えば「お金落としたにゃ…」
な、なにしてんだこいつは…
「そうか…慣れないスキップなんかしてるのが悪いな。まぁ仕方がないからこれどうぞ…今度はしっかり握りしめていくんだぞ!」
「いいのかにゃ?」
「ああ…」
「ありがとうにゃ!タケルのこと好きににゃったにゃ!」
「あーありがとう…」ともう一度繰り返すと買いに行き山となった魚を持ち帰った。
「最高にゃ!これで当分は安泰にゃ!」
「そもそもこんなにいっぱいの魚どうやって保管するんだ?マジックポーチもないし…」
「えっ…あー…考えてにゃかったにゃ…」
「もう、お前にはお金は渡さん!」
「ごめんにゃ!ごめんにゃーーーっ!」と言うわけで無理やり食わせたところ全部食べて宿屋に引き篭もったそうです。
「げふっ!幸せにゃ〜 」
とりあえずナナミンは宿屋に送ったから情報を集めないとと酒場を訪れた。
酒場は時間のせいもあって大した人はいなかったがまずはカウンターで店員さんに話しかけてみる。
「エール二つ!っで少し話出来ますか?」
「なんだうお?」
「うお…?」
「あー…俺たちバーゲンブルグへ向かいたいんだが…」
「無理うお…」
?あー魚のうおか!
「なんでだ?」
「止まってるうお」
するとカウンターの別の席から声が掛かる。
「なんだーにいちゃん達あっちに行きたいのかぎょ?行けねーぜ!今大型のモンスターが途中で出てくるってんで運航止めてるんだぎょ」
ぎょ?なんか…無理やり過ぎない?
「そーですか…行く方法ってないんですかね?」
「あるっちゃーあるがぎょ」チラッ
「それは?教えてください!」
「まぁーあるっちゃーあるんだがぎょ…」ドンっ
「だから教えてください!」
「あるんだがなぁ…」ドンドンっ「喉がおかしいなぁぎょ」
「お願いします!教えて…」
「かぁーーーっエールを寄越せよ!!!何回もドンドン空のグラス鳴らしたんだろうがぎょ!?」
「あ、そゆこと!こちらにエールを…」
「あいようお」
「全くオメェらはなんなんだ一体!礼儀も知らねーしぎょ…」
ンクンクッ!カァーーーッ!
「とりあえず行くことは出来る。ただ海のモンスターを討伐出来ることが条件だぎょ!」
「そのモンスターの名は…?」
「破壊モンスタークラーケンだぎょ!」
「出たな〜海の定番モンスターじゃん」
「なるほどそいつらが足を使って船を沈めにくるわけですね?」
「いや全然違うぎょ」
違うの?「あいつらは全身針だらけでヤケに黒い。剣山を伸ばしてこっちを攻撃してくるんだぎょ」
「えっ?ごめんなさいあのクラーケンってイカの化け物ですよね?」
「イカ?イカってなんだかわからんぎょ。クラーケンはクラーケンだろぎょ。黒くて丸い胴体に針が何本も生えてるやつだぎょ」
それウニじゃん!
「そんなに恐ろしいんですか?」
「ああ、突然船の下から針を伸ばして穴を開けてくる。開いた穴が一つならまだしも10個も20個も開けてくるから沈没しちまうってわけだぎょ」
「なるほど…防ぐ方法はないんですかね?」
「あるぎょ。船首の下に魔石が必要だ。それも小さなではなく大きくクラーケンが恐れるようななぎょ」
「それが付いてるとどうなんですか?」
「魔石はそのモンスターそのものなんだ。だから強いモンスターがいて近寄りたくないとなるぎょ。ちなみに船首に付けるのは進行方向に流れるように付けると微力の魔力が広がり船全体を守ると言われているぎょ」
「そうか…どの程度の魔石ならいいんだろうか…」
「それは大きいやつだぎょ、そんじょそこいらの魔石じゃ無理だぎょ」
「このくらいかしら?」
「この魔石は全く問題ないぎょ!120点だぎょ。こんだけ大きければクラーケンも…」
ブゥーーーーーーッ!!
「きたねっ!何?」
「なななななな、なっ!?なんで魔石持ってるんだ???」
「これは先日討伐したやつの魔石よ」ダンジョンボスのやつか…確かにワープホールで持ってるって言ってたな…
「たまげたな…こんなでかい魔石なんかみたことないぞ。これはお嬢ちゃんが倒したのか?」
「そうね、正確には皆で倒したんだけど」
「この魔石使って構わないのであれば我がポポス漁業組合の力を結集し必ずお前らをあちらに送り届ける!」
なんか語尾のぎょが消えてるんだけど…
「それは安全なんですか?」
「海だからな、100%はねーな。でもそこいらにいる船乗りと比べれば経験もセンスも俺は信じてもらっていい!」
結局選択肢なんか無いに等しい。よろしくお願いします
と海を渡る算段をつけることが出来た。
一歩、また一歩と踏みしめるように地を踏み、そしてバーゲンブルグへの道を共に歩むのだった。




