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異世界はバーゲンブルグから・・・  作者: J.Plum
第三章
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謁見

「改めて私がナナトーナ王国国王である。タケル殿、召喚者達の件はつい先日冒険者の噂話程度では聞いたことがあった。とは言え召喚されたらしいくらいの話で全く信憑性はなかったがな。

 つまるとこ君たちは異世界よりこちらにきた。そのような話で間違いないのだろうか?」

「はい、そうです」


 今は釈放され俺とナナミンは王様よりお言葉をいただいている。

 とても渋く、凛々しき声の王は何故かアヤの膝の上に座りずっと撫でられている。


 そう、王様はウサギ獣人だ。なんとも異世界らしいことではあるがそんなこともあるのかなと思い始めてる自分がいる。


「大体の話はあや様より聞いたぴょん。うぅん…聞いた」

 今ぴょんって言った、絶対言った。

「それで君はこれからどうするんだ?」

「どうするってバーゲンブルグに帰りたいです。道を教えてくれれば勝手に帰ります」

「なるほど、それでは帰りたまえ。以上だ!」

「あっはい…、アヤ、行こう」

「待て!あや様は置いていけ!」

「はぁ?何でですか?」

「そんなの当たり前だろ。あや様を危険な旅などには出す事は出来ん」

「さっきから何なんです?そのアヤ様って」

「あや様はあや様だろうが?!

 そもそもお前のような野蛮な輩にあや様が呼び捨てにされるなど極刑に値するものの、あや様の温情で帰して貰えることをありがたいと思え!」

「王様言い過ぎよ」

「あーごめんぴょん、あっそこそこいいぴょん。ぴょん」


 え、えーっ…

「王様ちょっといいかしらタケルと話して」とこちらに移動してくる。


「ねぇ…この国に移住とか…」

「しないってば、アヤどうした?洗脳されてるのか?」

「されてるわ。洗脳…だってだってうさぎさんも可愛いし、猫さんも犬さんもいっぱいでみんな寄ってくるんだもん。顎撫でると喜んでくれるし。私も癒されるし本当最高なの!」

 アヤって少女趣味なとこあったな…あの極大魔術使ってた時と大違いなんだけど…


「帰るのはどうするの?帰らないの?」

「そんなことないんだけど…もうちょっと楽しみたいと言うか何と言うか…」

 猫カフェ行って帰れなくなるってやつと同じかな…

「わかったとりあえず今日は泊まって明日考えようか…」

「やった!ありがとうタケル!」

「どういたしまして!」

「話は終わったかぴょん」

 返事をして撫で始めると王様は光悦した表情を見せた。

 あの顔見せちゃいけないやつでしょ…


「とりあえずあや様は良いとしてお前は街の宿屋に泊まりなさい。宰相こちらに用意してやれ」

「御意、こちらへどうぞうま」

「うま?じゃアヤ、また明日」

「うん、ありがとう!」

「あっ最後にアヤのネックレスってあるか?」

「これのこと?」

「それ貸してくれないか?紐が切れて向こうに俺の分置いてきたんだ。握って光れば生きてるって伝わるかも知れない!」

「わかった。はい!」と受け取る。そうして謁見は終了し宿屋に向かうことになった。


「宰相さん、王様っていつもあんな感じなんですか?」

「いや、王様は厳格でしっかりとした立派な王だうま。

 あや様のあしらい方が異常だうま。私も先ほど撫でられたのを想像すると…

 ヒヒヒヒィン!

 んんっ失礼…とにかく、あや様は素晴らしき御手をお持ちだうま。我が国では聖女にしたらと話になっているうま」


 アヤ凄いな…カナも凄かったがこれは脱出出来るものなのか?

「ここだうま」

「いらっしゃいくま。あー宰相殿」

「すまんが2名お願い出来るだろうかうま?」

「あーダブルの部屋しか空いてないがいいぞくま」

「よろしく頼むうま。と言うことであとはゆっくりするが良いうま」

「はぁ…宰相と同じ部屋なんですか?」

「何を言ってるうま?」

「いや2名って…もう1人は後ろにいるうまよ」

 後ろを向くとナナミンが立っていて照れ照れしてる顔をしていた。


「いやいやナナミン女の子ですよ?」

「ダブルの部屋しかないのだから仕方ないうま」

「仕方にゃいにゃ。同じベットで寝るのはいいにゃ。ただ発情は勘弁にゃ」

 いやしねーし。

「本人いいならいいけどさ。てか家に帰ればいいじゃん」

「家なんかないにゃ。ボロボロの裏の倉庫で寝てるにゃ…」

「そうか…悪い…」

「謝らにゃいでいいにゃ。仕方にゃいのにゃ」

 なんか色々あったんだろうな…

「とりあえず部屋に行こっか!」

「それではまた明日うま」と言って去っていった。


 にゃんかさっきの行こっかってえっちだにゃと言われながら無視して部屋に入る。

 なんか動物ばかりで疲れたな…と思い横になるとナナミンの尻尾が目の前にフラーフラーと動いている。タイミングを見計らいグッと握るとピギャーーーッと鳴く。


「何をするにゃ!尻尾は愛する人しか触ってはダメにゃ!」

「そうなの?ごめん」

 これは責任を取って貰わないといけにゃいにゃと呟くので無視しておいた。


「さっき悪かったな、家のこと…」

「あっ別にいいにゃ、鼠レースにゃんかにハマったのが運の尽きにゃ」


 鼠レースとは6頭並んでいる鼠の一着二着を当てるギャンブルらしいのだが、たまに鼠が飛び出してくる。飛び出した鼠は捕まえた者の物と言うことでここいらの猫界隈では最高の娯楽になっているそうで給料日に全額突っ込んだら一文無しになり家を追い出されたとのこと。


「あの時あたしも若かったにゃ」

 想像以上にくだらない内容であったが「あの時っていつの話?」

「一昨日スったにゃ、家を追い出されたのは二週間前だにゃ。

 鼠が悪いにゃあんなに振り振り腰振って走り回るから猫には耐えるすべが…聞いてるにゃ?タケルにゃ?」


 こいつ大丈夫かな…そんな人生ならぬ猫生の落伍者を見た気持ちになるタケルだった。

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