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異世界はバーゲンブルグから・・・  作者: J.Plum
第三章
77/113

転移罠

 

 俺も…好きに…


 私も…愛し…


 季節の変わり目というのはとても早く、夏だと思っていると気付けば朝起きるのも憚るような、そして空気が澄んだように感じる、そんな秋となっている。

 夏のうちは青々や緑々としていた山々も次の春に向けてか力を蓄えにかかる。必ず来る冬に向け木々も動物も力を貯めるこの時期を約3ヶ月で迎えることになりそうだ。


「あぶないな…なんだここは…アヤ、大丈夫か?」

「タケル、ごめん、油断しちゃった」

「怪我はないか?」

「うん、それは大丈夫…」

「そうか、それは良かったよ」


 ダンジョンボスであるあいつを倒して地上に戻ろうと思った矢先、見つけた宝箱の罠に嵌ってしまい俺らは転移した。瞬間周りを警戒するも身体を害するような危険な状況はなく安堵すると共に一緒に巻き込まれたアヤを気遣う。


「いや、俺も油断してたからすまない。何故か警戒解除してはいけなかったのに解除していた」

「ううん、考えたらもっと注意して開けるべきだったわ。ボスを倒したから油断してたの。ごめんなさい」とお互いがお互いを思い謝りあった後今の置かれた不思議な状況について話をする。


「しかし、なんなんだここは?」

 七色のパイプのような場所で身体が浮いていて一方に流れているような感覚を覚えた。


「タケルはわからないわよね。ここは転移の空間、私はワープホールと呼んでいるわ」

「ワープホール?」

「転移を使うと目標となる場所、正確には魔力を込めたものがある場所ね。そこに移動するんだけど、その時の通り道、それがワープホールよ」

「なるほど、では俺らは転移の魔術の罠にかかったということなのかな」

「確証は持てないけどおそらくはそうね」

「アヤは通ったことあるのか?」

「先ほども通ったわよ、タケルのとこに来る時も。10分ほどだったかしら?」

 よく考えれば絶望の中ネックレスを握り覚悟してから戦っていた。その後、ある程度経ってからアヤが現れたからそうゆうことなんだろう。


「なるほど、この時間は何で決まるんだ?」

「正直検証も何もしてないからわからないけど、仮説はある。」

「仮説?」

「うん、それは移動する距離によるということよ。私がタケルのところに向かって約10分、この距離を馬車5日分と仮定すると、ここから移動した時間で大体の距離がわかると思うのよ」

「なるほど、距離と時間が関係してくるなら間違いないかもな」

「いづれにしてもあと数分で到着するんじゃない?そんなに長く転移するなんて聞いたことも読んだこともないもの。まぁ、待ちましょ!」

「そうだな、特段できることもなさそうだ」

 と言うことで目的地はわからないものの到着するまで待つこととなった。


 今思うのはボスにやられボロボロになり、寝てしまっていたビビのことが気になった。ごんぞうに預けたから大丈夫だとは思うが…なんとか無事でいて欲しい。


 電話もない、メールもないこの世界だからすぐ連絡を取ることは出来ないが、寂しがらず過ごしていてくれることを願うばかりだ。


「ちなみに俺不意打ちだったから剣くらいしか持ってないわ」

「私はボスからドロップした魔石と宝箱にあった回復薬は持っているわ」

「そうか…着いたらすぐバーデンブルグに戻る手筈を整えないと…」

 変なとこ落ちなければいいなぁと思い転移するのだった…


 だった…


 だった…


「なんかさ…」

「うん…」

「長くない?」

「長い」

「もう60分くらい飛んでる気がするんだけど…」

「そうだね。こんな長く飛ぶこともあるんだね」

「そ、そうだな…」


 そうすると終わりが見えてきた。


「あ、あれ!」

「到着ね!」

「さて、どんなとこに出るのやら…」


 と、ワープホールから飛び出した瞬間、目の前には猫がいた。正確には猫のような人?


「何にゃ??何があったにゃ??にゃ??」

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