出発
三の鐘が鳴り勇者が城前に集まる。
皆装備を万全に揃え出発の準備が整っている。
が、先程まで倒してもないモンスター討伐の罪を着せられ、取り調べしてた関係で俺だけなんの準備も出来てなかった。
「おい、タケルおめぇ随分軽装だな。旅舐めてんじゃねぇか?」
「皆心の準備までしてここに立っているのに残念だな」
「一応ベットに置いてた装備は持ってきて馬車に入れといたです」
俺だってこんなことになるなんて思ってなかったよ…
「大変申し訳ございませんでした…」
よく考えたらなんも買ってねーし。何やってんだ俺は…
「装備を付けるのはまぁ馬車でも出来るか!よし行くか!?」
「待て待て!」と声が掛かる。
見るとハルク爺さんだ。
隣には魔術部の方がいてロープを握っている。その先はハルク爺さんの腰に巻いてある。
どんだけ信じられてないんだよ。
「どうも、お見送りにきてくれたんですか?」
「いや、違う」違うんかい。
「能力の更新をせねばと思っての。初期値から更新してないじゃろ?」
「そういえばそうだな…ビビはして貰ったけど俺らはまだですね」
「よし、それではいくぞい」
ゴニョゴニョと詠唱を始める。
だんだん聞き慣れてくる詠唱だなと思うが3分ほど掛かるので覚える気はない。
光りそして収まっていく。
「次にカードじゃ」各々カードを出すと詠唱を始め更新が終わった。
「どうじゃ?」
「おっ更新されてるようだ!あとで馬車で見て見るよ!」
「そうじゃな!これから冬になる。そちらはわからんがこちらの冬は大変厳しいから気をつけるんじゃぞ」
「あぁ、ありがとう!」そう伝えるとロープを引っ張られ連れて行かれるようであった。
よく見るとほつれて…あっ逃げた…あ、あぁ〜・・・
「と言うことで改めまして…」
「待って待って」と声が掛かる。また?と見るとアヤがこちらに向かってくる。
「行ってくるぞアヤ!」そう伝えると「はい」と何かを受け取る。
お守りかと思えばそれはネックレスだった。
「これは?」
「髪留めのお礼渡してなかったし…まぁ頑張ってという気持ちだよ」
買ってる様子はなかったから用意してくれてたんだな。
ありがとうと言うと首につけてみる。気持ち大きな宝石のついたネックレスだが、アヤの心配する気持ちが詰まっている気がして堪らなく嬉しかった。
「あのタケル?」「んっ?」
「さっきはありがとうね。街中で絡まれた時もモンスターが走ってきた時も」
「いや全然、結局力にはなれなかったし」
「守ってくれたってだけで嬉しいんだよ。
あのさ、私さっきあの薬買ってたでしょ?」
あのやべーやつな。
「あぁ…あれね」
「この世界何かと心配でしょ?なんていうか…男の人に何かされたらとか…さ。
やっぱ初めては好きな人に貰って欲しいからね。
だからもし何かあっても自分で自分を守れるように買ったんだよ!
だからね…。タケル戻るまで、守っておくからね!
じゃーね!」
え゛?
俺戻るまで守る??
俺戻ったら??
戻ったらどうなの??
どうなるのぉぉぉ??
そうして走って去っていった。
アヤってやっぱり俺のことが??
えへへへへへっ!!!
ありがとう〜神様ーーーっ!!!
ル
ケル…
タケル!
「おいっ!タケル!」
「ゔぁっ!ごんぞう!意識飛んでた」
「おいおいしっかりしてくれよ。旅立ちだぞ??」
「あぁすまん」
「全くこれだから軟弱な男はダメなんだ。いいか、男は黙って動くもんなんだ。そんなヒヨヒヨ言ってるとすぐ死んじまうんだからな!しっかりしてくれよ」
「あぁ…すまなかったな。もう大丈夫だ」
「よし、これから出発だ!」「「おう!」」
そうして俺ら硬派な男達+ビビは旅立つのだった。
「改めてよろしく頼む!」
「メメメメメメッ」
「メルシーさん!あれどうして?」
「どうしてって聞いてないのか?途中まで一緒に行こうとブライアン殿には言っておいたのだが?」
「あっ俺言ってねーや」
「ごんぞう殿もよろしく頼む」
「はひっヨロロクオレライヒマフヘホ、ヒヨヒヨ」
お前…
とそうして硬派纏い軟派な男達は旅立ったのだった。




