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異世界はバーゲンブルグから・・・  作者: J.Plum
第一章
46/113

次の目的地は

 日本だとそろそろ秋が近づいてくる頃だなと思う、朝方肌寒く感じる日が増えてきた日、俺らは次の旅に向け出発するのだった。


「だからさ、言ってるじゃん。無理だって…。

私カナとは良い友達のままでいたいんだって。そんなことに巻き込まれたら下手すれば共倒れよ!」

「わかってる!わかってるけど…頼むよ!こっちはジョセフィーヌのこともあるしヤバいんだって」

「知らないわよ!どちらもあんたがやったことなんだから責任取りなさい!」


 翌朝になるもカナへの擬似プロポーズについては解決の糸口は見えてない。

 タケルはアヤと話しなんとか事態の収拾をつけるべく話をしていた。


「そもそもさ、カナにだけ指輪あげちゃってさ。私にはないの?」

「いやカナが聖皇国に行くプレゼントなんだからあるわけないじゃん」

「信じらんない…もういい!」

「一応持ってはいるけどこれはビビに渡そうと思って…」とカバンから取り出す。

 突然自分の名前が出たものでビビは驚くも顔を隠し指輪を見つめている。


「ビビちゃん、この人見境ないから気を付けないとダメよ。女の敵よ!」

「やめろ!人を人でなしみたいに言うな!」

「だってそうじゃない?可哀想なカナ、知らされた時の顔想像するだけで泣けてくる」

「…どうにもならないかな…」

「そうね。逆にすぐには言わないほうがいいかもしれないわね。これから更に不安な日々が始まるというのに谷底に落とすようなものだから」

「た、谷底て…」


「はぁ、…まぁなんとなくだけど手紙出して聞いてみるから少し待ってて。断るだのは関わるつもりは全くないけど聞くくらいは手伝ってあげる。カナは幸せになってほしいと思ってるもん」

「本当か?ありがとう!アヤのそうゆうとこ大好きだぞ!」

「だから大好きとか平気で言うから変な感じになるんだ!自重しろ!!」

 そう話すとプンスカプンスカ言いそうな雰囲気で場を去るのだった。


「うん、この件についてはとりあえず塩漬けだな」

「シオ…?なんです?」

「いやなんでもない…」今後どのようになるのかは神のみぞ知ると言う感じで話を終えた。


 所が変わり朝食会場にはブライアンがいた。

 そもそも召喚当時からブライアンは騎士団と共にいた関係で食事をするのは初めてだ。

「お前も難儀なことだな。面倒臭い状況で困ったもんだ」

「はい、ただ自分のせいというのはなんとなくわかりますからなんも言えないですよ」

「恋愛に関するトラブル男って漫画でしか見たことねぇけど本当にいるんだな…」

「俺だって会ったことないっすよ‥今回だって偶然が偶然を重ねた結果必然求められてますからね」

「まぁな…。それはそうと、なぁクラータル領に来ないか?それを伝えたくて残ったんだが」


 聞くとブライアンが現在滞在している場所でここから馬車で5日ほどの場所にあるとのこと。

 クラータル領とはブライアンが訓練がてら滞在している地である。

 ここにいる騎士の父親が収めている領地で山間部に位置しているらしい。

 近年モンスターの増加が激しく困っていたということでブライアンが向かったのだが…


「突然どうしたんです?」

「いや実はクラータル領にはバーゲンブルグにはないダンジョンがあってな、一緒に回らないかと思ったんだ!」

 なるほど、ついに来たかダンジョン探索…熟練度上げるにも良いかもしれないな。


「最高階層はどうなんですか?何階まであるかわかりますか?」

「10階、25階、99階の3つある。99階のは狭いが深く昔の昔に一度行ったと記録があるが以降は到達すら出来ていない」との話だ。


「なるほどな…ごんぞうどう思う?」

「お前はグラファート領行かなくても大丈夫なのか?」

「ああ…まぁ大丈夫だろ。焦って行っても仕方がないからな」

「なら、俺は問題ない」

「よし、決まりだ!明日には出たいと思うがどうだ?」

「早いな…。まぁなんの予定もないし俺は良いぞ!」ごんぞうはコクリと頷く。


「アヤも誘ってやろう」と言って食堂を出たのだった。

 アヤは訓練場にも部屋にもいなく、どこ確認しても会うことが出来なかったので非常に困ったが、夕飯では合流するから問題ないだろうとビビの準備を進めることにした。


 夕飯どきに食堂に向かうとアヤがいたので話しかける。

「アヤどこに行ってたんだよ、アヤに会いたくて探したんだぞ。あれ…なんか顔が赤い…風邪か?」

「違うわよ!!なに?!」

「次の旅についてなんだが…ブライアンからクラータル領に来ないかと言われたので一緒に行かないか?」


 そう言われると気持ち考え込むアヤだったが

「あー…、食べた後に言おうと思ってたんだけど…実はね…」


 バンッ!


「ここからは私が話をしよう!」騎士さんことグレゴールさんだ。


 バーゲンブルグ国に仕える騎士団の団長を務め俺らの剣技の先生を兼任するが、俺とごんぞうに取ってはただの嘘つきだ。


「あぁどうも騎士様、お久しぶりですね…お元気そうで!何よりです!」

「あぁ…、いやはやタケル殿は的確に相手に追い詰める才能がありますな。追求というスキルはお持ちで?」


持ってねーよ。


「過去に色々あれど同じ釜の飯を食った仲、仲良くしましょうぞ!」

「はぁ…まぁ極刑にはなってないし、もういいけどさ…で?話とは?」


「はい。実は少しトラブルがありまして騎士が大量に退職すると言う事態が起こりまして…一身上の都合と言われてしまい理由は聞けず、蓋を開けてみたら、かな殿へついて行くとのこと。

その事を知ったのが退職を受理した後だったのですべてが手遅れとなり、騎士が足りない状態となっております…」


 やっぱりな!28人は異常だよ。そんなにいるの?って思ったもん。


「城の警備については残った騎士らで補充されるまでの間多めに勤務させればなんとかなりますが、この時期にある冬場前の討伐がまずいことになりそうなのです」


 ははぁ〜なるほどね。確かにベルク村に行く時は気持ち早いとは言ってたよな。


「なるほどですね。つまり我々の力を借りたいと?」

「全然違いますぞ?」


 違うんかい!恥ずかしっ!


「そもそもお二人は男爵殿ですからね、私なんかよりも上なんです。だからたかが騎士団長ごときが声を掛けて帯同させようなんて恐れ多いですよ」

「はぁ・・・じゃ何なんです?」

「お借りしたいのはあや殿です。騎士団を纏めてではなく分散して配置し討伐するとしてやはり重要なのが火力です。人数でカバーできないのなら魔術でと考えたわけですな」

「なるほど」

「ここからは私が話すわ。カナも訓練で聖皇国に行き自分を高めようと頑張ってる。私はカナと、タケルさん・・・いえ、タケルやごんぞうと対等でいたい!だからこのままではダメだって。そう考えたのよ」


 今まで頑なに守ってたさん付けも取れている。彼女も成長しようとしてるんだな。


「だから…ここからはお別れね…。私は騎士達と行く。クラータル領には行かないわ」


 …食堂に沈黙が訪れる…


 女性って強いな。男なんて夢見るだけで未来なんて大して考えてないもんな。

 年齢の問題じゃない。彼女らはこの異世界へ転移して急速に進化している。


「…グレゴールさん。まぁ色々ありましたけど、それはもういいです。頼みます、アヤを。必ず守ってほしい。俺らの大切な仲間なんです。だから、お願いします」と頭を下げる。


「たける殿の想いは受け取りましょう!必ず守りそして更に強くさせると誓いましょう!」

「ごんぞうもいいだろ?」「ああ…」

「うん、アヤ。俺らは理解した。俺らはクラータル領に行き、アヤはバーデンブルグで、お互い強くなろう!」

「うん」

「俺らの最終目標は覚えているか?」

「魔石を集めて現代に帰ること!」

「そうだ。別々の道を歩くけど行き着く先は同じだ。だから…頑張ろう!」

「ええ、頑張りましょう!私も位階10の魔術を取得してタケルを安心させてあげるから!」

「あまり無理はするなよ…アヤは俺に取って大切な人だからさ。傷なんて付いたら俺耐えられないよ」

「あんた、今朝方に私言ったことなんにも理解してないでしょ?」

「何が?」

「はぁ…もういいわ…じゃ夕食にしましょ」


 アヤの離脱が決まった。


 出会いもあれば別れもある。

 別れの悲しみは人を強くし、立ち直ることで人として大きくする。

 人は人が育てる。だから俺らは生きて色々な人に出会って強くなって行くんだ。


 ただ、今だけは別れを考えず楽しく過ごそう。

 必ずまた会えるのだから。。。

ということで第一章完結です。

次回あとがきです。

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