聖皇国へ
プレゼント渡すの忘れてた…
今更渡しに行けねーよ、あの雰囲気のあとで…
何してんだ俺は…。まぁ、明日の出発前だな…
部屋に戻り明日の朝まで寝ることにする。ビビ、歯を磨けよと声を掛けその日は就寝したのだった
翌朝、朝早くから目覚めた俺はストレッチのようなことをし早く目覚めるようにしていく。
ビビと連れ立って朝食を食べに行くが皆の姿を見ることはなかった。
刻々とカナの出発の時間が迫る。
そろそら良い頃合いかなと正面入り口に向かうと親衛隊が大きな荷物を背負い隊列を組んでいた。
カバンから見えるのはナベや寝袋といった生活用品がほとんどだ。
が、あれ?あの薄くて丸いのってうちわ持ってない?とカバンに刺さっている物の中にうちわっぽいものがあり見ると
聖女カナ!愛してる!
と描いてある。
なんか色々と残念なことである。よく見ると1人1グッズは必ずと言って良いほどカバンから見えており、こいつらに任せて本当に大丈夫かと思わせる騎士達だった。
程なくして聖皇国側の馬車が到着し待機し皇后が姿を表す。
「これはたける男爵ご機嫌よう。お聞きしてるとは思いますがカナ殿をお迎えに参りました」
「お世話様です。カナをよろしくお願い申し上げます」と言い頭を下げる。
王様と宰相さんも現れ挨拶を交わしていると正面奥の廊下よりアヤに連れられカナが姿を現した。
その姿は真っ白な修道服に身を包みシャナリシャナリと歩きとても綺麗で目を見張った。
視線は斜め下に向け歩くので清楚という言葉がよく似合うほど美しき聖女感が出ており、彼女なりの覚悟と意思を感じるのだった。
皇后の元に向かい、跪くと
「カナ、ただいま参りました」と言った。
「準備はよろしいのですか」の声に頷くとこちらに向かい一礼をすると降り返り馬車に向かって歩き始める。
綺麗だな〜と見てたらプレゼント渡してねぇ!と急遽声を掛ける。
「待ってくれカナ!」俺はカナの方に向かい走り出す。
カナがこちらを振り向くと薄らと涙が滲んでいた。
近くに来るとスピードを弱めるも石畳に足を引っ掛けズサッと跪いてしまった。
そのままの姿勢で「これプレゼントだ」と言ってケースを持ち、そして上下に開く。
中には指輪があり、カナを見ると目を見開きいつものカナの表情を見ることが出来た。
「えっどゆこと??」
「これ、受け取って欲しいんだ!俺の気持ちだ!」と言うと真っ赤な顔で俯く。
後ろからは声無き親衛隊のギリギリギリとした声が聞こえる気がする。
カナは右手を出したので指輪をケースから出し確認させてから薬指にはめた。
付けた瞬間から両手で顔を隠し涙を流す。そしてカナは言う。
「ありがとう…気持ちは受け取ったからね」
「あぁ!頑張って来い!」と伝えると降り返り馬車に乗り込むカナを見つめ、そしてカナは旅立って行ったのだった。




