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異世界はバーゲンブルグから・・・  作者: J.Plum
第一章
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装備購入

 街はあいにくの天気にも関わらず晴れやかな顔の人で溢れていた。

 時間としては夕食準備なのかな?妙齢の奥様方が多くなかなかに歩き辛い状況となっている。


 流行ってそうだなと思う飲食店の斜向かいに武器屋があった。

 ごめんくださいと中に入ると愛想の悪い叔父さんがカウンターの中にいた。


「らっしゃい」

 そう声が掛かるも動く様子はない。顔や身長を見るとなんとなくドワーフなんだろうなと思った。


 中に入ると武器が並んでいる。よく考えたら初武器屋だと思い見渡すとRPGと違い色々な武器が陳列されている。


 タケルの立った一番手前側には手頃な剣並べられた場所があり、色的にあの剣は銅の剣って感じだなと思わせた。

 その他にもバトルアックスと竹の槍もあるな。モーニングスターって実戦で使う人いるんかな…などと思いながら、初の武器屋ということでキョロキョロとしていたのを怪しまれたのか黙々と作業していた店員が何かお探しでと顔をあげてきた。


「あーこの子が使う短剣と投擲出来るようなものがあれば欲しいんですが?」

「短剣はこっちだ。投擲は数は少ないんだがな、この2種類」


 投擲については手首に巻きつける皮ケースにどちらも入っているが、一方はただの太い針のようなもの。もう一つは紙飛行機型の鉄だな。値段は針のようなもののほうが安い。


「嬢ちゃん素人だろ?そしたらこっちの方が狙いやすい。こっちは方向指示ついてるようなものだからまっすぐ飛ぶんだ。針だと速度遅いと縦になってしまいダメージが通らない。使い捨てではなく修理も効くし刺したら引っこ抜いてまた使える。悪くないぞ」

 聞けばそっちの方が良さそうだなと紙飛行機型を購入することにした。


「どう使うんですか?」

「これは指の間に挟む感じで構えて飛ばすイメージだ。庭で教えてやるよ」

 と重そうな足を持ち上げ庭の方に歩いて行った。


 庭に着いてビビが呼ばれる。「まずピースしてみと言われる」

 ピースとするも笑顔はいらんと言われつつそこに武器をあてがわれる。

「ピースを閉じてくれ」と閉じると固定され準備完了。

「あとは腰高くらいから横に滑らせる感じで標的使って投げる感じだ、あそこに木があるからやってみろ」


 腰高に構えてヤッ!と掛け声で放つと一発で木のど真ん中に命中、キャイキャイと喜んだ。


 5本あって4本命中、当たらなかった1本も指1本ほどズレただけでほぼ当たってるようなものだ。スキル投擲すげーな…


「とまぁこんな感じだ。

 使い終わったら油を少し垂らして磨いておけば長く使えるぞ」と言われ講義を終える。


 店に戻り短剣を選ぶも投擲武器が少し高めだったので頑丈で1番安いものを選択した。


「ある程度使ったらメンテナンスに来い。せっかく買ったのに壊してしまっては仕方ないからな」

 お礼をいい、次は防具屋に向かう。ビビはまだ小さいからしっかりとした防具は揃えてやりたい。


「いらっしゃい」

 防具屋についてもマネキンなどはないが様々な防具が並んでいる。

 鉄のネットのようなものやフルプレートアーマーというやつだ。この子に防具を選んでいると伝え、斥候の能力を得たためスピード活かせる装備をお願いしたいと言う。そうすると皮の胸当てを紹介された。


 肩には小さな肩当てと胸の部分を隠すように皮が張られており、通常の鎧と比べると軽くて動きやすいってのがわかる。

 よくわかるけど、これ守れるの?すげー不安なんだけど…


「もっと手厚くしてもらえないですか?」「これより手厚くすると普通の鎧となってしまいますね。まだ身体が小さいから普通の鎧はオーダーメイドになりますがそれでも良ければ…」

「流石にそんなにお金持ってわけではないな・・・」

「んーっ…あとは補助効果のある指輪とかつけるとかですね」

 指輪!?とビビは尻尾と耳を立てながら反応する。


 出してもらったのは回復小の指輪と防御結界小の指輪、スピードアップ中の靴だ。

「靴ください」と伝えた瞬間のビビの唖然した顔は忘れられないくらいだが、だって効果低いんだもん…


 ビビが皮の鎧や靴をつけるため着替え室に行った時に残りの指輪を見せて貰う。


 回復小の指輪は青い小さな魔石が嵌められている。小さな魔石のため見た目重視というよりは普段使い用である。戦闘用と言っても良いかと思う。


「これどのくらい回復するんですか?」

「聞いているのは指輪を付け三日三晩寝ると骨折は治るらしい」

 んーっ表現が独特…わからん。けど戦って負った切り傷とかは治りそうだな。ビビには痛い思いさせたくないし買っておくか!


 次に防御結界小だ。こちらは茶みがかり霞がかりあまり綺麗とは言えない魔石が組み込まれている。ただ良く見る類の色でゴツゴツしているわけではなくこちらと戦闘用のようだ。魔石は外側に3個付いている。三つ並びなので見た目が良い。


「これはどんな結界が張られるんですか?」

「エールを頼むと上に泡が乗る。その泡は小さな紙は上に乗るが大きな紙は乗ることはない」

 詩的な表現!よくわからんな。つまり大きな石は通してしまうが小さな石は通さない時いうことかな。こちらもちょっとした切り傷に関しても防御出来そうだな。


「よし、2つとも買います!」「毎度あり!」

「1個はプレゼントなんですけどケースみたいなのがありませんか?」

「ありますよ。いっぱい買ってくれたからケースはサービスしときます」と言い梱包してくれた。


 煌びやかなレースがあしらわれたケースで随分なおっさんが出してきたにしては可愛すぎるでしょと思ったが黙ってカバンに仕舞った。


 仕舞って少しするとビビが試着室から出てきた。

「おぉー斥候っぽいな!素早そうだ!」

「似合う?ビビ可愛いです?」

「可愛い?というよりはキュートって感じだな!まぁ可愛いだ!」というとピョンピョンと跳ねて喜んでいた。

「肩当てと胸当ては時折油を垂らさないとガピガピに乾いてしまうから注意してください。乾きすぎると修理が効かなくなります」

「わかった、ありがとう」と伝えてからお金を払いお店を出ることになった。


 買うもの買ったから帰るかと思ったが、せっかくきたんだから少しぶらつこうと歩いていく。


 裾をクイクイと引っ張られるような感覚に気付くとビビがこちらを見上げて「あれ食べたいです」と言った。

 左手を見ると結構な行列が出来ていた。


 俺は行列が好きではない。むしろ並んだ記憶すら朧げだ。

 安くて美味いだが行列と、可もなく不可もないでも並ばない店が隣り合ってあったら迷うことなく後者を選んだだろう。


 並びたくない…と思いつつビビを見る。

 俺を見上げビビは言う。

「タケルもう行こ、ビビ我慢する…」

「何言ってんだ〜!行くに決まってんだろ!よし、最後列にどちらが先に着くか勝負だ〜」と走り出す!


 確かに日本でも行列には子供連れ多かったもんなと思い走るのだった。


「ビビが一番!タケル遅い!」

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