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異世界はバーゲンブルグから・・・  作者: J.Plum
第一章
39/113

ビビの能力付与

 朝食後は気持ちダラダラと過ごしていたが、昼食を食べたら街に出掛けることにした。


 内容はビビの装備を買うのとカナに何かあげたいと思ったから市場視察だ。


 アヤも誘ったがやることがあると断られてしまった。

 ごんぞうは身体を動かして病みを祓うとの話をしていた。逃げるためにはさらに筋肉を仕上げるとか言ってたけど全部聞かず外に出ることにした。


 今日は雨は降っていないものの気持ち天気が不機嫌模様だ。雨は降らないとは思うがなんとなく気分は晴れることはない。


 まずはビビの能力付与からだなとハルク爺さんの元に向かう。

 ハルク爺さん、グレゴールさんに金貨返したのかな?と呟く。


 ちなみにグレゴールさんというのは騎士さんのことだ。いい加減名前覚えないとと事のついでに聞いたら言っていたので覚えておく。


 中庭を越えると魔術部の入り口となるためビビを連れ立って歩く。

 軽いノックを2.3度叩き扉を開けると宮廷魔術師が何名かいて手を光らせていた。


「これはこれはたける男爵殿、こちらへはどうなされたか?」

「ハルク爺さんに話があったのですが…」

「それならこちらです」と奥に歩き階段を登り2階のある部屋に案内された。

「こちらです。終わったら声掛けてください。一階は危険な薬物があったりしますので同行するのが決まりなので、それでは」と一階に降りて行った。

 扉をノックをすると返答があったので入室する。


「ハルク爺さんこんにちわ」

「おうたける殿か?今はたける男爵じゃの?」

 そういえばこの人もドラゴンスレイヤー事件の当事者だったなとは思うが、もうもはやどうでも良くなっている。

「どうじゃかっこよかったじゃろ?」ププとした顔を見てイラっとしたがそんなことでは怒らないよ俺は。


「ですね。小説家になれるんじゃないかなと思ったくらいですよ。おかげさまであのセリフ言えだのドラゴンスラッシュ撃ってくれだの非常に迷惑しております」

「悪かったの。ただお主らが無駄死にしたと言うのが居た堪れなかったのじゃよ」

 そうか…結果的にこうはなったけど、俺らあのタイミングでは死んでると思っても差し支えなかったしな。「いやご迷惑お掛けしました」

「でもあの剣の錆にしてくれるは言い過ぎじゃったの。まぁワシのことじゃないしどうでもいいが…」

 このジジィ殺したろかマジで!?


「それより何じゃ一体?」

「あ、あーこっちにいるのはビビと言って旅で出会ったんだ。出来れば一緒に戦いたいと思うので能力付与のやつやってもらえないかなと来てみたんだ」

「なるほどの。でもワシは国のお抱え魔術師じゃからの、国の要請がないと魔術を行使できないんじゃよ」

「ではダメですか?お願いできませんか?」

「いいじゃろこっちに来い」

 出来るのかよ!なんなんだ国の要請がどーのこーのって!


「可愛い子じゃな。何歳なの?お名前は?欲しいものなんでも買ってあげるぞい」

「ありがとうございました。もう結構です!」

「嘘じゃ嘘!死にかけジジイのお遊びじゃて!」

「本当ですか?」

「当たり前じゃよ、全く最近の若者は冗談も通じんな」

「ちゃんとやってください!しっかりと!」

「わかったわかった。それではいくぞいと詠唱を始めた。ゴニョゴニョ言っていてよくわからないが、この前の流れと似ているので問題ないだろう。3分ほど詠唱していただろうか魔術が消えていく。

 ちょっとまってくれとごそごそと机を漁り、底の方にあるカードを手渡してくる。

「あったあった。このカードに手を当ててくれ」といい再度詠唱しカードの焼き付けが完了した。

「終了じゃ見てやってくれ」


 牛角屋 ビビ

     短剣 2

     投擲 2

     索敵

     警戒

     潜伏


「おぉーこれは斥候のスキルだな!」

「どう?ビビ凄いです?凄いです?」「凄いぞ!俺らに完全に足りないスキルがある!ビビ凄いぞ!」と高い高いしてあげる。


 ふふってハルク爺さんが笑うが

「色々なスキルが有っても死ぬ時は死ぬ。たける男爵、この子をそのような目に遭わす事のないようにの」と言われ黙って頷くのだった。



「さて、ここは魔術部じゃからの。一階は危険ゆえ同行なしでは歩けんようになっておるんじゃよ」

「言ってましたね。声を掛けてくれと言われましたが?」

「儂がいく」

「いいんですか?ありがとうございます!」と言って廊下に出る。


 薄暗い階段を降りていくとハルク爺さんが話しかけてくる。


「スキルはの、使えば使うほど熟練度が上がるんじゃ。例えば斥候の場合は短剣のスキルがあるがこれは短剣のスキルなんじゃ」

「はぁ…?」何言ってんだ?歩きながら出口に向かって歩きつつ話をしているが何が言いたいのかよくわからない。

「つまりはな短剣は短剣であるからしてな、つまり斥候というのは斥候であり、成功じゃーーーっ!ひぃぃぃはぁぁぁぁーー!!!」と言って中庭を駆け抜けていく。


「逃げたぞ!ジジィ逃げた!今日中に終わらせないと納品遅れるぞ!」「早く捕まえろ!」「なんで80超えてんのにあんなに速いんだ!」と言うと皆部屋を飛び出していく。


「たける殿?!何で逃してしまったんですか?!せっかく閉じ込めて作業できるようにしてたのに…」

「いや…同行しないと出れないというし…一緒に行くと言ってくれたから…」

「騙されたんですね。あのジジイほっといたらなんの仕事もせずに遊び呆けてるから無理やり連れ込まないとダメなんです。本当悪知恵ばかり働くから…私も捕まえに行きますので失礼」と言い飛び出していった。


 呆気に取られ立ち尽くすもビビに行くか?と言うとはいですと言った。


 次は城下町へ行くことになっている。

 裏門を通り城の周りを歩く。途中の中央広場から続いているであろう水の通り道を眺め、小鳥が水浴びしているのを見ていた。「あっ鳥の親子です。仲良さそうです」仲良さそうだなと微笑んだ。


 街を行く時間がゆっくりと過ぎ心地よい時間に思えてくるのがたまらなく嬉しかった。


 中央広場に行くと今日もいつもと変わらない光景だ。

 周りのベンチを見たところ先日のお爺さんがいたので挨拶した。

「こんにちわ!」「あーこの前の、こんにちわ!こちらの可愛いお嬢さんは奥さんかな?」

「いえ違い…」

「そうです」

 えっ…?

「そうかいそうかい。仲良く幸せにね!」

「はいです」

「いや、ビビさん?」と言うと真顔だ。あれ?俺聞き間違えたかな?


 中央広場前の屋台を回るとこれまた先日の髪飾りの場所にたどり着いたので挨拶した。

「こんにちわ!」「この前のお兄さん!こんにちわ!先日は買ってくれてありがとうね!」

「いえいえとんでもないです!あげた人は喜んでましたよ!」

「嬉しいね〜それはそうと隣は奥さんなのかい?」

「いやちが…」

「そうです」

「あらー可愛い奥さんね!」

「はいです」

「いや、ビビさん??」

「奥さんの髪型だとこの辺だと合うんじゃないかな?」

「買いますです」

「ビビさん??」

「毎度あり!この前と同じでいいよ。銀貨5枚、いや4枚でいいよ」

「タケル?お金です」

 ちょっとなんなの?全然聞き違えじゃねーじゃん。

「ありがとね!2人お幸せにね!」

「はい、幸せになりますです」と手を引かれ歩きだす。


「ちょっと…どゆこと?」と聞くと一度こっちを見てからすぐ目を逸らす。

「嘘言ったらダメじゃないか??」「嘘じゃないです。遅かれ早かれの話です」

「おまえそれ誰に習ったんだ?」「カナ殿です」

 あのやろ!


「いいかいビビ、奥さんと言うのは今後に出来る大切な人に向けて使うものなんだよ」

「できましたです。タケルです」

「ありがとう。でもそれは大切と言っても家族としての大切だろ?」

「はい、家族です!」

「でも俺の言ってるのは伴侶としての…」

「はい!伴侶です!」

「だから家族と伴侶は一緒なんだけど違うんだな〜」

「だから伴侶であり家族です!」

「家族としての見てくれるなんて嬉しいよ俺は」と頭を撫でる。

「なんでわからないのです??これだから鈍感な男はってやつなのです!」

 と言って頬を膨らませるのだった。

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