カナ親衛隊解散
カナは聖皇国に行くこととなった。
出発は明日、皇后共に向かうそうだ。
早い出発ではあるが、皇后の予定もあるので前倒しとなることとなった。
朝、ごんぞうを除く全員がいる席で話をした。
笑顔で報告していたのが印象的で今わかってる魔術の他見つかってないものも全て私が見つけてやると言って張り切っている。
聖皇国はここから馬車で2週間程かかる場所で非常に遠い位置にある。
今回昼食会にいたのは何故となったが、昼食会がたまたま日程が合ったようで、バーゲンブルグ国に聖女が現れたと聞きスカウトの旅に出たそうである。
昨晩のうちに聖皇国に向かうと伝えたところ朝起きたときには了承の連絡があり、朝食時の通知となったとのこと。
アヤも昨晩のうちに聞き内容は理解していたようだ。
ここで衝撃を受けたのはカナ親衛隊である。
彼らは事前に知らされることがなかったのである騎士がたまたま厨房に朝食を取りにきた時にこの件を耳にし、取りにきた朝食も受け取らず廊下を走っていったそうで、俺らが朝食終わりで廊下を歩いている時に全員集合となったようだ。
「かな殿?!何か良からぬ噂を耳にしまして…」「私も信じられない話を聞いて慌ててこちらに…」「某も驚きが隠せぬ話を…」
某って侍かよと思うも人数の多さに圧倒される。
何人いるんだこれ、パッと見15人はいるぞ?
「かな殿?!まさか…聖皇国へ行ってしまわれるってそんな馬鹿な話はないですよね??そんな噂を流した馬鹿は私が必ず探し出し我が剣の鯖にしてくれようかと…」
「本当よ?」
「かな殿?冗談が過ぎますぞ〜!同盟国とは言え聖皇国に行くなんて…」
「本当よ?」
「我々も聖皇国までは流石には…まさか今回の使節団と共に向こうに行かれるというのは誠の話で…」
「本当よ?」
「あっぎふぇなはら…」
「本当よ?」
ガシャガシャガシャーンと鎧ごと落ちる音がし全ての人が崩れ落ちていた。
大丈夫か?と思ったがカナは一度目を向けたものの手を差し伸べるわけではなくそのまま廊下を歩いていく。
いいのか?と思ったらこちらに背を向けた状態でカナが喋り始める。
「立ちなさい騎士達よ。あたしはこれから聖皇国にいき修行の日々を送ります。モンスターの住まう地を赴き、各神殿を周り魔術の取得に励む日々となります。
危険な旅になるでしょう。そんな危険であるとわかりつつも付いてきたいと言うのであれば着いてきなさい。あたしが必ず聖皇国に話をつけます」と言うと振り返ることもなく真っ直ぐ歩いていく。
1人、また1人と立ち上がる。
内1人が口にする。「我が聖女を守るのは聖皇国ではない、私だ!」「いいや私だ!」「私だ!」と声高らかに話したと思うと「「「おぉぉぉぉぉぉぅ!」」」と声を張り上げながら廊下をひた走っていった。
残られたのは場の静かさと何かの寸劇か?という気持ちだけであった。
部屋に一度戻りクローゼットを開けるとごんぞうがまだいた。
悲壮感漂う表情でブツブツなんか言ってる。聞くとメルシーさんメルシーさんメルシーさんと言っていたので声を掛け正気に戻してあげる。
「ごんぞう!大丈夫かおまえ!」
「あぁ、大丈夫だぞ。なんだタケル痩せたんじゃないか?しばらく会ってなかったからな。何年ぶりだ??」
こ、壊れてる…こいつ、壊れてやがる!
「おいっ!大丈夫か?!何言ってんだ?昨日も一緒に勲章貰っただろ!おまえは男爵になっただろ?!おいっ!」
「えっなに?ルネっサーンスってこと?」
「アホ言うな!起きろ!!」とバチーンと頬を張ると周りをキョロキョロする。
ハッ!と言い「お…おう…タケル…タケルか!おぉぉ〜タケル!タケルじゃねーか!逃げ切った!逃げ切ったぞ俺は!おぉい!タケル!」
こいつ精神耐性持ってるのにここまでいくとはゴリアーナ恐るべし。
「大丈夫か?ごんぞう?」
「あぁ…なんか夢の中にいたようだ…未だ自分は既に死んでいる、いやヤラレていると錯覚するほどの…」
「わかったわかった。とりあえず飯行ってこい!皆心配してたぞ!」
「あぁわかった。・・・飯って1人で?」
「1人で!」
「俺が?」
「あなたが!」
「食堂に?」
「食堂に!」
知的レベル下がってる・・・
「そんな怖くて行けるわけないだろう!!!」
「そんな怒って言うことじゃねーーーっ!」
感情も壊れている。ちょっとリハビリが必要だなこれ…
「わかったよ…俺も付いてってやるから行こう」
「ありがとう!タケルありがとう!」
「ドウイタシマシテ」と会話して食堂に行く。
道中キョロキョロしながら俺と一緒にいたビビの後ろに隠れオドオドしながら歩く様を見て、いや確実にお前の方が強いだろうと思うのだった。
なんか腹立つから言わないけど、ゴリアーナさんは昨日の一件で騎士達に捕縛され夜中に移送されもうベルク村に帰ったそうな。
王城には立ち入り禁止だってさ。
そらそうよ。
親衛隊解散となりました。
解散となったのか?




