表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界はバーゲンブルグから・・・  作者: J.Plum
第一章
37/113

決意

 昼食会を終え周りにいた調理人にお礼を言って回った。


 この世界では余りお礼を言う習慣がないので驚かれたが、凄い喜んでくれたから良かったと思う。


 部屋に帰ってのんびりすると夕食の時間になり食堂に向かう。


 当然のことのようにごんぞうはいない。席につき食事が出てくるが軽めのサンドイッチであった。

 流石に軽めだよなと一口食べたらあの味を感じた。

「これ、なぁこれ!」「そうね!間違いないわね!今日唐揚げの横に置いておいたら更に驚かれるのにここで出すとは店長もやるわね」

「あたし大好きなんだ、マヨネーズ!」


 そう、マヨネーズだ!一部ではマヨラーと言われる直飲みするやつもいると聞いているが、俺は嗜む程度は好きな調味料だ。人類最大の発明品とも思うこの調味料には中毒性があるのでこれくらい程よく使用されているのはとても美味しく感じる。

「これうまうまです」ビビは初めての味に夢中になっている。


「今日はお疲れ様ね!」と店長が顔を出す。

「お疲れ様です!大活躍でしたね!」

「いやいや、僕なんかより慣れない作業なのに力を貸してくれた元々の調理人のほうが凄いよ。与えた知識をすぐに吸収するから気付いたら僕はいらなくなってしまうかもね」

「それはないですよ。バイキング方式選んだのもおそらくコストカットとかですよね、立食にすることで予算を抑えるみたいな」

「あー半々かなぁ、もちろんそれも考えてたけどね。何より盛り付けする時間が取れる算段がつかなかったし、何より食べたいものを好きなだけ食べて帰ってもらいたかったんだ」

「みんな凄い笑顔で帰っていきましたよ!」

「いやいやありがたいことで。君たちも調理人にお礼いったでしょ?あれね、こっちだとあり得ないことらしくドラゴンスレイヤーは謙虚で素晴らしい人だと話題になってたよ」

「日本だと普通とは言いませんが比較的あるあるですけどね」

「だね、そうゆう他人を敬う気持ちは皆に浸透させたいものだね。それよりおめでとう!叙爵!」

「ありがとうございます。全然イメージ湧かないですけど」

「ハハハ…いいんだよ。僕だって最初から店長じゃなかったんだから。役職は人が作るものだからね。そのうち男爵っぽい行動はできるようになると思うよ」

「そんなものですかね?」そうさと話を閉め厨房へと帰っていった。


 ごんぞうは未だ帰ってこない。食べられてしまっているのかどうなのかと思いつつも食堂を去ることにした。


「ビビちゃん、ちょっとお風呂入りましょ。今日は私と」とアヤからビビは誘われ、一度部屋に戻り着替えを持った後部屋を出て行った。


 一人になった俺は少しベットで休んだあと湯浴びに行き程よく熱った身体を覚ましてしたところ部屋を叩くノックの音が響いた。

 ビビかなと扉を開けるとそこにはカナがいた。「少し話できる?」どうぞと声を掛けて部屋に戻るとカナが扉を閉めこちらに寄ってきた。


「今日は疲れたね、なんか現実なのに現実感がないというか…」

「だな、男爵になったってのも未だ信じらんねぇよ」

「あんなにかっこつけてたらこの世界の人は心酔しちゃうよ」いや言ってないんだけど…と思いつつ黙っていた。

「そう言えばビビちゃんどうだった?」

「うん、本人にはまだ言ってないんだけど凄い可愛かったよね。見違えた!」

「なんで本人に先に言わないかな〜絶対気にしてるよビビちゃん。なんで何も言ってくれないのかな〜って」

「そうか〜?まだ子供なんだから思わないだろう」

「そうゆう考えが違うんだな〜、あたしから見ればタケルのほうが子供でビビちゃんのほうがよっぽど大人に見えちゃうけどな」なんだよそれと言い笑った。



「あのさ、今日最後の方にあった人覚えてる?あの聖皇国の?」

「覚えてるよ。なんか目が吸い込まれるような凄いお婆さんだったな」

「そうだね。実はあの人から聖皇国に来ないかって誘われたんだよね」

「えっ?!」

「なんかね、あたしって聖女って言われてるじゃん…まぁこんな喋り方だしこんな見た目で何言ってんだって言われそうなんだけどさ…

 聖皇国って聖女が本当にいるらしいんだけど、回復魔術使える人ってこの世界本当に少ないみたいでね、共に修行しないか?ってそう言われたんだよね…」

「うん」

「魔術って条件あるでしょ?勉強して見ればいいってわけじゃなく実際に各所に行って祈る必要があるじゃん。あたしってそのうちタケルやアヤとかとそうゆうとこ行って魔術を増やしていって一緒に成長していくんだろうなってなんとなく思ってたんだけど、違かった…。

 タケル達はドラゴンを倒して認められてる。アヤもいっぱい魔術使えるから認められるのも時間の問題だと思う。でもあたしは回復魔術と支援魔術しか使えないからそのために各所に行くって機会そんなにないと思うんだ。

 だからあたしだけ力になれない状況になったらどうしようとか考えてる」

「そんなことないよ。みんなカナに頼ってるじゃん!回復魔術は万能だよ」


「今回タケル達が結果遭難ってなったでしょ?

 あたし回復魔術があれば何かあっても回復できるから安全と思ってたとこもあるんだけど、今回はたまたま機転でどうにかなったけど、死んでるよ普通は。

 聖皇国には回復魔術や支援魔術に関する神殿も全部ではないけどあるみたいだし、国が望んでくれるなら…と…そう思うんだ…」

 少しの時間沈黙となる。


「カナはどうしたいんだ?このまま俺らと行動してもすぐには無理かもしれないけど神殿に行ってレベルの高い魔術を取得するのはできると思う」


「あたしは行ってもいいと思ってる。皆優しいから連れて行ってくれるのはなんとなくわかるよ。でもそれだとあたしの成長に繋がらないと思ってる。だから聖皇国に行ってもっとタケル達が頼ってくれるようになるため頑張ろうかと思うんだよね」

「安全性はどうなんだよ」

「聖騎士団というのがあって守れると言ってくれてる。強さの比較にはならないけど、一人では無理だが力を合わせればドラゴンは倒せるらしい。そんだけ強い人らなら大丈夫だと思うんだ」

「そうか…」

「でもタケルが残れって言うなら残ろうと思ってるから!だから言いに…きたの…」


 カナは自分に自信がない。

 これはこの前話した中学時代の不遇な環境のせいだと思う。流されやすい子なのに自分で考え自分で出したであろう決断だから俺は…


「俺は良いと思う。何しろカナが決断したのなら何も言うことはないよ」

「…そっか…そうだよね。もしかしたら止められるかな〜と思ってたんだよね…ははっ…」

「止めないよ。俺はカナを信じてるから。決断出来ない子とは思ってないし。必ず最高の聖女になって戻ってくると信じてるからな」そう伝えるとカナは俺の目を見つめる。その瞳にはあのお婆さんには敵わないものの決断した炎が灯っているように感じた。


「わかった。ありがとう!」と言って席を立つ、帰るのだろうと扉に向かって付いていく。

 あっ!?と言って外の窓の方を指差したのでそちらを見ると頬にチュッと口付けをされたので驚いた。

 なっ?!というと「おやすみ」と伝え走って出て行った。


 えっ?えっ?と一人で頬に手を開けながら動揺するも1人茫然としてしまうのだった。




 バーンっの音で覚醒し見るとびしょ濡れで涙を流しゼエーハァー言ってるごんぞうが乱入してきた。


「頼む匿ってくれ」と扉を閉め部屋に入ってきた。

 すぐ様クローゼットに収まり身を小さくすると廊下で声が聞こえる。


「おぉぉい!どこだこらぁぁ!抱けよおいっ!わかってんだろ!逃げる男心ってやつだろ?!一部屋一部屋開けていくから覚悟しとけ!」と言う声が廊下で鳴り響く。


 ひぃぃぃぃぃっ?!?と声無き声をあげプルプル震えてるごんぞうを見てどんだけ不幸なんだよと同情してしまうのだった。


「げっへっへぇ〜!!!ここか〜??それともここかぁ〜??」

大体相談するときってもう決まってますよね。大体は。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ