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異世界はバーゲンブルグから・・・  作者: J.Plum
第一章
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状況説明

 (まばゆ)い光に包まれ目がシパシパし一時的に失った視界がだんだんと晴れていくと明らかにお店ではない石造りでヨーロッパのお城のような場所にいた。


 目の前にはウォ〇リーに出てきそうな髭を長くした魔法使いのようなお爺さんが立っており、成功だ成功だと騒いでいる。


 お爺さんの隣にいたヒョロヒョロのおじさんが俺に対し話し始める。


「よくぞ参られた異世界のものたちよ!」


 と気持ち高めの声で言われ、はっ?となってしまい何も言えずに周りを見渡すと店員が全員立っているのが確認が取れた。


「まずは我が王に謁見して貰うのでついてくるが良い」

 といい、大きな扉を開け退室する。


 おじさんに探り探りついて行くと先ほどよりも更に大きな扉の前に立たされ、扉が解放され、騎士たちに促され前に進むとやたらと偉そうなおじさんが目の前に立っている。


「よくぞ参った、異世界の有志達よ!私はバーゲンブルグ王国、国王のバーゲンブルグ6世である!」


 この国王という方が高らかに宣言されるも、全く状況がわからず呆気に取られていると、さすがの王様もあれっとした顔をするようになった。


「うむぅ…この者たちは…」


 なんとなくだけどね、薄々気付いてたけどこれ小説とかにある学校のクラスメイトが異世界に行っちゃうってやつなのでは?夢じゃないよな、バイトしてたしな。でもバイト先でって聞いたことないけど・・・


 王様が話始める。クンクンっ・・

「何か焦げ臭いが…一体…君たちは何者だ?」


 問われたものの誰も喋らないので店長が話し出す。


「私たちは焼肉牛角屋の店員です。お店の準備しているときに気付いたらここにいました」


「ふむぅそうか。なぁ宰相、焼肉とはなんじゃ?」


「皆目見当もつきません。」


 と先ほどのヒョロっとしたおじさんが答える。あの人宰相なんだ。


「そうか…。んっ焼肉牛角屋とやらより良くぞ参った!突然の呼び出しを心よりお詫びする。ここはバーゲンブルグといい、お主らのいた世界とは別の世界である」


 やっぱそうじゃん。やめてよ魔王とか倒せないよマジで…と思いながら王様の話を聞き入る。


 王様が言うにはこの世界に魔王とかがいるわけではないらしいが、近年モンスターの急増が問題となっているとのこと。今回呼んだのはそのモンスター急増が要因で、召喚の儀を行うとランダムで人を召喚することとなり、その際に流れ込むエネルギーがモンスター抑制に役立つらしい。そして召喚した人物はこの世界の住民より強いことが多く出来る限りモンスターを倒しこの世界の住民を助けて欲しいとのこと。


 生活に関しては最低限は補償してくれるようだがモンスターを倒すと出てくる魔石を取ることでお金にとのことでなんとか生活してほしいと言っていた。


 この王様よく見ると別に煌びやかな格好しているわけではないし身に着ける装飾品も最低限となっている。よく小説で描かれる貧民が生活厳しいといいながら自分は着飾っているようなあかん召喚ではないようだなと感じた。


 徐に店長が話し出す。


「元の世界に返してくれ」


 神妙に話し出すので残してきた家族がとか言うのかと思いきやお客さん入れてしまったからいなくなってたら困ると思う。と・・・


 この人こんな小説のような非現実のこと起こってんのにお客さん気にするとか社会人の鏡だ…すげーわ。


「残念ながら戻すのはすぐにはできん」

 まぁ出来ないよな、すぐには…すぐ??戻せるの??


「術者の魔力と設備の魔力が枯渇しているためだ。術者の魔力は休めば一年もしないうちに規定量貯まるだろう。問題は設備の方じゃ。先ほど話をした魔物を倒した際に出る魔石が必要となる」


 王様は周りを見渡し更に続けて話す。


「一定量の魔石と指定の魔石両方必要となり、今回召喚で使用したためまた集め直さなければならない。集め終わり返還の儀が出来れば元の時間、元の場所に返すことが出来ると聞いている」


「本当に帰れるんですか?」


「古文書によると帰れるが結果を見ていないためおそらくとしか言えん。ただ、城に勤める専門家の研究では九分九厘問題ないだろうとのことじゃ。あとは信じて貰うしかない。元の時間に帰ることができればお客とやらにも迷惑がかからんと思う」


 矢継ぎ早にカナが言う

「死んだらどうなるの?」


「それは申し訳ないが死ぬことをなくすことはできん。元の世界に帰ることも出来ないだろう」


 カナはそれを聞き青ざめた顔で下を向く。


「なので最低限の身を守る力はこちらで受け持とうと思う。ただ我々も召喚自体初めてのことでどこまで指導すれば良いのかはわからないのだ」


 王様はそう言うと息を吐いた。


 ここまで話し終えようとするも琢磨先輩が言う。


「ごめん最後に一つ、チートとかないの?」


「ちいと?とはなんじゃ?」


「皆目見当もつきません」


「特殊能力みたいなもんだよ」


「なるほど能力のことか。私は本件を国内外に伝えねばならず退席するがこの後宰相からから能力についての話があるからよく聞いてほしい」


 と伝えると王様は謁見室を退席するのだった。

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