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異世界はバーゲンブルグから・・・  作者: J.Plum
第一章
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グッネスへ

 朝になるとビビは俺の隣で座っていた。

「おはよう」と声を掛けるとうんと頷いてくれた。


 そこから顔を洗いに行く時も朝食を作る時もずっと隣にいる。出発するときも手を繋いでくる。

 それ見てごんぞうが笑いを堪えているのが腹立つが仕方ないと思っている。


 今日からは昨日見つけた地図に従ってバーデンブルグに帰還できるよう歩くことになった。

 イメージで言うとベルク村は山あいの村で平野にあるグッネスという街経由でバーデンブルグに戻る。

 早くて明後日には戻れる距離だとはわかった。


 ちなみに昨日各部屋を回っているとボロボロではあったが、剣と盾も見つかり少しだけ装備が整っている。唯一回復薬は見当たらずごんぞうの包帯はそのままだ。


 ビビには穴の空いてない服があったので着せておいた。


「さて出発だ」と声を掛けるとビビが「おーーっ」と拳を上げて言った。

 ヤバい超可愛い。


 歩き始めると黙々と歩く、時折モンスターに遭遇するがここら辺のモンスターは問題なく狩ることが出来る。

 少し歩くと川が見えてきたので軽く水浴びをしようと言うと真っ先にごんぞうが全裸になり飛び込んでいく。

 ビビも素っ裸になるが入り終わるまで待てというと口をぶぅととんがらせて抗議した。

 超可愛いわ。ヤバいこれ。


 ビビが川に流されそうになり助けたり、ごんぞうが川上で排泄したりと色々あったがすっきりした俺らは再度歩き始めるのだった。


 昼食は干し肉を作っていたので齧りながら歩く。ふとビビが鼻歌を歌っているのに気が付いた。


「ビビ、それは歌か?なんて歌なんだ?」「この歌はカカが教えてくれたです。元気になる歌です」

「そっか!だから俺元気なんだな、ビビのお陰だな」そう言うとビビの尻尾がピコピコと動いていて可愛かった。


 モンスターはちょくちょく出てくるが警戒に引っかからないことが多く難儀したが、ビビが耳をピョコピョコ動かすとモンスターが出てくることに気が付いてからは道中は安心して歩く事が出来た。

 おそらく索敵のスキル持ちなんだと思う。


 休憩を取りながら街に向かうと途中にビビの耳に大きな反応があった。


 手を引っ張られ岩陰に隠れると息を潜めるように言われた。


 3分ほど待っただろうか。大きな人のような見た目、身体の周りに黒いもやのようなものを背負ったモンスターなのか?が現れた。クンクンって匂いを嗅いでいるが、あいつはヤバい、おそらく勝てない。仮にごんぞうが万全の状態からでも勝つのは五分五分だと思われる。『あれはダメです。いなくなるまで待つです』と言ったので通り過ぎるまで待つ。


 刻々と時間が過ぎるのを待つともう大丈夫の声で動き始める。

 多少動いてから「ビビありがとう。なんなんだあいつは?」と聞くと「わからないけどトトが身体の大きな黒いもやのモンスターを見掛けたらすぐ逃げろと言ったです。おそらくビビのとこ襲ったやつです…」

 この子おそらく両親の命を奪っていったであろう宿敵を見つけたのに俺らのために我慢したんだ、強い子だ。感謝の気持ちを込めて頭を撫でてあげた。


 着々と前に進みつつ街に向かって歩く。

「なぁビビ、今は俺も弱いから厳しいだろうが必ず一緒にあいつを倒そうな」と言うとビビは黙って前を向き続けていた。


 色々なモンスターとの対峙等はあったが着々と進み夕方らへんには街に到着した。グッネスの街だ。


 街の四方は木でできた壁に囲まれており、外からは中を見ることは出来ない。ただ外壁が木でできてるため城塞都市というわけではないと思われる、おそらくモンスター対策の塀なんだろう。


 門番が大声で叫んでいる。

「おーいっ!そろそろ門を閉めるぞ!閉まったら翌朝まで開かないから早く来いーっ」

 やべやべ言いながらバタバタと入り口を抜け入場料を払って中に入る。入ったらすぐに門扉は閉められ到着となった。


 ここで一悶着というかなんというか、ゴンゾウは飯食おうといい、俺は宿屋を探そうという。

 あーでもないこーでもないの末ビビが宿屋まず行こうですと言ったらごんぞうも頭をかきながら仕方ねーなと折れてくれた。


 近くの人に声掛けて何人かに聞くと入り口前に金の銅像を建てた金の銅像亭という宿屋が値段の割に良いと言われた。

 但し、ここからは少し距離があるそうで早く向かったほうが良いと言われたので向かうことにした。


 走るまでもないとパタパタと気持ち早めに向かっていると道端の中央に小さな女の子がキョロキョロと周りを伺っていた。


 気になったので1分ほど見ていたが動く様子もないので声を掛けてみる。


「こんにちわ、何か探しているの?」

 一度こっちを見たと思えば「フン」と言ってキョロキョロし始める。

 ショック受けていたところビビがチョチョっと寄って行き、ゴニョゴニョと話すとフンの顔のまま目の前まで寄ってくる。


 一言、「お父様とお母様が迷子になったようだから探しているのよ」

 ははぁ、これは帰る場所わからなくなってしまったやつだな。仕方がない、ここはお兄さんが力になってやろう。

「そうか〜そら大変だな〜お家は近いの?」

「フン、お父様とお母様が迷子になるくらいだから宿屋に決まっているでしょ!」と言う。

「一度宿屋には行っているのかな?どんな宿屋か覚えているかな?」

「フン、金色の男の人が目の前に立っていたわ」

 ふむふむ、金色の男の人ってそれ金の銅像亭じゃね?ここからだともう少しかかるな、まぁここからだとわかんないよな〜・・・

「多分お兄さんも知ってるとこかもしれないから一緒に行ってみない?お父さんお母さんも迷子になったら戻ってるかもしれないよ」

 そう聞くと少し安堵した表情になるがすぐフンといい両手を俺に差し出した。


 なんのことかわからず止まっていると

「疲れているのよ私は、だから連れて行きなさい」

「あー抱っこね!」

「抱っこじゃないわよ!エスコートと言いなさい!」

 こんな小さいのに一丁前で可愛いな!

「わかりました姫様。お連れしましょう」と言うとギョッとした顔で言う、

「なんで、私が姫だとわかったの??」と

「えっマジで姫なの?」俺連れてったら捕まらないだろうか…

 まぁなんかあってもこの子が言ってくれるだろう。ええぃいったれ!


「こんな素敵な方は姫様以外ないと思いました。纏う空気が姫様と言っております」と適当なことを言うと

「フン!わかっているじゃない。この姫をエスコートすることをありがたく思いなさい」

 チョロいなこの子、将来心配だ。と抱き抱えると少し安心したのか大人しくなった。


 金の銅像亭まで歩いて向かう、途中ビビも抱っこしろとねだられるもいっぱいだと言うと泣きそうになったので両手に抱えるように抱っこする。


 重いなとふと横を見ると家の陰に人影が…

 顔のほりが深めのおばちゃんが家政婦みたいに見てくる。じっくりと見てきていぶがしげな表情で見てかる。

 別にやましいことをしてる訳ではないが、違うのよ人助けなのよと言い訳を心の中で思う。

 ごんぞうを見ると興味なさげに屋台を見て美味しそうなものを探していた。


 金の銅像亭に近づくと宿から高そうな服をきた婦人と恰幅の良い男性が出てくる。

 見た瞬間に「ママっ!!」といい俺の腕から飛び降りると走り出す。


「なにしてるの!心配したでしょ!」と抱きしめ「ごめんなさいごめんなさい」と泣きながらの再会を果たしている。


 良かったなと思う反面、ビビには少し辛いことかなと強く抱きしめるとビビも抱きしめて返してくるのだった。

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